ニュージーランドの南島をキャンピング・カーで満喫してみた

キャンピングカー オセアニア移住

「人の数より羊が多い」と言われる自然に抱かれた国、ニュージーランド。経験豊富な旅人に「どの国がきれいだった?」と聞いても、ニュージーランドを挙げる人は少なくありません。

ニュージーランドは日本と真逆の緯度に位置し、四季がはっきりとあるこの国が見せる表情は、特に日本人の美的感覚にマッチしているのではないかと思います。

今回は、ニュージーランドで特に訪れるべきスポットが集まる南島を、キャンピング・カーで一周してきました。その体験をもとに、旅の魅力をご紹介します。※1ニュージーランドドル=約76円(2019年2月)

キャンピング・カーのメリット

ニュージーランドの山

どこでも自分の家になる

キャンピング・カーは英語ではMotorhomeといい、その名の通りどこでも「自分の家」になります。気に入った景色があれば、そこで車を止め、車内のキッチンで料理をし、その景色を見ながらゆっくりランチやお茶を楽しむことができるのです。

宿泊は水や電源の確保のため、のちほど説明する「ホリデー・パーク」と呼ばれる施設を利用することになるのですが、早く着けば同じ料金でも一番良い眺めの場所に停車できます。

物価が比較的高いニュージーランドでは、ホテルのベスト・ビューの部屋を泊まり歩けば大変な金額になります。

それがキャンピング・カーだと1日75ニュージーランドドルくらいから借りられるので、人数で割れば、かなりお得に旅行が楽しめるのです。

荷物のパッキングをする必要がない

旅行中に荷物をパッキングする必要がないというのも魅力です。通常の旅行なら、宿泊地を変えるたびに荷物をまとめなければなりません。しかしキャンピングカーなら荷物を広げっぱなしで移動ができるのです。

極端な話、目が覚めたらすぐに運転席に座り、エンジンをかけ、移動を開始することができます。小さい子供がいて、荷物の多い私たちには大きなメリットでした。

子連れでも安心で楽しい

私たちは3歳になる息子を連れて行きました。まだ幼い子供が一緒だと、公共の交通機関では気を使います。普通のレンタカーでは車内を窮屈に感じて子供はグズりがちになり、ところどころで休憩を挟まなければなりません。

しかしキャンピング・カーの車内はゆったりとしており、DVDプレイヤーなどもあったりするので、私たちはアニメを見せてあやしながら走り続けました。息子も移動を苦に感じなかったようです。

ニュージーランドに行く前の準備

キャンピングカーの内部

キャンピング・カーは事前に予約しよう

キャンピング・カーは、現地に到着する前に予約をしておきましょう。英会話が苦手でも大丈夫です、オンラインで予約が可能です。特にハイ・シーズン(12月から2月)になると、早めに予約しないと希望のサイズの車が取れなかったりします

HertzやAVIZといった大手のレンタカー会社ではキャンピング・カーを扱っていません。専門の会社を探すことになりますが、オーストラリアに本社をおき、ニュージーランドにも支店を出しているところが多いようです。

私が今回利用したのは、下記の会社です。この会社では、やや古めの車を割安で貸してくれます。節約型の旅行者にはうれしい限りです。

基本情報

  • 名称:Cheapa Campa
  • 電話番号:0800 113 131(ニュージーランド国内から)/+800 3260 5466(国外から)
  • 公式サイト:https://www.cheapacampa.com.au/

車のサイズに気を付けよう

キャンピング・カーには2人用から4人用、6人用までありますが、車内にキッチンがあるのは一般的に4人用以上です。

人数に応じて車を探すことになりますが、大きめなモデルを選ぶと車内は広くて快適になる分、車体が大きいので運転には気を使うことになります。

私の場合、4人用を予約したのですが、気を使ってくれたのか、同料金で6人用の車を用意してくれていました。大きさに慣れるまでは、都市部の運転や駐車場に止めるのにヒヤヒヤしました。

国際運転免許を取得し、マニュアル車に備えよう

当然ですが、ニュージーランドで運転するためには国際運転免許証が必要です。ここで気を付けたいのは、オートマ限定の免許だと運転ができないことがある、ということです。

というのも、4人用以上のキャンピングカーの多くはマニュアル・シフトなのです。免許がオートマ限定でなくても、久しぶりにマニュアル車を運転する人はあらかじめ練習をしておくか、少なくとも心づもりはしておきましょう。

ニュージーランドで運転するコツと注意点

キャンピングカーの運転

速い車に道を譲ろう

ニュージーランドは日本と同じ左側通行。違和感なく走り出すことができるでしょう。都市部を除けば車も少なく、ほかの国に比べてもさほど運転は難しくありません。道路もよく整備され、標識もわかりやすいです。

しかし幹線でも片側一車線の場合がほとんどで、また森の中では路肩も狭いところが多いのです。

キャンピング・カーの場合、あまりスピードが出ないので他の車に抜かれるケースが多いのですが、常にバックミラーに注意し、速い車が追い付いてきたらすぐに道を譲りましょう。

ゆっくり安全運転で

山がちなニュージーランドでは、カーブが多いのも特徴です。背の高いキャンピング・カーは横転の危険もあるので、くれぐれもスピードの出しすぎには気を付けてください。横風の影響も受けやすいので注意です。

ガソリンスタンドは村ごとにあるので、給油に関しては心配することはありません。

ニュージーランド南島一周の旅に出る前に

食べ物

買い出し

南島では中心都市クライストチャーチで車を借りることになるのですが、都市部を出る前に、大きなスーパー・マーケットで買い出しを済ませておきましょう。

もちろん地方に出ても店はありますが、物価が若干高くなったり、品ぞろえが都市部の店ほどありません。日持ちする食材や飲料は、あらかじめまとめ買いしておくのがおすすめです。

また、車をレンタルした初日は運転が不慣れです。目的地は近場に設定しておくか、クライストチャーチ市内や郊外にもホリデー・パークはあるので、無理はせず、運転に慣れ、車内の各装備の使い方を覚える日と考えておきましょう。

ホリデー・パークとは

キャンピングカー

ロッジ&キャンプ場

ホリデー・パークとは、ロッジなどのアコモデーション(宿泊施設)と、共同のキッチンやシャワー、トイレ、キャンプ場、電源と水道を完備したキャンピング・カー用のスペースが一緒になったものです。

ニュージーランド国内だけでも約400か所あり、主な観光地では必ずといっていいほどあります

なかには子供が遊ぶ公園やジャグジーを用意した施設もあり、ファミリーにもお財布にも優しいのです。私たちが泊まった中では、巨大なトランポリンがあるホリデー・パークがあり、息子はいつまでも跳ねていました。

毎日でなくとも利用すると便利

キャンピング・カーの場合、許された地域であればホリデー・パークを使わなくても宿泊は可能なのですが、トイレの汚水の処理、電源の確保、温水シャワー、洗濯などの目的で、毎日でなくても定期的にホリデー・パークのお世話になることになります。

ニュージーランド南島で外せないスポット

レイク・テカポ

レイク・テカポ

深い蒼色をたたえるテカポ湖のほとりに石づくりの小さな「善き羊飼いの教会」がたたずみ、遠くには雪を被った山々を望む、ニュージーランドの原風景といえるスポット。よく観光ガイドやパンフレットの表紙に使われる風景です。

パックツアーでは30分ほどしか立ち寄りませんが、キャンピング・カーで行ったならば、ぜひ湖畔に車を止めてゆっくりと風景を心に焼き付けてください。

また、ここは晴天率が高く、近くに大きな都市もないため、夜の星空が美しいことでも知られるスポットです。夜の顔も見ておくといいでしょう。

アオラキ/マウント・クック国立公園

アオラキ/マウント・クック国立公園

マウント・クックはニュージーランドの最高峰、高さ3754メートルの山です。

「アオラキ」とは先住民の言葉で「雲を突き抜ける山」という意味。その名の通り、雪を頂く山脈の中から頭ひとつ飛びぬけたマウント・クックの雄姿を見るためには運も必要です。

というのも、年間の降水量が多く、晴天率が低いのも特徴なのです。晴れて山頂が見えても一瞬、ということもあるので、キャンピング・カーの場合は山が見える場所に停車し、雲が去るまでじっくりと待ちましょう。

私たちが訪れたときは運よく快晴で、氷河の向こうにマウント・クックを望むことができました。ちなみにマウント・クックを中心とした国立公園は、世界遺産にも登録されています。

ミルフォード・サウンド

ミルフォード・サウンド

ミルフォード・サウンドは、ニュージーランドを代表するフィヨルドです。フィヨルドとは、太古に海につながる氷河が山々を削り取ったあと、氷河だけが溶け、海岸線がギザギザになった入江のことです。

ミルフォード・サウンドでは複雑な形の入江を高さ1000メートルの崖や山が取り囲み、降水量が多いため、ところどころで雨水が川となり、滝となり、海面に降り注いでいるのです。太陽の光に滝の水が輝く光景は、まさに荘厳のひとことです。

ミルフォード・サウンドではクルーズ船に乗り、入江をまわるのが定番です。船の上は風が強く、また滝のしぶきを浴びることもあります。しっかりとした雨具を着ていきましょう。

ミルフォード・サウンド・ロッジ

ミルフォード・サウンド・ロッジ

ミルフォード・サウンドを訪れる旅行者の多くは、少し離れたティアナウという町に泊まるのが一般的ですが、実は入江の中に宿泊施設が2つだけあるのです。

1つは高級ホテルなのですが、もう1つがミルフォード・サウンド・ロッジというロッジで、なんとキャンピング・カー用のスペースもあるのです。

通常のツアーでは、ミルフォード・サウンドを訪れてもせいぜい2、3時間。しかしキャンピングカーでここに泊まれば、車窓から夕陽に染まるフィヨルドの崖や、朝日に輝く滝まで満喫することができるのです。

私はかつてオートバイで世界一周し、数多くのキャンプ場に泊まってきましたが、このスポットから見た光景は一生忘れることがないでしょう。

基本情報

まとめ

多彩な表情を見せるニュージーランドでも、旅行する手段はさまざまです。せっかく訪れるなら自分のペースで回れ、道中どこでもゆっくりできるキャンピング・カーで満喫することをおすすめします。

ニュージーランドは運転マナーもいいので、海外運転初心者でも一歩踏み出せば、一生ものの思い出になることは間違いありません。ぜひ挑戦してみましょう。

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