ドイツで働くパン職人の給料事情を解説!

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書面での契約を重要視するドイツでは、採用となればドイツ語がびっしりと書かれた5枚ほどの契約書を渡されます。給料はもちろん、休日日数、労働時間、各手当に至るまで、企業ごとに詳細な条件が記載されています。

契約の際にはすべてに目を通し、納得した上でサインしなければなりません。

ここでは、私が3年間ドイツ・ミュンヘンでパン職人として働いていた時の具体的な給料事情をお伝えします。契約書で確認すべきポイントの参考にしてください。

※1ユーロ=約134円

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ドイツのパン職人の基本給

私はドイツで職業訓練を受けパン職人の国家資格を持っていたため、大手のパン屋に就職することができました。そのパン屋はミュンヘンに約30店舗を持つ大企業で、パン製造の職人はすべてのパンを一括して焼く工場のような焼き場で働きます。

月給は税引き前2,100ユーロ(約28万円)。基本的には勤務年数による昇給などはないため全従業員が同じです。

ただし、勤続年数により有給休暇日数は配慮され、役職手当もありました。また、計量担当やオーブン担当など配属部門で必要とされる業務経験や知識のレベルに応じて職能手当も基本給に加算されます。

ドイツのパン職人の各種手当

ユーロ

その他、気になる手当を紹介します。

夜間手当

朝早い開店準備に間に合わせるため、パン職人の勤務は夜中にスタートします。夜間手当は22時~朝5時までの勤務に対して支払われます。

私の場合、午前1時に勤務開始だったので、1日あたり4時間分の夜間手当約10ユーロ(約1,300円)がついていました。

日曜手当

ミュンヘンはカトリック信者が多いため、日曜の勤務は原則禁止されていました。私は新人だったので日曜に勤務することはありませんでしたが、もし何らかの事情で日曜出勤する場合は、時給計算で50%加算になります。

通勤手当

ほとんどのローカルの会社は支給していません。ミュンヘンは比較的電車が発達していますが、やはり夜間勤務ということで終電がなくなることから車通勤が推奨されていました。

残業手当

法律で残業が厳しく禁止されているため、8時間を超える労働は滅多にありません。しかし、万が一残業した場合には超過分に対し25%増しの時給がついていました。

ドイツ独自のボーナス

Urlaubsgeld(ウアラウプスゲルト)

ウアラウプとはドイツ語で有給休暇のことです。有休を取った月は、取得した有休日数×日当がボーナスとしてお給料とは別にもらえます。これは有休中に旅費や食費がかかることから始まった制度だそうです。

年間平均30日の有休があります。この日数分のボーナスはひと月分のお給料に相当します。

Weihnachtsgeld(ヴァイナッハツゲルト)

ヴァイナッハテンとはドイツ語でクリスマスのことで、年末近くの11月の給料と共にもらえるボーナスです。給料の1カ月分が支給されます。

ドイツの社会保険料

計算

ドイツでは雇用者と従業員が半分ずつ社会保険料を負担しています。年金、雇用保険料、健康保険料などが給料から天引きされます。

私の場合、月給2,100ユーロ(約28万円)に対して実際に引かれていた金額は合わせて約500ユーロ(約7万円)で、手当を除いた手取りは約1,600ユーロ(約21万円)でした。

確かに毎月大きな負担ですが、歯科や特別な治療以外は健康保険で全額賄えます。

ドイツでの給料支給は銀行振込

貯金箱

ほとんどの企業では、給料を銀行振込にしています。身分証や住民票があれば口座開設は比較的簡単です。

ただ、日本の銀行と大きく違う点は、口座維持費が毎月かかることです。銀行によってその額は異なりますが、大体5~10ユーロ(約700〜1,300円)が毎月引き落とされます。

ほとんどの会社は振込先銀行を指定しないので、アクセスの良さ、そして口座維持費を比較して選ぶことになります。

ミュンヘンで私が利用していたのはSparkasse(シュパーカッセ)という銀行で、店舗・ATM共に多数あり、給料振込の指定銀行として月2,000ユーロ(約27万円)以上の収入があれば維持費無料というサービスがありました。

まとめ〜仕事に見合う給料を得られる環境

日本ではパン職人の初任給が14万円ほど、過酷な勤務体制を考えても安いです。それに比べると、ドイツでは毎月20万円程度と恵まれている上に夜間手当も付き、一人で生活するには充分です。また、貯金することもできました。

社会保険料は確かに高いですが、その分、保障は手厚いです。

企業によってもそれぞれ異なりますが、契約の際には従業員からも改善の交渉ができるということを忘れずに、契約書をしっかり読むことが大切です。

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大学卒業後、ドイツ・ミュンヘンで5年間生活。
食べること、お酒を飲むことが大好きで、最近は美味しいワインと合う料理やお菓子を作ることにハマっています。
趣味は旅行で、国内はもちろん海外は現在52カ国を訪れています!今は結婚して日本で落ち着いた生活をしていますが、日々何か新しいことや楽しいことを探しています。

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