海外での就職先を探すには、日本国内での就職活動以上にリサーチが必要です。給料や待遇、職種や業務内容はもちろん、日系企業なのか外資系企業なのか、駐在員なのか現地採用なのか、また就労ビザや外国人同僚などについても知っておきたいところです。
様々なポイントがある中、自分に必要な情報を絞り、求める求人と出会うのは簡単なことではありません。そこで、初めての海外就職・転職者向けに、効率よく海外就活を進める方法をご紹介します。
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
- リクルートエージェント (未経験から幅広く求人を探す)
- LHH転職エージェント(全世界から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
- リクナビNEXTグッドポイント診断(無料で自分の強みを分析する)
海外就活を始める前に
やりたい仕事や行きたい地域を明確にする
海外で働きたい!と思ったら就活を始める前に、
- 希望の仕事・職種
- 行きたい地域
- 働きたい期間
などの希望や条件を整理します。
専門的に学んだことやこれまでの職務経験を生かせる仕事をしたいのか、それとも心機一転、未経験の仕事に挑戦したいのか。得意の英語を使える国がいいのか、まったく別の言語を話す地域がいいのか。短期間だけ経験してみたいのか、じっくり腰を落ち着けてキャリアを築くのか……。
他にも、収入や待遇など、掘り下げていけばいくらでも出てくるでしょう。しかし、これらの希望や条件がすべて叶うわけではないことも理解した上で、どうしても譲れないものを決めましょう。
具体的に目標や理想を書き出してみよう
自分が何を優先したいのか明確にするためには、頭の中で考えるだけではなく、目標や理想の条件、譲歩できる点・できない点などを目に見える形で書き出してみるといいでしょう。初めから厳格にするのではなく、少し幅を持たせることがコツです。
- 海外を目指したきっかけ
- 得意な外国語
- 日本での職歴・経験
- 海外で何を成し遂げたいか(目標、理想)
- 現地生活をどのくらい続けたいか
- これだけは譲れないこと
- 譲歩できること
などなど、細かく考えていけばだんだんと方向性が見えてくるはずです。
また、希望だけでなく自分の武器を考えてみることも重要です。海外で生かせるあなたの強みは何でしょうか。このタイミングで一度振り返ってみるといいでしょう。
なぜ海外就職したいのかを考える
新卒での就職活動にしても、キャリアを築いている最中の転職活動にしても、早く不安な状況から脱して就職先を決めてしまいたくなるものです。しかし、最初に目標の見極めがはっきりしていないと、実際に海外就職が決まって働き出しても後でミスマッチに気づくことになります。
まずは、どこで何をしたいのか、なぜ海外就職を希望するのかを熟考してみてください。自らと向き合い、目標をしっかりと定めることが、その後の就活を進める上でカギとなってきます。
この作業を最初に済ませておけば、いざ海外就活が始まったときに迷いなく進んでいけるはずです。
海外就活に日本の海外求人サイトを利用する
海外での求職とは言っても、日本語でわかりやすい情報が多く提供される海外就職向けの求人サイトはぜひ利用するべきです。
こうしたサイトには、必要な書類の準備についての方法が説明されていたり、想定していなかった業種を含む非常に多くの求人情報が掲載されていたりします。その結果、自分でも意外な目標変更をすることになり、それが成功につながる場合もあります。
若いうちは経験や知識も少なく、どうしても希望条件を限定してしまうことが多くなります。そんなときこそ、求人サイトへの登録で幅広い情報を得ることが大事になるのです。
登録することで就活がスピーディーに進む可能性も
求人サイトを利用することにより、登録者のみに公開される求人情報を得られる場合もあるかもしれません。また、希望の職種のスカウト案件が舞い込むこともあるでしょう。
このようなサービスは無料のところが多いですが、中には有料のところもあるので、よく見極めて登録・利用してください。
上手に利用できれば、海外求人の特徴を知ることができる上、意外にスムーズに就職活動が進んでいくこともあります。そのため、ぜひいくつもの求人サイトでそれぞれが提供するサービスを確認し、登録してみるのがおすすめです。疲れる作業かもしれませんが、そこから第一歩が始まると言えるでしょう。
おすすめの海外求人サイト
特におすすめしたいのは、海外求人を専門に扱っている就職サイトです。どのような求人があるのか、給料相場はいくらなのかなど情報収集に非常に役に立ちます。
筆者が登録してみたことのある、海外就活の情報が比較的充実しているサイトをご紹介します。
リクナビNEXTは扱っている海外求人は少ないですが、無料で使える便利な自己診断機能、グッドポイント診断があります。海外就活前に自分の強みを把握するのに役立ちます。
海外就活に日系の海外転職エージェントを利用する
海外求人サイトの他に、海外転職エージェントを利用するというのも有効な方法です。
【おすすめ転職エージェント】
- リクルートエージェント (未経験から幅広く求人を探す)
- LHH転職エージェント(全世界から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
- doda(デューダ)(未経験から求人を探す)
海外求人サイトと海外転職エージェントの違いは?
求人サイトも転職エージェントも求人を紹介してくれるサイトですが、大きな違いは以下です。
求人の探し方
海外求人サイトの場合は、原則として転職希望者がそれぞれ自分自身で求人をリサーチします。
一方、海外転職エージェントでは、各転職希望者に担当者(キャリアコンサルタント)が付きます。その担当者が転職希望者の代わりに、その人のスキルや経験、希望に合った求人を探して紹介してくれるのです。
また、海外転職エージェントにも、登録者だけに紹介される非公開求人情報がある場合があります。
サポート面
求人サイトの場合は、応募・面接日の設定など、すべてを本人が行います。一方、転職エージェントは、そのようなスケジュール設定などもすべて担当者が行ってくれます。
それぞれの違いやメリットを理解した上で、賢く使い分けていくことが成功へのステップです。
海外転職エージェントの利用方法
複数のエージェントに登録しよう
転職エージェントを利用するなら、できれば1社だけではなく複数のエージェントに登録しましょう。
親身に相談に乗り、代わりに求人を探してくれると言っても、相手もビジネスです。あなたが他の転職エージェントにも登録しているなら、ライバル会社に負けないようにと良い条件の求人を探してくれる上、採用の際の条件交渉や内定後のサポートも熱心に、手厚く行ってくれる場合が多いのです。
そもそも、複数の転職エージェントに登録していることを言いづらいかもしれませんが、正直に伝えることが鉄則です。実際、そのようにしている転職希望者は多くいるので、心配しなくても大丈夫ですよ。
面接相談や英文履歴書作成依頼も可能
キャリアコンサルタントの仕事は求人の紹介だけではありません。面接で聞かれそうなことを教えてくれたり、どのように答えると望ましいかなどの相談にも対応してくれたりします。
キャリアコンサルタントは業界や企業ごとの特徴、求められる人材などをよく知っています。面接の前には担当コンサルタントと共にしっかり準備しましょう。
また、筆者は利用しませんでしたが、転職エージェントによっては履歴書(もちろん英文)を作成してくれるサービスもあります。ただし、この履歴書作成代行に限っては、利用する際に少し気をつけなければなりません。
できあがった履歴書の記載内容は正確か
先方に提出する書類は、相手方が何度も見直すことができる自分の分身なので、その内容に注意しなければならないのは当然のことです。
代行サービスで作成してもらうのであれば、自分の訴えたいこと、自分に関する情報を正しく的確に代行業者に伝える必要があります。また、履歴書ができあがった後もよく点検しなければ、かえって逆効果になってしまいかねません。
自分が面接でアピールしたい部分と書類上に記載されていることが一致していないなどということは、絶対にあってはならないのです。
そのような失敗に陥らないよう、筆者の場合は、自らコツコツと書いては数社に提出をくり返した記憶があります。
希望の国を専門とするエージェントを選択
もし、行き先の国やエリアをすでに限定しているのなら、国別に探してみるのもありです。それぞれの国を専門とする転職エージェントや求人サイトに登録し、リサーチしてみましょう。
海外就職説明会や相談会などで就活情報を得る
海外就職や海外インターンの希望者が年々増加している昨今、そのニーズに応えるためのセミナーイベントも多くなってきています。そのような場にも足を運んでみましょう。
同じような志を持った人々が集まるので、自分が知らなかった役立つ情報を得られることもあるはずです。また、実際に海外勤務をしている人・したことのある人、海外就職に関わる人材会社の人などと接することができるかもしれません。
やはり、実際に会って話を聞くことの価値は、ネット上の情報に勝ります。
海外就職サイト主催のイベントは要チェック
特に、上の項目でご紹介した就職情報サイトやエージェントが開催するようなイベントはおすすめです。
主催者は海外就職に携わるプロです。そのプロによる相談会などに参加することは、海外で働くことに対する現実感をより一層高めてくれるでしょう。
海外就活にFacebookやTwitterを活用する
FacebookやTwitterを海外就職や転職のためのリサーチに使ってみましょう。
普段、FacebookやTwitterを利用していればわかると思いますが、これらのSNSでは共通して興味を持つ事柄について新しい情報を交換し合うことが可能です。
検索機能を使い、海外で働くことや海外就職活動に関連するキーワードを入れてみると、関連の情報を集めることができます。
細かなリサーチこそが成功への第一歩となります。とにかく、面倒くさがらずにいろいろな角度から糸口を探ることが大切です。
就活が進んだら実際に海外へ足を運び、現地視察を
目標を定め、希望の条件を絞り込み、インターネットやイベントを利用しての情報収集も順調……。それでも、何か決め手に欠けるような感覚に襲われることがあるかもしれません。
行きたい国やエリアが決まっていることが前提ですが、現地を一度訪問してみることも重要だと思います。
働く場所として現地を見直してみる
もちろん、就職地の選択肢としてその場所を挙げている時点で、すでに訪問したことがあるのかもしれません。しかし、働く地としてリサーチを重ねてから見るその場所は、以前とはまた違って見えるのではないでしょうか?観光での訪問の経験しかないのであればなおさらでしょう。
たとえ訪れたことのある地であったとしても、これから自分が働く場所という意識を持って現地を再度訪問し、通勤や住居なども含めた日本人の労働環境や生活事情、休日の過ごし方を実際に見て、自分がそこで働く姿を具体的にイメージすることが必要です。
日本では得られない情報が現地では手に入る
日本人がよく利用する現地のスーパーや飲食店などにも足を運ぶと、現地でしか手に入らない日系情報誌などを見つけることができます。
また、在留日本人が多い都市では、日本人クラブや現地の転職エージェントもあります。直接話を聞く機会などがあれば、日本にいて知ることができる以上の情報が得られるでしょう。
納得して希望の仕事に就くことはもちろん大事ですが、それにより充実した日々を送れることこそが成功と言えます。ぜひ現地を訪れ、本気でリサーチしてみることをおすすめします。
海外就活での面接で注意すること
海外就活が順調に進み、書類審査を経て面接が決まったら、事前の準備をお忘れなく。海外の面接で重視されるポイントは、日本の面接のそれとは大きく異なる場合が少なくありません。
面接そのものは、現地で行う場合も当然ありますが、スカイプで行ったり、日系企業であれば日本の本社で行ったりすることもあります。
注意点1. 自分をアピールする
まず、日本人特有の奥ゆかしさや謙虚さは忘れ、自分のアピールポイントをこれでもかと並べましょう。一見マイナスにとらえがちなことも、積極的な要素に転換する視点の柔軟さが求められます。
自分の能力、経験などをどのように効果的にアピールできるか、しっかりと考えてから臨むことが重要です。
また、自分がその企業にいかに大切な人材となりえるかをアピールすることも大切です。自分の経験やスキルが、その企業の発展にどんな良い影響を与えうるかを訴えましょう。
注意点2. 入社可能な時期を伝える
今の会社をいつ辞める予定か、いつから勤務できるかについても質問されるはずです。具体的に決まっていないとしても、大まかな日付は伝えられると良いでしょう。
注意すべき質問が「なぜ今の会社を辞め、転職を考えているのか」というもの。現在の会社への不平・不満があったとしてもここはぐっとこらえ、「スキルアップのため」とか「可能性を試してみたい」など、ポジティブに答えるようにしましょう。
海外就活を経て採用が決まったら
無事に採用が決まればゴールというわけではなく、実はそこからが本番と言っても過言ではありません。
退職の手続きをする
まず、今の会社に退職する旨を伝え、引継ぎをしっかり行いましょう。
就労ビザを申請する
海外での採用が決まれば、就労ビザの申請をしなければなりません。海外で働く場合、就労ビザの取得は絶対です。企業側が全面的にサポートしてくれる場合もありますが、自分ですべての申請を行わなければいけないこともあります。
思った以上に取得に時間がかかることもあるので、早めに始めるのが良いでしょう。
現地での住居を探す
また、新たな土地での家の契約準備も早めに始めておくのが賢明です。これも会社によって異なり、社宅を準備してくれる会社もあれば、自分で探さなければならない場合もあります。
自分で探す場合は、日本人向けの不動産会社のサイトに登録しておくと、条件に合った部屋を紹介してくれることがあります。
日本での諸手続きは平日に
日本での住民票、年金、銀行口座などの処理も必要です。忘れがちな点ですが、これらの手続きは基本的に平日にしか行えません。平日に時間が取れるよう、しっかりプランニングしましょう。
まとめ~目標があれば乗り越えられる
海外就活の過程では、残念ながら不採用になったり、選考途中で辞退する企業も出てきたりするでしょう。今の仕事を続けながら就活する場合は、職場に迷惑がかからないよう根回しする必要もあり、思うようにいかないことも多いかもしれません。
しかし、目指す目標や譲れない条件などが明確であれば、くじけずに進んでいけるはずです。強い精神力を保ち、周囲への気遣いも忘れずに前進し続けてこそ、海外就活を成功させることができるのです。
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