東南アジアの一大リゾート地、タイ・プーケット。ここ数年、プーケットに移住して働く外国人の数も増えてきています。
これからプーケットで就職することを考える人にとって、ここで働いた場合、どのくらいの収入を得ることができるのかは気になるところだと思います。
今回は主に、わたしが携わったプーケットの観光業でのお給料の相場や税金、福利厚生などについてご紹介していきたいと思います。※1バーツ=約3.39円
プーケットのお給料の相場(2019年)
プーケットで外国人が働く場合のお給料は、職種によってだいたいの相場が決まっています。もちろん、昇進したりするとその相場よりお給料は上がっていきます。
現在わたしは自分で会社を運営しているのでお給料を支払う方の立場ですが、以前に勤めたことのあるダイビング業と旅行業でのお給料の相場は以下になります。
- ダイビング業:12,000バーツ〜20,000バーツ(約4万〜6万8,000円)
- 旅行業:15,000バーツ〜20,000バーツ(約5万1,000円〜6万8,000円)
わたし自身の場合、ダイビング業では最初は正式雇用ではなく見習いという形だったので、3ヶ月間は月5,000バーツ(約1万7,000円)でした。
正式に雇用されてからは月20,000バーツ(約6万8,000円)の基本給になり、その後スタッフからマネージャーに昇進した際に25,000バーツに昇給しました。
振り込み用の現地口座が必要
お給料の支払いはほとんどが銀行振り込みなので、現地の銀行で口座を開設する必要があります。
利用する銀行によってどのような書類が必要か違います。パスポートだけでいい所もあれば、タイ人の保証人が必要な場合もあるので、事前に確認しましょう。
プーケットの基本給にプラスでもらえる報酬
コミッション制度
プーケットの観光業では、基本のお給料以外にもコミッションといって歩合でもらえる報酬があります。
例えばダイビングショップや旅行会社勤務の場合、お客さまにセールストークをして、利益率が大きいツアーや金額の高いツアーなどの販売に成功すると、それに対する報酬がお給料に加算されます。
わたしが最初にマーケティングの仕事で勤めていたダイビングショップでは、基本給が20,000バーツでした。
しかし、販売価格の高いダイビングクルーズに参加希望のお客さまからメールで問い合わせがきて、そのメールに対応し商談が成立すると、そのクルーズの販売価格の20%をコミッションとして受け取ることができました。
もちろん、現場に出るダイビングスタッフも担当したお客様にセールストークをし、次のダイビングツアーに申し込みをしてもらえると、その分の販売コミッションが得られます。
頑張り次第で大きく稼げる
そのため、高額なダイビングクルーズを開催するシーズンには、基本給+コミッションで月に60,000バーツほどのお給料をもらうことができました。
プーケットには、天気が良くハイシーズンと呼ばれる乾季とローシーズンの雨季があり、やはり雨季にはお客さんも少なく開催できるツアーも限られてくるので、年間を通してたくさんのコミッションを得ることは難しいですが、頑張り次第でもらえるお給料の額もぐんと上がってくるので、とてもやりがいがありますよね。
意外と高額、チップの習慣
日本ではなじみが薄いですが、プーケットではチップの習慣が根付いています。正直にいうと、日本人のお客さまからはあまり期待できないのですが、ヨーロッパのお客さまは気前よくチップを渡してくれます。
一度ロシア人のダイビングクルーズに同行したときは、ことあるごとに高額なチップをもらいました。
現金以外にもいつもポケットにチョコバーやキャンディーなどのお菓子を準備している人が数名いて、ちょっとお世話をするだけでどんどん渡してくれるので、帰る頃にはお財布も鞄もいっぱいになっていたこともありました。
このようなチップも臨時収入としてとても助かります。
プーケットの観光業界のボーナスと昇給
ボーナス
日本のように1年に2度のボーナスが出る、というような決まった制度はありません。ですが、会社によってはボーナスの時期が設定されているところもあります。
また、お客さんが多かった月や大口の予約が成立したときなどに、臨時でボーナスが出る会社もよくあります。わたしの務めていた会社でも、忙しいシーズンが終わった時などに臨時のボーナスが支給されていました。金額はその時の景気と社長次第ですね。
昇給
昇給に関しても明確な規定はありません。
わたしはダイビングショップでは事務全般をするスタッフとして働き始めましたが、上述したように1年ほどしてマーケティングマネージャーを任され重要な仕事ができるようになると、基本給が5,000バーツほどアップしました。
ある程度の期間働いても昇給がなければ、こちらから会社に交渉しても良いと思います。ボーナスや昇給の有無は会社次第なので、面接の際などに必ず確認しましょう。
プーケットの所得税と健康保険
所得税
タイでの外国人の収入に対する所得税の税率は、年収が10万バーツまでで5%です。10万バーツから50万バーツで10%、50万バーツから100万バーツでは20%となっています。
しかし実際には、就職する際に提示されたお給料の額がそのまま手取りの額となることが多いです。税金については、お給料に応じた額を会社側が支払っているので、わたしも自分で手続きをしたことはありません。
健康保険
タイには労働ビザと労働許可証を取得すると、外国人も加入できる健康保険があります。保険料の本人負担額は月額750バーツとなりますが、お給料から引かれることはまずなく、会社負担額とあわせて会社側が負担してくれることがほとんどです。
外国人対象の健康保険の場合、利用できる病院は限られていますが、入っていると治療が安く受けられます。海外旅行保険などに加入していれば医療費は保険でカバーすれば良いのですが、長期の滞在となるとそれも難しくなってくると思います。
プーケットで総合病院に通うと医療費はとても高額なので、就職する際には健康保険の有無も忘れずに確認してください。
プーケットで働く場合の住宅手当と交通費
住宅手当
タイの会社では住宅手当は支給されないことがほとんどですが、ホテルに務めている場合はスタッフ用の寮を利用できる場合があります。また、日本人経営の会社だと寮を用意してくれたり、住宅手当を出してくれたりするところもあります。
わたしの勤めていた会社は3階建ての家をオフィスとして利用していたので、空いている部屋に寝泊まりできないか社長に交渉し、住まわせてもらっていた時期がありました。
日本のように規則に縛られることが少ないタイ人社会、会社によってそれぞれなので、住宅手当がなくても交渉してみる価値はあると思います。
交通費
支給はありませんが、代わりに送迎バスを用意している会社があります。ガソリン代は物価に対して高いので、車で出勤する場合かなりの出費となってしまいます。送迎バスがある会社などでは利用した方がよいでしょう。
送迎バスがない場合は、バイクをレンタルしたりバイクタクシーや乗合バスを使用したりして通勤している人が多いです。
プーケットで働く場合の福利厚生、レクリエーション
タイ人はスタッフパーティーや社員旅行が大好きです。
スタッフパーティーは年に1度は開催する会社が多いです。ホテルの会場やレストランを借り切って派手に仮装パーティーをする会社もあれば、お食事会だけという場合もあります。
わたしの務めていた会社でも、スタッフパーティーにはみんなが気合いを入れており、グループに分かれて出し物をしたりゲームを企画したりして、パーティー前の数日間はその準備や練習が会社の業務よりも忙しかったです。
社員旅行もさまざまで、羽振りのよい会社は海外旅行だったりしますが、たいていは近隣の県への小旅行です。南国ですが意外と日本の社員旅行と似ていて、隣の県のパンガーにある温泉に行ったり、国立公園にキャンプに行ったりもします。
プーケットのお給料で生活できるの?貯金は?
プーケットはリゾート地ということもあり、物価はほかのタイの地域に比べると高いです。それでは、もらったお給料で生活していけるのかというと、ぜいたくをしなければ十分暮らしていくことができると思います。
給料が高い分、出費も多い
わたしたち外国人は一般のタイ人に比べるとお給料を多くもらっているので、タイ人には余裕で生活できるのではないかと思われがちです。
しかし、市場で材料を買ってきて自炊したり、毎日屋台のタイ料理を食べたりして現地のタイ人と同じような生活をするのはなかなか難しいです。そのため、出費に関してもタイ人より多いと言えるので、基本給だけだとあまり余裕はないと思います。
先のことを考えて蓄えを
先に述べたように、お金を稼げるハイシーズンと、お客さんの少ないローシーズンがあるので、ハイシーズンのうちにできるだけ蓄えておくと安定した生活ができるでしょう。
わたしも移住してきたばかりの頃は、身の回りの生活用品、家電など揃えなくてはならないものが多くお給料だけでは賄えなかったので、日本での貯蓄を生活の準備にあてました。
まとめ
プーケットでもらえるお給料の額、というと、多くの日本人にとっては未知の世界の話だと思います。
わたしもこちらで初めて就職した会社でお給料の話になったときは、外国人のお給料の相場は調べてはいたものの、どのくらいもらえるのかドキドキしながら聞いていたことを覚えています。
プーケットで仕事を探す際には、お給料のほかに健康保険や税金についても確認するのを忘れないようにしましょう。
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