「海外で働く」と聞くと、華やかでかっこいいイメージを持つと思います。日本とは全く異なる環境で働くことは、もちろん刺激的で楽しいことではあります。しかし、実際に海外で働いてみると、予期せぬ問題・トラブルに直面するのです。
私は、オーストラリアで食品会社のマネージャーとして3年働いており、採用や新人研修を担当しています。
今回はその経験をもとに、オーストラリアで働くことのデメリットおよび気を付けたいポイントを紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
ビザの種類による所得税の違い
オーストラリアで働く場合、まず頭に入れておきたいポイントがあります。それは「所得税」です。日本に比べるとお給料が良いイメージがあると思いますが、気を付けたい点は税率です。
オーストラリアで働くにはビザが必要なのは、みなさんもご存知でしょう。そのビザが重要なポイントとなります。
2018年時点でのオーストラリアの税率は、ワーキングホリデービザが15%、学生ビザは年間の課税所得が18,200豪ドル以下の場合は0%と定められています。
ワーキングホリデービザの場合
以前までは、ワーキングホリデービザで働いて納めた税金は、確定申告時にそのほとんどが戻ってきていました。しかし、2016年にその制度が変わり、ほとんど戻ってこなくなったのです。
私は、1年目はワーキングホリデービザで働いていました。収めた税金は3,000豪ドル以上でしたが、戻ってきた金額はたった10豪ドルでした。さらに一定の金額以上を稼いでしまうと、逆に追加で税金を払うはめになってしまいます。
学生ビザの場合
ほとんどの場合が確定申告時に収めた金額を取り戻すことができます。しかし、学生VISAのデメリットは、週20時間という労働時間の制限が設けられている点です。
日本に比べれば時給も良いので稼げはしますが、気を付けて働かないと税金を多く収めることになったり、法律違反になったりしてしまいます。
スタッフとお客さんの平等な関係
日本は、おもてなしの国。そんな日本だからこそ「お客様は神様」という考えは当たり前ですが、オーストラリアでは働く側が守られる文化になっています。
日本では、どんな理不尽なクレームがあってもお客様を第一に考えて対応するのが一般的です。しかし、オーストラリアには基本的におもてなしの心はありません。そのため「お客様は神様」の精神で働くと、まず精神的にかなり疲れてしまいます。
私も実際、慣れるまでに時間がかかりました。今でもときどきストレスに感じることもあるほどです。
さらに、オーストラリアは基本的にチップ制度ではないため、働く側もあまり接客に力を入れない傾向があります。慣れてしまえば良いのですが、将来的に日本に戻って働くのであれば、日本のおもてなし接客に戻るのも苦になります。
文化的なトラブル
オーストラリアには多文化が存在します。文化的・宗教的な常識を知っていないと、予期せぬトラブルを引き起こしてしまうこともあります。一緒に働く相手、もしくはお客さんも様々な文化・宗教を持っています。私の実体験をいくつか挙げましょう。
まず、アジア圏以外の人が箸を使っているのを見て褒めるという行為です。これは会話を始めるために使う人も多いですが、失礼にあたることもあります。
オーストラリアでも箸を使うことは一般的なことになってきています。これは、私たち日本人がスプーンとフォークを使えるのを褒められているようなことだと言われたことがあります。
見た目で判断するのもご法度です。見た目がアジア人でも、オーストラリア生まれオーストラリア育ちのアジア人だってもちろんいます。彼らはオーストラリア人です。
見た目だけで国籍を判断して話すことは絶対にしてはいけません。これがトラブルのきっかけになることもあるのです。
英語力・トーク力
英語力は高ければ高いほど良いです。オーストラリアにきて英語力が足りずに仕事が見つからない人も少なくありません。
特殊なスキルがないのであれば、なおさら英語力は必須です。特にローカルの仕事は倍率も高いため、英語が話せない人はチャンスすらゲットできません。
また、英語力に加えてトーク力もポイントとなるでしょう。日本人は英語が話せない、控えめ、比較的無口というイメージがついています。
オーストラリアで働く上で重要となるのは「おしゃべり」です。おしゃべり好きな人が多い国なので、接客の際もおしゃべりが上手な人は有利だと言えます。
そのおしゃべりには、やはり英語がマストですね。私は、もともとおしゃべりな方ではありません。今でも、顧客と会話する際にもっとトーク力があればなと思うことが多々あります。
自分を売り込む際のポイント
ワーキングホリデーで働きにくる人が多いオーストラリア。その仕事探しは簡単なものではありません。レジメを配り歩くのもここでは当たり前のことです。その時に注意したい点があります。
レジメには、名前、電話番号、住所など個人情報も記載しています。ということは、個人情報を配り歩いているのと同然です。
レジメを配る際は、その店の採用担当もしくはマネージャーなどに直接渡すようにしましょう。名前などをSNSで検索され、知らない人から連絡がきて、ストーカー行為に発展する可能性もあります。女性は特に気を付ける必要があります。
さらに、場所によってはスタッフの間でシフトの取り合いもあるため、スタッフに渡してしまうと担当の人に渡る前に捨てられてしまうこともあります。
まとめ
海外で働くことは、どの国であっても大変です。私自身も、オーストラリアで働いて3年目になりますが、本記事で紹介したことをはじめ、様々な問題に直面してきました。
今でも、もっと早く知っておけば良かったなと思うことは日々あります。周りの人と情報交換をすることで、私も日々学び続けています。
オーストラリアで働きたいと思っている方は、できるだけ予習をして、予期せぬ事態に対応できるようにしておきましょう!
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