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イギリスでの現地採用は甘くなかった!夢の海外就職で直面した”ビザ奴隷”の現実

イギリスで働く

海外就職を夢見る人はたくさんいて、その理由も千差万別でしょう。

やみくもに求人情報を見るだけでなく、海外での生活についての情報収集も怠らない計画性のある方々が、こちらのサイトを訪問されているのだと思います。

それとは逆に、行き当たりばったりにイギリスで現地就職をしてしまった私は、大変な目にあってしまいました。

海外で現地採用社員として働くために必須の就労ビザに関する失敗談をご紹介します。

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目次

念願の現地採用!就労ビザを受け取りイギリスで働き始める

イギリス

私がイギリスで現地採用を勝ち取ったのは、Brexitという言葉など影も無かった時代でした。

当時イギリスに留学していた私は、留学資金の足しにするためアルバイトを探していたのですが、運良く就労ビザを発行してもらえることになり正社員として採用されました。

年々厳しくなるイギリスのビザ制度ですが、当時、企業が就労ビザの申請をするのは比較的簡単で、私が入社した会社でも就労ビザを受け取った社員が数多く働いていました。

学生ビザからの切り替えのため一時帰国は必須でしたが、順調に手続きは進み、晴れてイギリスでの社会人生活をスタート。けれど待ち受けていたのは、就労ビザ保持者としては「あるある」な、会社からの厳しいプレッシャーでした。

現地採用の「ビザ奴隷」という肩書き

私が入社した会社は日系企業で、オーナーと社長が夫婦というほぼワンマンの様な経営でした。

日本人社員のほとんどが私と同じ就労ビザ組で、辞めたら(他のスポンサーを見つけない限り)帰国という状況にあり、入社してすぐにその危うい立場を自覚しました。

支店勤務だったので直属の上司はマネージャーでしたが、本社から頻繁に重役がやって来ては、日本人や他のアジア圏から来た社員を集めて勤務態度についての指導をしていきました。

就労ビザのお返しは残業?

営業だったので、売り上げについて言われるのは問題無いのですが、彼らの指導には耳を疑うものもありました。

「君達は会社から就労ビザをもらって、働くためだけにイギリスに住んでいるのだから、プライベートなど無いと思いなさい。もっと残業をするべきだ」

オフィスの鍵はマネージャーしか持っておらず、彼女は基本的に残業はしません。定時になると、どんどん他の社員を追い出して帰宅するという勤務スタイルでした。

それを指摘すると、

「では朝もっと早く来たらどうかね」と。

これも「鍵を持つマネージャーが朝ギリギリに出社するので難しい、文句があるならマネージャーに言って下さい」と返すと、

「とにかく会社は高いお金を払って君達にビザを与えたのだから、もっと必死に働きなさい」

では具体的にどうすればいいのでしょうか?毎月売り上げのノルマを達成し、顧客からも高評価である同僚が聞いてもはっきりした返答はありませんでした。

イギリスに残りたければ耐えるしかない

そのようなやり取りがあった日の終業後、同僚とパブで飲みながら愚痴大会を開催。

私よりも1年先輩の彼は「これで分かっただろう?僕たちは“ビザ奴隷”なんだよ。どんなに理不尽なことを言われても、イギリスに残りたければ黙って働くしかないんだ

この日初めて「ビザ奴隷」という言葉を耳にしましたが、言い得て妙だと変に納得したものです。

会社にとって必要な人材になる=地位の上昇でビザ奴隷脱出

ビジネス

私の仕事は営業職であり、同業でない限り転職は難しく、またキャリアアップを望んでいたので同じ仕事を見つける気にはなれませんでした。

イギリスで、学生ではなく社会人として現地の人と同じ生活を送る、そんな夢を諦めたくなかった私は、同志である他の就労ビザ組と励まし合いながらひたすら働き、2年後には複数の支店をまとめる重要な役割も与えられました。

ワンマンとはいえ、直接一緒に働いているマネージャー達は頑張りを認めてくれ、それは会社の上層部にも伝わりました。

仕事を辞めたら帰国、という状況は変わっていませんでしたが、会社にとって必要な人材となることで周囲からの扱いも変わり、とても働きやすくなりました

晴れてイギリスで結婚し転職!それでも付きまとうビザ問題

「仕事をするためにイギリスに住んでいる」と上司に言われたビザ奴隷の私でしたが、もちろんプライベートではイギリス生活を満喫していました。

就職してすぐに知り合ったヨーロピアンの男性と、家賃の高いロンドンで節約も兼ねて交際半年で同棲を開始、その3年後に結婚が決まりました。

法律的に結婚し配偶者ビザを手に入れる

事実婚という選択もあったのですが、結婚をすれば配偶者ビザへの切り替えが可能になり、転職、スキルアップ、収入アップのチャンスがあったため、法律上での結婚を選択。

書類面の手続きがとても大変でしたが無事結婚し、ビザを切り替えて転職もしました。結婚ビザの申請も悪名高いイギリスの移民局のお陰で大変な経験をしましたが、これはまた別の機会に……。

ちなみにかつての「ビザ奴隷」の仲間達も、数年後に無事イギリスでの永住権を取得し、そのほとんどが転職しています。

ビザ奴隷を避けるために

このようにビザ奴隷になるのを避けるには、イギリスへ来てから仕事を探すのではなく、まずは日本でJAC Recruitmentリクルートエージェントなど日系の大手の転職エージェントを使うべきだと思います。

大手の転職エージェントが扱う求人案件は、違法な労働をさせるようなものがほとんどありません。エージェントと相談しながら海外転職の準備を進められるので、心配な人はこういったエージェントの利用がおすすめです。

まとめ~しっかり準備すれば安心して働ける

私の場合、後先を考えずに目先のチャンスに飛びついた結果、辛い経験をしてしまいました。やはり、綿密な計画と情報収集が、実りある海外就職のキーだと思います。

それでも、イギリスでの就職のきっかけを与えてくれた最初の会社と、転職のサポートをしてくれた当時の上司には感謝しています。

外国人として海外で生きるのは簡単なものではないと痛感しましたが、それでも何とか道を切り拓き、イギリスで一人前の生活を確立させたことは今でも貴重な経験であり、私の誇りとなっています。

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この記事を書いた人

半年間のイギリス語学留学を経て、現地採用で念願の海外就職を達成。イギリスでは不動産業、IT、そして会計事務所での勤務経験有り。

十年間の在英生活を終えて2015年に帰国しました。

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