日本で客室乗務員というと、高嶺の花というイメージがありますよね。
客室乗務員とは実際どのような仕事なのか、ズバリいくらぐらいもらえるのか。ネットで探してもなかなか見つけることができないこの手の情報。
周りに航空業界の知り合いがいなくて、聞けないけど気になる。そんな皆さんの疑問を、今日は私のアメリカのCA/客室乗務員の経験を元に大公開したいと思います。
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アメリカの航空会社の客室乗務員に必要な資格
日本の大手航空会社に勤めるにはTOEIC○○点以上や短大卒・大卒資格などが必要ですが、アメリカの航空会社はどうでしょうか。
高卒であれば応募可能
アメリカには大手と呼ばれる航空会社が5社(アラスカ航空、アメリカン航空、デルタ航空、ハワイアン航空、ユナイテッド航空)あり、私もこのうちの一社に現在勤めていますが、基本的に高卒資格があれば応募できます。
もちろん英語は話せることを前提に、プラス外国語が話せると採用に有利となります。
就航先の言語を話せる場合、英語のみ話せるほかの応募者よりも優先的に面接を受けられる場合があります。
例えば日本語が話せる私が日本便に乗務する場合、時給に特別手当が上乗せされます。また、会社からのビザのサポートはないため、就労ビザは自力で獲得しないといけません。
アメリカの航空会社の客室乗務員の勤務形態
四六時中、休みもなく運航する航空会社。昼夜問わずに仕事をします。もちろんクリスマスや年末年始もありません。時には夜通し働いたのに、翌々日は朝4時出勤で一日中働くということもある業界です。
しかし、それこそがアメリカの航空会社で働く一番の魅力でもあります。さまざまな勤務時間があることにより、個人に合った勤務時間をフレキシブルに調整することができます。
毎月決まったシフトを飛ぶのではなく、毎月シフトが発表されたあとに従業員同士でシフト交換などをしてスケジュールを調整できることはアメリカの客室乗務員だけの特権だと思います。
独自でフレキシブル
多様な就業時間から自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができるのです。
例えば夜9時に出勤し、翌朝7時に帰ってくるシフトは子供が寝ている間に仕事にいけるため、ママ世代にとても人気です。夜型人間の場合は夜中働くシフトを選べるし、朝型人間の場合は早朝4時から働いて午後1時には帰宅することも可能です。
また2・3・5日間帰宅しないトリップもあり、6日間連続で働いて6日間連続で休みを取るという働き方もあります。
この制度は他国の航空業界ではあまり耳にしない制度なので、アメリカの客室乗務員の特権とも言えます。
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アメリカの航空会社の客室乗務員の福利厚生
国内線は完全無料、国際線は空港使用税のみ
私は福利厚生のために現在の仕事に就いたといっても過言ではありません。航空会社に働く最大のメリットは、何と言ってもタダ同然で飛行機に乗れることです。
会社によって詳しい規定に違いはあると思いますが、私が現在働いている会社では国内線は完全無料。また、国際線は空港使用税のみで利用することが可能です。
提携航空会社も大幅割引で利用
さらに、世界各国の提携航空会社も大幅割引で利用することができます。しかし空席がないと乗れないので、個人利用する際はいつも賭けをしているようでドキドキです。
そのほかには健康保険加入、年次有給休暇、産休育休などがあります。特にうれしい点は客室乗務員という体力を使う仕事柄、産休は妊娠が発覚した時点で取得可能で傷病手当が与えられます。
長期の有給休暇
私が働いている会社には有給休暇の種類が2つあります。
まずひとつ目はいわゆるバケーション。こちらは入社2年目からもらうことができ、2年目は年に2週間、5年目からは3週間、最終的に最大5週間まで得ることができます。
またもうひとつがパーソナル・タイムといって病欠時や緊急事態のときに急に休まざるを得ない場合に使える休暇です。これは年に49時間分与えられます。
バケーション・タイムは取らないという選択ができないため、日本の有給休暇のような名ばかりで終わってしまわないことも大きなメリットですね。
アメリカの航空会社の客室乗務員の給料
基本給与は時給換算
まず、アメリカの航空会社の基本給与は時給換算です。これは前述した勤務形態にも大きく関わってきますが、働く時間帯だけではなく、働く時間数もフレキシブルなためです。
時給は勤務年数が上がるごとにアップし、初年度は29ドルから始まり、最高時給はなんと66ドルにもなります。
しかし、私たちの時給が発生するのは飛行機のドアが閉まってから目的地でドアが開くまでで、勤務前のブリーフィング、搭乗中、滞在先での拘束時間には時給は発生しないのです。
それで結局いくらぐらいもらえるの?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。ズバリ、私の昨年の年収は勤続8年で750万円程度でした。意外ともらえるんですね。
税金もろもろのお話
先ほど公開した私の年収750万円。数字だけ聞くと結構高いように聞こえますが、アメリカの物価は日本より少し高いように思います。実際に税金でどれくらい引かれるのか詳しく説明します。
まず、国・州に徴収される税金と公的年金で給与の約20パーセントほど徴収されます。さらにそこから任意で加入する保険料金が、プランによって45~170ドルほど引かれます。
またこちらも任意で、課税前の給与を確定拠出年金へ運用したり、医療費用口座へ貯蓄することもできます。
私の場合、毎月だいたい課税前の65パーセントが手取りとして受け取れます。
住宅手当やボーナス
私が勤めている会社は住宅手当はありません。勤務地は物価の高いニューヨーク、ロサンゼルスから比較的安めのアトランタ、デトロイトなどさまざまなのですが、残念ながらそういった手当ては全くありません。
新人時代はニューヨークベースなのに給与が低く、一時期3LDKのアパートに同僚7人で住んでいたこともありました。同年代の子たちとわいわい暮らしていたので、今となってはいい思い出です。
ボーナスは一年に一回、バレンタインデーにもらえます。これは前年の会社の利益によって毎年金額が違いますが、今年は毎月の給与の1.5ヵ月分程度受け取ることができました。
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アメリカ系航空会社の客室乗務員、五大陸まで滞在の日々
国内線でクルーに人気1位はハワイ
国内線の場合はだいたい1~3日間のトリップで、滞在先の滞在時間も9時間から30時間といろいろです。
国内線でクルーに人気の滞在地は断トツでハワイです。そのほかにもニューヨークやアラスカなどがあります。このようなところにタダで1泊できるんですから、これは大きなメリットですよね。
国際線は五大陸のいずれかへフライト
国際線はほとんど3日間のトリップです。1便を目的地まで乗務して約24時間過ごし、また1便働いて乗務完了です。
私が働いている会社は五大陸すべてに就航しているため、滞在先は数えきれません。仕事をしながら世界旅行がタダどころかお金をもらってできるなんて、こんな仕事もう辞められません。
アメリカ系航空会社の客室乗務員に応募から採用されるまで
きっかけは日本の知り合いの「アメリカで客室乗務員をやってる日本人の友達がいる」との一言でした。アメリカに6月に渡米し、すぐ募集が出ていた一社に応募しましたが、残念ながら第一審査を通過できず。その後、8月に応募した会社が今の会社でした。
現在の会社は2013年から毎年1000人ほど採用されています。毎年秋頃から翌年の採用募集が始まります。
【採用までの流れ】
- 求人に応募
- 面接
- 仮採用
- 訓練
- 本採用
以下で応募から採用までの流れをご紹介します。
ネットで求人に応募・申請する
私は渡米直後に3社応募しました。大手航空会社2社、地方1社です。まず、どの会社もネットでウェブ・アプリケーションを使って応募します。
仮採用は最終面接直後
大手1社にご縁があり、ウェブ・アプリケーション通過後、電話面接、語学テストを無事通過し、本社での面接会に招待されました。
面接会への交通費は会社が手配してくれます。3時間ほどに及ぶ面接会終了後、合格者はその場で知らされます。
そしてそのままFBI(米国連邦捜査局)による指紋採取、バックグラウンド・チェックが同日に行われ、仮採用となります。
仮採用から本採用までは猛訓練
仮採用が決まると、会社から7週間の訓練に参加するよう指示されます。
こちらの訓練がとても厳しいのです。週6日、朝から夜までみっちり勉強し、ほぼ毎日行われるテストは平均点90パーセントを維持しないと強制的に落第となります。
ネーティブのクラスメイトさえも悲鳴をあげていた、この魔の7週間が壮絶だったことは言うまでもありません。
訓練内容
採用時の初期訓練は会社によって規定が違いますが、私の会社は7週間でした。
一週目はFAA(米国連邦航空局)の規定について徹底的に学びます。二、三週目は緊急時の脱出法、応急処置について学びます。実際にモックアップして水上緊急着陸の際の救助の仕方などを実践で学びます。
四、五週目は保有機種について学びます。この際にも緊急時の脱出方法を厳しく教わります。六週目には機内サービスについて学びます。七週目は会社の福利厚生などの説明があります。
訓練はとても厳しいもので訓練中、ほぼ毎日テストがあります。またこのテストは平均点90点以上を維持、中間テスト、最終試験は90点以下は有無を言わさず不合格です。これらの条件に満たないとたとえ訓練最終日まで残っても不採用となってしまいます。
再訓練について
再訓練はFAA(米国連邦航空局)の規定に基づいて実施されています。年に一回、必ずこの訓練をパスすることでまた一年客室乗務員として働く資格が与えられるのです。
この訓練は初期訓練の軽いおさらいのようなものですが、この訓練を受けることによって毎年気持ちが引き締まり、万が一の緊急時に備えることができます。
客室乗務員 | |
資格 | 高卒以上 |
語学力 | 英語必須(その他の外国語があると有利) |
勤務形態 | シフト制/フレキシブル |
福利厚生 |
|
給料 | 年収750万円(29ドル〜66ドル/時給) |
ボーナス | 1.5ヶ月分*業績による |
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客室乗務員の求人状況は絶えず変化しているため、時期により求人数や条件が異なります。
いざ、就職しようと思ったときに「興味のある求人」が見つからないこともあるので、希望の求人に出会う可能性を高めるためにもおすすめの転職エージェントに登録し、自分に合う求人を見逃さないようにしましょう。
まとめ
今日は皆さんに私のお給料事情を赤裸々に語ってしまいましたが、参考になりましたでしょうか。アメリカは物価の違いからか、同じ職種を比較してみても全体的に日本よりも給与は高めだと思います。
学費が高くなるにつれて給与も上がる傾向にあるアメリカの職業ですが、高卒資格でここまで稼ぐことができる客室乗務員の仕事は結構穴場だと思います。男性、女性、LGBT、年齢問わず採用してくれる航空業界、ぜひ次の転職にいかがでしょうか。
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