1年中穏やかな気候で、南国特有の温かい雰囲気で人気を集めているフィリピン・セブ島。留学や旅行で訪れてファンになった方も多いのではないでしょうか。
「初めてのセブ就職なので心配だ」、「どのくらいの給料で生活ができるのか」などの興味を抱いている皆さんに、セブ島移住歴5年になる筆者のセブ会社員時代の給料を公開します。
2018年1月に税金制度が変わり、引かれる額が少なくなりました。色々な日系会社が進出し、セブ各地で日本人の人材を探している今が、セブ就職のチャンスです。ぜひ参考にしてください。※1ペソ=約0.48円
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
LHH転職エージェント(未経験から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
セブ島就職前のバックグラウンド
25歳でセブ島就職
筆者がセブ就職したのは25歳のときです。当時働いていたホテルを辞めてフィリピン留学に来て、セブの魅力に惹かれたのがきっかけです。
そのときはパートナーもおらず、25歳という若い年齢ということもあり、あまり給料面は気にせずに就職活動を行いました。また、発展途上になりかけの時期であったため、給料も現在の相場と比べると1割ほど低かったです。
英語ができなくてもセブ島で働きたい
英語ができないにもかかわらず、「英語を使って仕事がしたい」と思っていましたが、「ずっとフィリピンに住みたい」と考えているわけではありませんでした。
周囲もキャリアアップや経験を積みたいという人が多いようでした。もし、しっかり働いて高い給料をもらいたいなら、門はかなり狭くなるかもしれません。
日系求人サイトを閲覧すると、当時の相場は月給50,000ペソでした(2013年当時のレートで130,000円ほど)。ほとんどが語学学校の生徒さんのケアや、工場での日本企業や日本人相手のカスタマーサポートの仕事でした。
元々がホテルの仕事だったので、接客であればある程度は大丈夫だろうと思い、語学学校での生徒対応のお仕事に応募し、5年間勤めました。
セブ島就職後の給料明細
実は筆者はまめな性格なので、入社時からの給料明細をすべて保管しています。そこで今回は入社当時と、退社直前の給料明細を公開します。
写真の上側が入社時のもの、下側が最終年のものです。
セブ島就職でかかる税金
所得税
2018年12月現在のフィリピンの税金制度は以前に比べて優しくなっています。単純計算で20%~25%ほどが所得税として引かれると考えて頂いて問題ありません。一時期は30%ほど引かれたのでそこから考えるとかなり楽になりました。
累進課税
税率は累進課税で日本人が給料から差し引かれる金額はだいたい先ほどのパーセンテージになります。技術系などでかなりの高給をもらっている人は30%近くまで上がり、上限は32%です。
社会保障
日本でいう住民税はありませんが、フィリピンの健康保険料やSSS(ソーシャル・セキュリティ・システム、社会保障制度のこと)、または住宅ローンが一緒に引かれます。合わせて約1,000ペソ(2,080円ほど)です。
セブ島就職でもらるボーナス
ボーナス制度
フィリピンでは「13th Month Pay」と呼ばれるボーナスがあります。日本のように夏と冬にボーナスがあるわけではなく、12月の給料が倍支払われるというシステムです。
年間ずっと働いた人からすると、もう1回分給料がもらえるので、このような名前になっています。
システムはその年の1月から12月までの基本給を足して12で割った額が支給されます。そのため11月に就社した方などは2か月分の給料を足して12で割った額なので、だいたい10,000ペソ(約20,830円)ほどがボーナスとして入ります。
給料システム
フィリピン人は12月15日前後にこのボーナスを受け取ります。しかし我々外国人は12月末の支給になります。なぜでしょうか?それはフィリピン人給料システムと外国人システムを分けている会社がほとんどだからです。
フィリピン人は月の中で2回に分けて給料支払いがあります。基本的に外国人は月末のみの支払いになるので、ボーナスを受け取る時期は少しずれてきます。
特にクリスマスを1年の最重要イベントの1つとしてとらえているフィリピン人にとって、クリスマス前のボーナスは必須になっています。
そのため、この時期のATMは長蛇の列ができます。場合によっては30分ほど待ちますので、あらかじめ財布を厚めにしておきましょう。
セブ島就職で期待できる昇給
給料査定
年1回もしくは2回給料査定を行う企業がほとんどです。日系企業だと3月の日本の決算に合わせて行われますが、現地法人であれば1月に前年の評価があり給料アップというシステムになります。
不定期に昇給
ポジションや仕事量などによって不定期に昇給もあります。これはやはり日本人の人材不足問題があり、どの日系会社も良い人材がいれば長く働いてもらいたいと思うからでしょう。
筆者の場合
筆者は1年目の途中に2,000ペソ(約4,167円)、2年目には3,000ペソ(6,250円)、3年目の途中にはポジションを頂いたこともあり、10,000ペソの昇給がありました。
先ほどの比較でもお分かりの通り、最終的には入社時から35,000ペソあがりました。
日本円でいうと73,000円ほど上がり、セブ島での生活レベルだとかなり楽な暮らしができるようになりました。その生活費用については後ほどご紹介します。
セブ島就職後の福利厚生
筆者が勤務していた会社には、下記のような福利厚生がありました。
健康保険完備
こちらは病院に掛かったときに、日本の健康保険のような役割を果たしてくれます。病気の程度によって負担額が変わります。
例えば風邪がひどくて診察してもらったときは、診察代は保険負担で薬代だけ個人負担。入院したときには病院内で受けた治療はすべて無料になります。慣れない場所では体調を崩す可能性がありますので、入社前に健康保険完備か確認しましょう。
食事手当て
こちらは月に1,000ペソが支給されていました。個人差はありますが、筆者の場合だと、会社近くの食堂でのランチ10日分ほどになります。
住居手当
入社したてのころはシェアハウスの1室を4,000ペソで借りてました。シェアハウスと言っても会社が部屋を借り上げているので、水道光熱費やWifi、お部屋掃除などが含まれての値段です。
海外ドラマのようにみんな仲良くということはあまりなく、それぞれの生活があるので会ったら話をする程度でした。日本人だけでなく、中国人、韓国人、ときにはヨーロッパ人などとも一緒で、入れ替わりが激しいシェアハウスでした。
3年目になってポジションをもらったときに15,000ペソ分の住宅手当がつくようになり、近くのコンドミニアムを借りるようになりました。
簡易ですがプールが付いていて、ベランダもある比較的静かなお部屋で、日本円で31,250円ということも考えると、とても良い住まいでした。
ちなみに15,000ペソはセブ市内でワンルームのコンドミニアムを借りる際の標準だとお考えください。
ジム使用
会社近くにあるジムが年間で使い放題でした。日本と比べると多少の差はありますが、運動するには十分の器具が揃っていました。
交通費
こちらもポジションが付くと2,000ペソを上限に申請が可能になります。タクシーやガソリン代も事後申請できます。
筆者は家から歩いてちょうど良い距離に会社があったため交通機関は使っていませんでした。フィリピンの交通機関に定期というものはまだ存在していないので、交通費を出している会社はどこも月締めで実費の払い戻しとなります。
ビザ完備
こちらは労働許可書や労働ビザなどの取得を会社が一緒にしてくれます。または会社で手続きはしてくれて、面接だけ自身で出向くというスタイルもあります。
退職にともなうビザの手続き(ダウングレードなど)は退職者がおこなうか、会社が手伝ってくれるか分かれますが、こちらも入社の段階で確認しておきましょう。
飛行機代補助
年に1回日本へ帰る往復便を会社が負担し、日本以外であればバケーション代とホテル代が会社から出る、というものがありました。
日本企業ではありますが、海外の会社のような待遇でかなり嬉しかった記憶があります。ちなみにこの制度はポジションを得てからの福利厚生でした。
有給
最近は緩和されつつありますが、日本企業での有給消化率は低いです。筆者も有給は退職前の最後の月に初めて使いました。
こちらの企業では有給は消化するのが当たり前です。もしくはあまった有給は必ず買取をしてくれるのでとても新鮮な気持ちになりました。
有給休暇のほかにも無給休暇があり、有給が無くなっても日本への一時帰国などは問題なくできます。筆者の場合、退職する年の有給は20日分ありました。
セブ島就職での生活費
給料をはじめとした、企業での待遇面をご紹介してきましたが、「セブ島では実際どれくらいお金を使うのか?」と思っている方も多いのではないでしょうか。ここで簡単に目安になりそうなものをまとめました。
- マクドナルド:バーガーセット150ペソ(約312円)
- スターバックス:アメリカンコーヒー130ペソ(約271円)
- 会社近くの食堂:1食 60ペソ(約125円)
- にんじん:3本入り60ペソ(約125円)
- キャベツ:1玉40ペソ(約83円)
- コーラ:1缶30ペソ(約63円)
- 豚肉100グラム:部位にもよりますが60ペソ(約125円)
- タクシー:初乗り40ペソ、空港からセブシティまで300ペソ(約625円)
- トイレットペーパー:ダブル10個100ペソ(約208円)
- 清潔感のあるレストラン:1食300ペソ(約625円)
- 一幸舎:ラーメン1杯350ペソ(約729円)
筆者の1ヶ月の食費は15,000ペソほどでしたので、生活を苦しめることなく食事を取ることができました。
セブ島就職の給料相場
外国人の一般職
2019年1月時点では外国人の一般職は月55,000ペソ(約114,600円)からのスタートが多いです。次に50,000ペソ、60,000ペソと続きます。
世界的に有名な会社ではスタートから70,000ペソのところもありますが、日本人もフィリピン人もそういった会社への就職は倍率が高いです。
フィリピン人の大卒平均給料
ちなみにフィリピン人の大卒平均給料が10,000ペソから、ということを踏まえると外国人はかなりの高給取りになります。
そこは日本を含め先進国で育った人の価値観や金銭感覚があるので、20,000ペソそこらでは外国人を雇えないという現状があるためです。
そして、仕事上どうしても日本語を使わないといけない場合は日本人を雇うしかないのです。
工場マネージャーやその他管理職の相場
工場マネージャーやその他管理職となってくると80,000ペソ(約166,700円)を超えてきます。そしてかなり責任あるポジションにまであがると100,000や150,000ペソになってきます。
セブ島就職でできる貯金
貯金は30,000円以上可能
結論から言いますと、貯金は月15,000ペソ以上(31,250円ほど)できます。そうは言っても個人差があるのでなかなか断言はできませんが、筆者と他の方の生活費平均を考えても、このくらいの金額は貯金できると思います。
シミュレーション
簡単なシミュレーションをして分かりやすく説明します。
まず55,000ペソの基本給(残業なし)があり、25%が引かれて41,250ペソが手元に残ります。
水道光熱費込み、Wifi付きのコンドミニアムが15,000ペソ、生活費を何とか抑えて11,250ペソで済ませれば、残りが15,000ペソです。ビール1本50ペソほどなので毎日飲んでもダメージにはなりません。
筆者のように会社がシェアハウスを安く提供してくれたり社員寮にタダで住まわせてもらえたりすると、さらに楽になりますよね。
年間で頑張れば200,000ペソ(約458,000円)ほどが、そして会社が住居を援助してくれれば250,000ペソほどの貯金を作ることができます。
まとめ
セブ島就職での不安要素「給料や金銭面」についてスポットを当てて紹介しました。筆者の給料明細も参考になったのではないかと思います。
将来を見据えて貯金をし、年金も滞りなく払い続けるとなると少し厳しいかもしれません。しかし「海外経験を積んだ」と言える期間、すなわち3年くらい働く場合には経験と金額のバランスがちょうど良いかもしれません。
せっかくのセブ島就職。事前にしっかり調べて計画的に行いましょう。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
フィリピンで働くには? フィリピンで就職・転職したい日本人向けの仕事と求人の探し方
【フィリピン求人】未経験からでもフィリピンを狙える転職サイトまとめ【厳選】