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シンガポールで日系の幼稚園教論や保育士として働いたら給料は?

マーライオン

シンガポールと聞いて、みなさんは何を想像しますか?ゴミひとつ落ちていない綺麗な街、マーライオン、マリナベイサンズ、シンガポールスリング……といったところでしょうか。

世界中の航空会社が乗り入れ24時間飛行機が飛び交うシンガポールは、貿易・交通・金融の中心地のひとつとして日々発展を続けています。2017年のシンガポールの一人あたりの名目GDPはアジア第2位です。

そんなシンガポールのお給料事情はどうなのでしょうか。今回は、シンガポールの日系幼稚園の教論/保育士とそのお給料事情についてご紹介します。

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目次

シンガポールの幼稚園概要

幼稚園

シンガポールの幼稚園とは

シンガポールにはシンガポール人が全体の約7割、外国人が約3割住んでいます。そのシンガポール人の内訳は中華系が約7割と、人口の大半を占めます。続いてマレー系、インド系、その他の民族で構成されています。

それゆえシンガポールの幼稚園と言っても様々な種類があります。ローカルの幼稚園、イギリス系幼稚園、アメリカ系幼稚園などのインターナショナルプリスクール、そして私の勤めていた日系幼稚園などです。

筆者は数年前30代前半の頃、日系の幼稚園に2年勤めました。インターナショナルプリスクールは求人件数が少なく競争倍率が高めであるのに対して、日本の駐在員の家族を多く受け入れている日系幼稚園の求人は非常に多いです。

その理由のひとつに、海外では日本人スタッフに急な欠員が出た際新たな日本人スタッフを雇用するのに時間を要するため、「ポジションが空き次第勤務開始」として募集している場合があるためです。

働くための就労ビザ

シンガポールの就労ビザは発給条件が年々厳しくなっていることも事実です。

筆者が応募した際は、EP(Employment Pass)という就労ビザ取得のために4年制大学卒業と、幼稚園勤務のために日本の保育士資格または幼稚園教諭免許を有していることが条件でした。

就労ビザにはEPの他に発給条件が異なるS Passと呼ばれるビザがあり、このビザを取得して就労している日本人もいます。

応募から採用までは、書類選考後、現地での面接やピアノ演奏などの実技試験が実施される場合もあれば、スカイプ面接となる場合もあります。

幼稚園の生徒

筆者の勤めた園の生徒は日本人または父か母が日本人の日系人で、約9割の親が日系企業の駐在員、約1割がシンガポール永住者といった具合でした。スタッフは日本人とシンガポール人合わせて30人ほどでした。

教育内容

この園では、日本語と英語の二言語で保育が行わるイマージョンプログラムを取り入れていました。

イマージョンプログラムとは、未修得の言語を身につける外国語学習法の一つで、1965年にカナダで導入されたのが始まりで、近年では日本を含む世界各国の学校で取り入れられています。

「イマージョン」にはもともと「浸す」という意味があり、英語イマージョンプログラムでは日本語での授業とは別に英語で様々な教科を学び、英語に浸った環境で言語の習得を目指します。

英語イマージョンプログラムの環境で園生活を送る子ども達は、入園当初こそ戸惑いや不安を見せることがありますが、数ヶ月もすれば日本人以外の先生と英語でのやり取りを楽しんだり助けを求めたりすることができるようになるので微笑ましいです。

そのような成長を見られるのも海外幼稚園ならではの良さのひとつかもしれません。

シンガポールの幼稚園教諭/保育士の実情

子供

大学卒業前、最後の講義で教授がこんなことを言っていました。「幼児教育の仕事というのは、世界中どこへ行っても決してお給料が良いとは言えません。しかしそれ以上に得るものが多い仕事だと言われています。

教授のこの言葉は本当だと思います。都会のインターナショナルスクールなどで外国人に支払われる高い給与は別として、海外でも日本でも、ローカルのほとんどの幼稚園のお給料は決して良いとは言えないようです。

ちなみに2016年度の日本の幼稚園の幼稚園教諭平均月額給与は22.9万円です。手取りはそこから2~3万円引いた額になると思います。

ではシンガポールはどうかと言うと、日本の幼稚園に比べれば良いものの、ものすごく良いとも言えません。それは常に「為替」という気がかりな存在があるからです。これについては後ほど書きたいと思います。

シンガポールの幼稚園教論の給料と福利厚生

シンガポール

給料

筆者の勤めた園の給与は手取りでシンガポールドル(SGD)約3,500(日本円で約28.5万円、2018年11月現在)でした。

医療手当

医療費や保険については、シンガポールの労働許可で勤務するため社会保険制度への加入が認められませんので、海外旅行保険に自己負担で加入する必要がありました。

また、年間SGD200(日本円で約1万6千円)前後の医療手当があり、海外旅行保険でカバーされない分の医療費や薬代に充てることができました。これに加え、祝祭日を含む年間30日の有給休暇がありました。

住宅手当

住宅手当てと交通費の支給はありませんでした。

ほとんどのスタッフは公共の交通機関や徒歩で通勤していました。シンガポールは交通機関が発達しており大変移動しやすい国です。安価で利用できるので、タクシー通勤を希望しない限り交通費の支給がなくても問題なさそうです。

シンガポール人の給料

日本人とシンガポール人のスタッフでは同じポジションでももらうお給料に違いがあり、日本人の方が多くもらっています。

これは、日本にあるインターナショナルスクールで日本人スタッフより外国人スタッフの方がお給料が良いのと同じです。

あるシンガポール人のスタッフによれば、ローカルより日系幼稚園の方がお給料が良いので日系幼稚園を選んだそうです。ローカル幼稚園の月給はSGD2,000(日本円で約16万5千円)くらいだと聞いたことがあります。

所得税

ところでシンガポールの所得税率は日本より低く、年収SGD40,000~80,000(日本円で約330~650万円)に対しての税率は7%です(2018年)。また、年収SGD20,000(日本円で約164万円)を超えない人は申告の必要がありません。

しかもシンガポールには住民税もありません。所得税以外にシンガポールでの暮らしで大きく関わってくる税金は、GSTと呼ばれる7%の消費税くらいかもしれません。

上記を考えると、シンガポールの日系幼稚園での勤務は日本の幼稚園で勤務するより好条件なのではないでしょうか。

シンガポールの幼稚園教論の給料の受取方法

シンガポールドル

シンガポールで働くにあたり、給与振込のために地元銀行での口座開設が必要でした。シンガポールには、3つの地元銀行があります。

シンガポール政府系で東南アジア最大の銀行であるDBS(元The Development Bank of Singapore Limited)、二番目に大きな銀行がOCBC(Oversea-Chinese Banking Corporation Limited)、三番目がUOB(United Overseas Bank Limited)です。

POSB(元Post Office Savings Bank)というDBS傘下の銀行があり、こちらの銀行口座を持つ人も多いようです。

筆者は、勤務先に指定されたDBSで口座を開設しました。シンガポールの街を歩けばDBSのATMを至るところで見つけることができ、大変便利でした。

年々審査が厳しくなっているシンガポールの地元銀行ですが、必要書類が揃っていて、銀行員との会話がスムーズにできれば問題なく開設できます。

ただし、就労ビザの種類によって口座開設ができる銀行とできない銀行がありますので確認が必要です。

銀行口座には用途やサービスによっていくつかの種類がありますが、筆者はeMulti Currency Autosaveという口座を開設しました。

この口座はいわゆる普通預金口座ですが月の平均残高がSGD3,000(日本円で約25万円)を下回ると手数料が取られてしまうので気をつけないといけません。 ibanking(インターネットバンキング)が使用できるのもこの口座の利点でした。

DBSはオンラインサービスが充実していて管理しやすく、セキュリティー面もしっかりしていました。

シンガポールの幼稚園勤務で貯金はできるの?

マーケット

シンガポールの日系幼稚園で働きながら貯金はできます。

シンガポールは2016年、2017年ともに「物価の高い都市ランキング」で1位になっています。また、世界の人口密度ランキング第2位のシンガポールは、家賃がとにかく高いです。

シンガポール駐在の人々が豪華なコンドミニアムにメイドさん付きで暮らしているイメージがありますが、現地採用ではなかなかそうはいきません。

1ベッドルームの部屋を一人で借りようとするとSGD3,000(日本円で約25万円)はかかってしまうので、筆者は家賃月SGD800(日本円約6万5千円)のシェアコンドミニアムに4人で住みました

シンガポールに友人が多くいなかったのであまり交際費がかからず、貯金は割と簡単にできたと思います。また、基本的に自炊をしていたことも貯金ができた理由だと思います。

物価が高いと言われるシンガポールですが、ローカルの人々が行く中華系マーケットで食材を買ったり、たまにはフードコートや安い飲食店が並ぶホーカーセンターを利用したりすれば、食費が高くなることはありません。

ホーカーセンターとは、屋外のエアコンなしのフードコートで、規模は大小様々で屋台街のようなイメージです。

チキンライスなどシンガポールのソウルフードから中華系、インド系、マレー系まで様々なB級グルメを楽しむことができます。人気のお店には行列ができるほどで、シンガポール庶民の台所と呼べる場所です。

ライフスタイルにもよりますが、日系幼稚園のお給料で趣味やたまの外食を楽しみながらでも月にSGD1,000前後(日本円約8万2千円)の貯金ができると思います。

シンガポールは近隣の国々へのアクセスが抜群に良いので、貯めたお金で旅行に行くこともできます。

シンガポールで働いたら為替に注意

為替

海外の生活と切っても切り離せないのが為替です。筆者がシンガポールに住みはじめた頃、1シンガポールドルは80円台後半でした。

勤務先の日本人はこの頃まとまったシンガポールドルを日本の銀行口座に移したと言っていました。というのも、その数年前はシンガポールドルは60円台のドル安だったそうです。

シンガポールに永住するのならそこまで気にする必要がないのかもしれませんが、いずれシンガポールドルで貯めたお金を国外に移動する予定であれば為替の変動には注目しておきたいところです。

ある程度お金が貯まったタイミングで国外送金するのも、貯金を成功させる方法の1つだと思います。

まとめ

シンガポール

いかがでしたか。シンガポールはあちらこちらで建設中のビルが見られることからもわかるように、経済発展の著しい国です。女性の社会進出も進んでいて、とにかく活気があります

あるタクシードライバーの話では「10年前はもっと日本人が住んでいた」というシンガポールですが、現在でも日系幼稚園は入園待ちになるほど駐在員の家族や日本からの移住者が多い国です。そのため日本人の幼稚園教諭の需要は常に高いと言えます。

シンガポールの幼稚園での仕事に少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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