カナダで保育士になるまで!スキルゼロ、経験ゼロで就職した経験から解説

バンクーバー カナダで働く

私は日本では、小売業界の正社員として働く普通の会社員でした。ほかのスタッフやお客さまとの関係をどう築いていくのかに興味があり、みんなが働きやすい職場を作りたいという思いから、将来は人事部を夢見ていました。

そんな私が、カナダで保育士(幼児教育者)として働くことになります。

なぜカナダで、しかもスキル・経験ともにゼロの状態で働こうと思ったのか。私がカナダで働くことを選んだ理由や、働いてみて感じたことなどをご紹介します。

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カナダへ渡り、カナダで働くことを決意

カナダ

海外生活への憧れ

大学生のころから、もっと知らない世界を見てみたいと海外生活を夢見ていました。でも、お金も確たる理由もなかったので、まずは3年ぐらい社会人として日本で働き、誰にも迷惑をかけずに自分で貯めたお金で海外に行こう!と思っていました。

ところが、社会人になると日本での安定を手放す恐怖も芽生え始め、退職を躊躇したままダラダラと仕事を続けていたんです。

結局、退職を決断したのは社会人を5年半経験したころでした。三十路を意識する時期、周りにも結婚や転職など人生の転換期を迎える人たちが増えていました。

最終的には「10年後、やらずに後悔するよりやって後悔しよう」と意を決して退職、カナダへの渡航を決めたのです。

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「使える英語力」を身につけるには環境が必要

英語

最初、カナダにはワーキングホリデービザで入り、語学学校にも行きました。でも、学校の勉強だけではまったく英語力は伸びず、半年間もいてアルバイトの会話すらできないレベルでした。

それで気づいたのは「英語を使って何かをする環境に入り込まないと私はだめだ」ということ。気づいてから行けばよかったんですが、私の場合は行ってから気づきました。

ワーホリを経験しカナダ就職が具体的に

そこから自分と再度向き合って、何がしたいのか、何ができるのか考え、卒業後に就労許可がもらえるカナダの幼児教育者育成プログラムを受けることに決めました。

特にスキルがあるわけでもない社会人です。ワーキングホリデーで、ちょっと英語ができるようになって帰国したところで何になるんだろう。そんな漠然とした不安もありました。それに、とにかくもっと「自分が納得できる何か」がほしかったんだと思います。

カナダで保育士の仕事の探し方

パソコン

ビザ取得まで3カ月、その間に就活

参加した幼児教育者育成プログラムは1年間。修了後、働くためのビザ(Work permit)取得のために必要な卒業証明書の発行までに1カ月半ほどかかりました。そこからビザの申請をし、実際に取得するまでの期間がさらに約1カ月。

プログラムの修了からビザが手元に届くまでに3カ月弱かかったことになります。

その間は、就職活動をサポートするクラスを受講したり、ボランティアなどで経験を積んだりしながら、求人に応募し面接を受けたりしていました。

カナダでの就活方法は?

日本のやり方と大差なく、まずはネットやクチコミなどで求人を探して応募(履歴書を送る)し、面接を受けます。

就職サイトや各幼児教育施設のホームページ、友人からの情報などで求人を探したり、募集していない先でも電話やEメールで問い合わせたり、ときにはいきなり履歴書を送ることも。その結果、臨時スタッフとして採用が決まりました。

私が取った具体的な方法は以下の通りです。

1. 就職サイトを利用する

など現地の情報サイトを利用して検索、応募。

2. 働きたい職場を探して問い合わせ

自分が働いてみたい施設に対して、電話やメールで直接問い合わせ。

3. 直接交渉

実習させていただいた職場に直接交渉。

カナダで保育士になるまでの就活期間

カレンダー

就活を始めてから最初に働きだすまでには1カ月半ほどかかりました。ただ、その後もいろんな職場を経験するために複数の応募や面接などを継続していたので、落ち着くまで3カ月以上はかかりました。

フルタイムとして働きだしたのはそれから半年後です。働いていた施設の一つにフルタイムスタッフの空きが出たので応募し、採用されました。

面接は悲しいほどにボロボロでしたが、臨時スタッフとしてほぼ毎日働いていたので、普段の勤務態度などを考慮していただいたようです。

カナダでの仕事内容と幼児教育者を選んだ理由

カナダ

※飛行機から見えるカナダ

保育園の先生のようなポジション

私が担当することになったのは、E.C.E(Early Childhood Educator)として、カナダのDaycareやPreschool、日本でいう保育園や幼稚園のような幼児教育施設で0歳から5歳までの子どもたちのケアをする仕事です。

日本でいえば保育園の先生と同じような存在です。

E.C.Eという職業を選んだ3つの理由

1. グローバルな環境で育つ子どもたちと関わりたい

もともと子どもが好きでした。周りにも保育士さんや幼稚園の先生がいて、そういう専門の人にもよく「保育士さんとか向いてそうだよね」と言われるほどでした。でも、日本では保育士というと給料も低いし、職業としての選択肢には入っていなかったんです。

ところが、グローバルな環境の中での子どもの教育現場、と考えると見方がガラッと変わりました

これからどんどんグローバル化する社会で生きる日本の子どもたちに伝えられる感覚や考え方などを、海外でなら学べるんじゃないかという期待もありました。

みんなが違って当たり前の国

カナダは移民を受け入れてきた国。多種多様な人種があふれ、いろんなカナダ人がいます。見た目だけでは外国人なのかカナダ人なのかわからないことも多々あります。

アジア人以外でも箸を使って刺身を食べる人も普通に見かけるし、アジア人の顔でもペラペラのネイティブイングリッシュで会話する人たちもいて、本当にたくさんの人種が共存している国です。

私はそんな国カナダで生活しながら正直、言葉以上の壁を感じていました。

「普通の人見知りの日本人がカナダに馴染むにはどうしたらいいんだよ。教えてくれよ、もう」と葛藤し、もがいていたと表現した方が近いかもしれません。だからこそ、そこで生まれ育つということに興味を持ち始めました。

多彩な人たちに囲まれて育つ子どもたちとは

共通語は英語(ケベック州ならフランス語)ですが、家族との会話は親の母語でするのがカナダでは普通です。バイリンガルなのも普通、国際結婚だって普通で、だからハーフやクォーターも普通、そもそも違うことが普通。日常がグローバル。

そんな環境に生まれた子どもたちはどんなふうに育っていくのか、どうやったらいろんな人たちの中でやっていくことができる人間になるのかを知りたくなりました。

2. 日本に帰ってからもニーズがある

移住なんて自分にできるわけがないと根拠もなしに考えていたので、日本に帰っても使える資格で自分が興味が持てるものが良いと思っていました。

それに、当時(今もですが)日本で保育士不足がかなり問題化していたので、いずれ給料も上がっていくかもしれないと思ったのもあります。

現実には日本の免許でないとだめかもしれませんが、海外のライセンスを持った人のニーズもそのうち出てくるのではないかとも考えました。

日本での英語による子どもの教育は日常的になり、海外の幼児教育の考え方に対する知識やその現場経験は重宝されるはずです。

3. 免許取得後に就労許可がもらえるプログラムがあった

パスポート

現地での就労経験は絶対にほしいと考えていたので、1年の就学でライセンス取得とWork permit取得が可能な点は幼児教育者育成プログラムの魅力でした。

他州には2〜3年かかるプログラムもありましたが、年齢的になるべく時間を節約したかったのでBC(ブリティッシュコロンビア)州を選択しました。

カナダで保育士をして良かった点、悪かった点

良かった点1. 海外の幼児教育現場の経験を積めた

日本ではできないことです。現地での経験が多く積めたというのは良かったです。さまざまなルーツを持つスタッフや現地の子どもたち、そしてそのファミリーとの出会いがあり、この仕事ができたことは今でも自分の財産になっています。

それに、日本ではまだメジャーでないものの世界的にも注目を浴びているレッジョ・エミリア・アプローチというイタリア生まれの教育法について学び、現場で活かす経験が積めたことも非常に勉強になりました。

良かった点2. 日本との働き方の違いを体感できた

カナダで働く前から、外国では長期休暇が月単位でもらえるとか、ファミリー・ファースト(仕事より家族)だとか、そういった知識はありました。

でも、「1カ月休んで職場に戻るとはどんな感じなのか」とか、「マネージャーが1カ月もいないなんて、どういうことが起きちゃうんだろう」など、体験してみないとわからなかったことばかりです。

カナダで実際に働いてはじめて、どんな感覚なのかを知ることができたことも良かったですね。

良かった点3. 自分の「普通」を壊すことができた

日本で暮らし働いていたころは、ずっと「普通はこう」という見えないレールみたいなものの上を歩いていたと思います。窮屈に感じてはいたけれど、それが「普通」だったし、私自身も「普通」でありたかったし、周りにもそう思われたかったのだと思います。

でもカナダでは、自分が思っていた「普通」なんて何の意味もありませんでした。30歳を過ぎてから学校に行き、キャリアチェンジをするカナダ人も外国人も「普通」にたくさんいました。

また、面白いことに、カナダで出会った日本人の友人はみんな私と「普通」の感覚が似ていたんです。

良かった点4. やっと感覚や話が通じる友人に出会えた

日本の昔からの友人には、社会人を辞めてまで海外に行くという考えを持つ人なんてまったくいませんでした。むしろ「30手前で仕事辞めて海外なんて、大丈夫なの?」という意見が多かったです。

けれど、カナダで会えた人たちは(当たり前ですが)私と似たような考えの持ち主ばかりでした。やっと話が通じる人を見つけたというか、かみ合ったというか、自分はおかしくなかったんだなと思えました。

周りと比べたり、自分で勝手につくった「普通」に縛られず楽になりました。心が健康というのはこういうことなんだと実感しています。

日本を飛び出して行かなければ、一生感じることも分かることもなかったことです。

カナダ

悪かった点

働いてみて悪かった点というのは自分にとっては特にないですが、強いて言うならば、日本で働きたくなくなっちゃったということぐらいです。

もともとは、日本に帰ったときのことを考えながらカナダで働きだしたものの、カナダでの働き方や環境が自分に合っているのか、日本で就職するのが嫌になって帰りたくなくなっちゃいました。

海外で働く理由は人それぞれでオーライ

海外で働く理由は、こうでなきゃいけないなどということはないと思います。海外で出会った周りの人から話を聞いても実に千差万別。

カナダにいたいからという人もいれば、永住が目的の人、仕事のキャリアを積みたい人、好きな人と一緒にいたい人、日本にいたくない人などなど。中には、なんとなく来たと言って、しっかり働いて会社まで作っている人もいました。

私の場合、理由はもちろんありました。でも、それよりも「自分が納得できるまでは帰りたくない」という変な覚悟があって、それでいつの間にか現地で働くことになってしまったという感じです。

まとめ〜行動したことが自信につながっている

当初、日本の知人たちは「何考えてるの?」という反応だったし、自分自身も「将来のことをしっかり考えている」と言える状態ではありませんでした。

だけど今振り返ると、行動したことで失うものよりも得られるものの方が大きかったです。批判があっても自信がなくても、行動してみて良かったと自信を持って言えます。

やってみたからこそ見えてきた将来があって、あのとき行動に移していなかったら絶対にたどり着けなかった今があります。

自分の気持ちを信じて行動した自分を、今は誇りに思います。これからも後悔のない人生にしていくために、自分の気持ちときちんと向き合う勇気を持っていきたいと思います。

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