一攫千金を夢見て「オーストラリアにワーキングホリデーに行こう! ファームで働いて3カ月で100万貯金してやる!」なんて考えている方、多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。もしかしてネットの情報を全て鵜呑みにしていませんか? 実は筆者もそうだったんです。ワーホリ中にチェリードリームを追いかけて、シドニーからタスマニアに飛びました。でも、現実はそう甘くはないんですよ!
オーストラリアでファームよりも確実に稼げる方法をお教えしましょう。
※この記事の内容は2017年6月現在のものです(1オーストラリアドル〈以下ドル〉=約89円)。
ファームで働けば3カ月で100万貯金できる説は本当なのか
ワーホリビザを無事ゲットし、次は仕事探し。英語があまりできなくても、ファームで働けば3カ月で100万円貯金できるらしい? それなら車を買って、いざファームへ!……というのがワーホリ初心者が最初にはまる魔の落とし穴。
実際にファームへ行ってみたら……
カブルチャーやミルデューラのストロベリーファームに出稼ぎに行った筆者の友人は「週800ドル(約7万円)は稼げるって言われたから車を買って出稼ぎに行ったのに、実際稼げたのは週280ドル(約2万5000円)だった!」なんて嘆いていました。
そして筆者も例に漏れずネットの情報を信じ、チェリーピッキングの仕事を得るため、11月下旬にシドニーからタスマニアへと飛びました。ところが、これが大誤算! その年は、タスマニアではほとんど雨が降らなかったため果物の成長が芳しくなく、仕事が全然なかったのです。
そのため、1カ月で50万円貯金できるはずが、あっという間に一文無しに。
トラブルの多いファームでの仕事
しかし泣いてもいられないので、気を取り直してメルボルン郊外のラズベリーファームで働こうとしたのですが、出発前日にエージェントから「収穫量が少なくてリストラが始まった。ごめん、やっぱり来なくていいわ!」とメールが。そして音信不通に……。
これからオーストラリアにワーホリに行く皆さんには、こんな思いをしてほしくないんです! もちろん筆者の周りには「ベジタブルパッキングをして、泊まるところはすごくキレイで、時給22ドル(約2000円)!」という人もいましたが、それは非常に珍しいケースです。
ファームの仕事というのは天候や収穫量に左右され、実際に働いてみないと本当に稼げるかどうかなんて分からないのです!
オーストラリアで日本人ワーホリ労働者が稼げない理由
ファームの広告を信じるべからず
ほとんどの日本人は日本語のサイトからファームの仕事を探します。でも、その求人広告、誰が書いているか知っていますか?
実はファームでは、コントラクター(農場の経営者に働き手を紹介する人)に働き手を紹介すると、その紹介料として20〜30ドル(約1700〜3000円)ぐらいもらえることがあるのです。
そのため、エージェントでもないただのワーホリ労働者が小遣い欲しさに求人広告を掲載しているのです。もちろん待遇面を誇張して。これにだまされて、次から次へと若いワーホリ労働者が出稼ぎに来てしまうというわけです。
そしていざ働き始めると、聞いていた話と違って全然稼げないから、自分も話を誇張した求人広告を出して紹介料で稼ごうとします。これが日本人ワーホリ労働者の成れの果てなのです。
違法に安く働かされることも
たとえ英語が話せたとしても、多くの日本人はウエーターやハウスキーピング、ファストフード店の仕事を探しがちです。
オーストラリア最大の掲示板サイト、Gumtree(ガムツリー)から探したとしても、日本人に返事をくれるのはアジア人経営の店ばかり。こういった類の店の大半は時給10〜15ドル(約900〜1300円)、しかも現金手渡しであることがほとんどです。
しかし皆さんご存じでしょうか? 2017年5月現在のオーストラリアの法律では、最低時給は17.80ドル(約1580円、2019年7月時点では19.49ドル〈約1730円〉)なんですよ。これを下回ったらもちろん違法です。
稼げる仕事はちゃんとある
でも仕方がないですよね、100通レジュメを送ったところでローカル企業から返信なんて全然来ないですもんね……。
なんて、そんなに落ち込まなくても大丈夫です! 日本人でも、英語がペラペラじゃなくても、ローカル基準の給料を稼げる方法はちゃんとあります。
じゃあどうすれば良いの? と思いますよね。その答えはオーストラリアの街を見渡すとすぐに分かります!
オーストラリアで本当に稼げる職業は建設作業者
オーストラリアに行けば、建設中や改築中のビルがずいぶん多いことに気が付くと思います。そう、ここオーストラリアは超建設ラッシュ! あっちもこっちも建設、改築で、人手が足りない、猫の手も借りたい! という状況なのです。
でも建設業なんて経験ないし、女性にはまず無理なんじゃ……そう思っていませんか? いやいや、そんなことはありません。街中にはConstruction labor(建設作業者)として働く移民やワーホリ労働者がたくさんいます。
経験不要で働ける
日本で建築業の経験がなくても心配いりません。女性でも心配いりません。未経験でもできる仕事はたくさんあります。なぜなら人手が足りないから!
例えば今シドニーでは、街中でライトレール(路面電車)の線路を敷く大規模工事が行われていたり、シドニー北部では、中国人が土地を買い占め高層マンションを次から次へと建てたりしている真っ最中。
皆さんが「建設業は自分には無理」と思っているのは、足場を組んだりする高所作業や、資材を運んだりする重労働をイメージしているからですよね?
でも安心してください。中には交通整理の看板を持っているだけの人もいるんですよ! 看板係なら自分にだってできそうですよね。
労働環境は悪くない
街中の現場で働く場合、労働環境はさほど悪くありません。トイレは街中のデパートや公衆トイレを使える上、お昼も近所のファストフード店や公園で食べられるので、女性でも心配なく働くことができます!
オーストラリアで稼ぎたいなら建設業に就きましょう。筆者が旅の途中で知り合ったアメリカ人は、建設業に就いてフルタイム+残業で月5,000ドル(約44万5000円)強稼いだそうです。
時給は22ドルから!
欧米人はファームに行くより建設業の方が稼げることを知っています。
Gumtreeで検索したところ、Construction laborの相場は時給22〜28ドル(約2000〜2500円)! 法令遵守の企業で働けば、残業した場合や土日・祝日にはこれに手当がプラスされます。
オーストラリアで建設作業者になるための資格や費用は?
では、どうやったら建設業界で働けるのかというと、そのための資格が必要です。「White card(ホワイトカード)」という資格の取得が必須になります。
ホワイトカードはオーストラリアで建設業の仕事に就く際に取得が義務付けられているもので、これがあると「私は建設業の基本知識を学んで安全講習も受けました。安全に仕事をできます」という証明になります。
取得費用はオンラインコースなら39ドル(約3500円)〜、スクールだと120ドル(約1万1000円)〜で、どちらも1日で取得可能です。
スクールがおすすめ
80ドル(約7000円)も違うなら、オンラインコースの方が絶対いい! と皆さんは思われるかもしれませんが、筆者はスクールで受講することを強くおすすめします。
というのも、スクールの先生は豊富な情報を持っており、仕事の探し方を教えてくれたり、その街の有名なエージェントを紹介してくれたりするからなのです!
それに同じクラスの人たちの中には、既に仕事は見つけたけれども資格がないから取りに来ました! なんて人がいることも。この人たちの情報には、120ドル(約1万1000円)払う価値があります。なんといっても建設業は時給が良いですからね。
資格さえあれば仕事のチャンスは多い
皆さんもうお気付きですね。稼げないファームで果物を摘んでいる場合ではありません! インターンシップ会社に10数万円も払って最低賃金でハウスキーパーをしている場合でもありませんよ!
White cardはたったの120ドル(約1万1000円)、しかも1日で取得可能。それに、建設業に季節は関係ありません。都会でも田舎でも、オーストラリア中どこにでも建設業の仕事はあります。
さらに、RSA(酒類取り扱い資格)と違い、White cardは一度取ってしまえばどこの州でも働くことが可能。そう考えると非常にコスパが高いといえますよね。
Yellow cardもあるとさらに有利
もしもお金に余裕があるなら「Yellow card」もついでに取得しましょう。
Yellow cardはTraffic controllerとして働く際に提示を求められることがあります。なくても良いですが、あるだけで仕事の幅がさらに広がります。
オーストラリアの建設現場で働くための仕事の探し方は?
核心の仕事の探し方ですが、一番良いのはスクールの先生にエージェントを教えてもらい、そこに連絡・登録すること。もしくは「Construction Agent」で検索して片っ端からエージェントに登録しまくるという方法です。
度胸のある人は、街中のLaborたちに「どこのエージェント使っているの?」と直接聞いてみましょう。
そんな勇気ありませんけど? という方に朗報。建設業で働く場合、ほとんどの人たちは作業着(蛍光色のフリースやベストなど)を自腹で購入しますが、中には会社支給のユニフォームを着て作業している人たちもいます。
彼らの背中には会社の名前が大きく書いてあるので、その会社名をメモして、検索して、連絡しましょう。
求人検索はGumtreeよりSEEKがいいかも
Gumtreeで探してもOKですが、中には悪徳業者もたくさんいるので、法律遵守の会社で働きたいのならなるべく「SEEK」を使って求人を探す方がおすすめです。
SEEKを使ってゲットした仕事が違法賃金だった、という話は少ないです。もちろんゼロではないですが……。
オーストラリアの建設現場へいざ出勤!準備するモノは?
仕事が見つかったら、いよいよ現場に出勤です。
忘れてはいけない3点セット
オーストラリアの建設現場で働くに当たって絶対に必要なのは次の3つ。作業着、安全靴、そしてヘルメットです。
建設現場に危険は付きもの。目立つ色の服を着て自分を守りましょうという意味で、作業員は先に述べたように蛍光色のフリースやベスト、Tシャツなどを着用します。下はカーゴパンツや短パンの人が多いです。
また、安全靴はつま先に金属が入っており、万が一、建設部材が落下したときなどに足を守ってくれる仕様になっています。
作業着は20ドル(約1800円)ぐらいから、安全靴は120ドル(約1万1000円)ぐらいからで、KmartやAussie disposals、Bunningsで購入可能です。服は安物でいいですが、立ち仕事になるので靴は良いものを買いましょう。
日焼け対策も必須
オーストラリアの日差しはとても強いです。
日焼け防止用のツバの広い帽子も必要です。見てくれなんて気にせず、首の日焼けを防止できる布(ひらひらしたもの)が付いている帽子を購入しましょう。
また、日焼け止めはとにかく最強のものを買うことをおすすめします。サングラスもあるに越したことはありません。
と、いろいろ述べましたが、仕事をゲットする前に作業着や安全靴を用意する必要はありません。たまにユニフォームを貸してくれる会社もあるので、仕事が決まってから必要なものを会社に確認した上で買いそろえましょう。
仕事で使う単語を覚えておく
そして忘れてはならないのが、同僚とスムーズな会話をするために、建設業でよく使われる単語をメモして覚えておくということ。これをするとしないとでは、仕事のはかどり方が大きく違ってきます。
文法なんて気にせずに、また間違いなんて気にせずに、質問があれば自分から積極的に周りに聞けるよう準備しておきましょう。
オーストラリアでは受け身の態度は禁物です。厚かましくても自分からグイグイいかなければ生き残れません。ローカル企業で働くのなら、そこは覚悟しましょう。
まとめ〜建設現場で効率良く稼ごう
建設業はなくなることのない業界です。シティの建設現場なら、夜にバーやレストランの仕事を掛け持ちすることも可能です。
ファームのようにスーパーへ行くためだけに交通費をかけ、Wi-Fiのために街をさまよわなくたっていいのです。
オーストラリアで本当に稼ぎたいなら、収穫量に左右されるファームではなく、安定の建設業界で働いてみませんか?
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