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シンガポールの百貨店で勤務してわかった働き方の違い

  • 公開日:
シンガポール

私はシンガポールの百貨店で、顧客サービス係として数年間働きました。日本にいた頃はアルバイトの経験しかなく、正社員としての雇用は初めてでした。

海外では、みなリラックスして仕事をしているイメージをもっていたので、思ったより働き者の外国人やローカルスタッフに、はじめは驚きました。

今回は、シンガポールの百貨店で接客業をしている外国人・ローカルスタッフの働き方を、日本との違いを交えてお話ししていきます。

シンガポールでも基本は週1休み

数字のろうそく

私が働いていた百貨店は、5週間を1つのシフトターンとしていました。週1回の平日休みと土日休みの組み合わせがあり、1つのターンで合計8日の休みがありました。

ただし、社員総出のセールイベントや社内行事がある時は、その週の平日休みが振り返られることがあります。

その際に、タイミングがずれて9日連勤になってしまう人がでるのですが、なんとか支え合って乗り切ることができるのは、南国気質の明るさのお陰でしょう。

特にシンガポール人やフィリピン人は仲間意識が強く、一度通じ合うと惜しみなく手を差し伸べてくれるのが特徴的です。

意外と柔軟な勤務時間

時計

シンガポールもオフィスワークの場合は、日本同様、平日9時から17時(あるいは18時)まで勤務するというのが通常パターンです。

私が勤務したところは、9時ごろ出社して18時半ごろに退社する朝番と、13時ごろ出社して22時ごろに退社する遅番がありました。

繁忙期には、どうしても残業が必要な時がありましたが、残業代は請求できないので、マネージメントスタッフであっても、遅くとも20時には帰るようにしていました。

それでも、いくつかの注文納期が重なってしまう繁忙期もありました。その際には、1人で業務を頑張ろうとすると、20時までの残業では足りません。

なので、私の業務作業が引き継げるローカルスタッフにフルシフト(開店から閉店までの長時間シフト)勤務を増やしてもらい、私が不在でも誰かしらが作業を進めてくれる状況をつくり、なんとか期日までに作業が終わるよう調整をしていました。

プライベートの時間が減ってしまうにも関わらず、きちんとお給料が支払われるのならば、ほとんどのスタッフが嫌がらず長時間勤務をしてくれます。

はじめは申し訳ない気持ちでしたが、お金が稼げるのでフルシフト大歓迎というスタッフが意外と多くいたのには驚きました。

フルシフトという長時間労働

百貨店の天井

シンガポールは政府が働くことを推奨しています。その影響もあってか、長時間労働であっても、金銭がきちんと支払われていれば不平不満を言わずに働いている社員が多くいます。

特に、接客業だからタイムシフトの区切りが特殊なのかもしれませんが、当たり前のように9時45分から21時45分までのフルシフト(長時間勤務)をこなしているのには衝撃を受けました。

マネージメントスタッフだとフルシフトは通常ありませんが、年に3、4回あるイベントセールの日には、全スタッフ朝8時から23時ごろまでの特別勤務になります。

それでも、普段からフルシフトをこなしている社員たちは、いつも通り黙々と業務をこなしていました。

オフィスワークと違って、立ちっぱなしでずっと店頭に立っての接客はなかなか大変です。接客業をしているシンガポール人や外国人は、忍耐強い働き者が多いのかもしれません。

取らなきゃ損?メディカルリーブ

体温計

メディカルリーブとは、いわゆる有給の病欠で、年間14日間ほど認められている会社がほとんどです。高熱や感染力の高い病気の場合には、菌の広がりを防げますし、良いシステムだと当初は私も考えていました。

しかし、取らないのは損という考えの人が国内に多くいることは確かです。実際に私の職場でも、ちょっと朝の気分が優れないというだけで休む、メディカルリーブが常習化しているスタッフも中にはいました。

クリニックのお医者さんも慣れているので、休む気がなくても「MC(メディカルリーブ申請の際に必要な診断書)を発行しましょうか?」とすぐに聞いてきます。

日本でアルバイトをしていたころ、微熱でも頑張って仕事をしている社員をみかけることがよくありました。

なので私としては、ちょっとした微熱や身体の不調で休むのは申し訳ないという思いがあったのですが、あまりにも当地の人がすぐに病欠をとるので常識の違いに驚きました。

休暇は里帰り

象

シンガポールに来る前は、海外の人は長期間のホリデーを満喫しているイメージを抱いていました。しかし私の職場は、年間を通して立て続けにイベントがあるので、なかなか長期休暇が取りにくい状況でした。

それでも、有給を期限内に消化しなくてはならないので、意識的に長期の休暇を取れるようスタッフに配慮していました。

私も含めた外国人スタッフは、10日から12日ほどの長期休暇をいただくと、大抵の場合は自国へ里帰りをします。

ただ、一時帰国中はやらなくてはいけないことが多く、毎回予定ぎっしりの慌ただしいスケジュールになります。他の里帰りをした外国人スタッフにも話を聞きましたが、病院巡りや役所訪問など、あまりホリデーという雰囲気ではなさそうです。

それでも、1年に1回の家族団らんを心待ちに、みないつも頑張って働いているのです。

不満があったらすぐ辞める

壁

当地では退職を簡単に決める人たちが多いです。退職理由としてよく挙がっていた理由を紹介します。

ステップアップのための転職

壁

ステップアップのため転職するというのはよくあります。手をかけて面倒をみていたのに、育て上げる前にあっさりと去ってしまうのも日常茶飯事です。慣れてしまうと、突然の退職にも驚かなくなります。

退職の重みが日本と違うのもありますが、転職は働き手にとってメリットも大きいです。雇用条件の不満を解消できる場合もありますし、キャリアのステップアップにもなるからです。

また、雇用側にとっても、経験豊富で優れた技術力を持った人を、交渉次第で容易に引き抜けるというのは大きな利点でしょう。

ライフスタイルを変えるため

カレンダー

ライフスタイルを変えるためというのも定番理由の1つです。例えば、「土日休みが良い」とか「夜閉店までの遅番が辛い」などが定番の理由として耳にすることが多かったです。

これはシンガポールだけでなく、日本でも接客業ではよくあり、苦労をする点です。しかし、ライフスタイルを変えたいからという理由を堂々と言い放って辞める人はあまりいないでしょう。

当地では、退職の1つの理由として説明しても、問題なく認めてもらえるのが気楽です。

お給料が不満

シンガポールのお金

一番多いのは、やはりお給料に対する不満です。過去にも、サービス向上のためのスタッフ教育を熱心にしていた際、「私が改善したところで、自分の労力は増えるのにお給料は一緒ですよね?」と言われたことがあります。

流石にこれほど露骨に言い返してくるスタッフはそれほど多くいませんが、似たような考えを持って勤務をしているスタッフが、残念ながら多数いたのも事実です。そのため、良い提示額の会社があればあっさり転職してしまうのです。

まとめ

建物

当地で接客業をしている外国人や当地の人は、長時間や連勤も頑張ってこなしてくれる強い人たちです。

もちろん、長時間働いてくれるのはお金が発生しているからですが、満足できる条件であれば仕事と割り切って働ける人がほとんどです。

一方では、メディカルリーブや休暇を利用して、無理のない働き方を実践できてもいるのです。日本と文化が違うということもありますが、シンガポールでの働き方は参考にできる部分もあると思います。

ライフスタイル重視の働き方を模索できるのは、当地で就労するメリットの1つでもあるのです。

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