カレーの本場スリランカでは、私たち日本人とは違いカレーを手で食べます。この記事では、訪れる前に知っておきたいスリランカの食文化やマナーについて、掘り下げて紹介します。
スリランカに滞在予定の方は勇気を持って、ここで紹介する食べ方を実践してみてください。スプーンより美味しく食べられること間違いなしです。
スリランカの食事マナー(右手を使う)
スリランカでは、みんな右手の指を使って器用にカレーを食べます。
日本人にとって、指で食べ物を掴んで食べると言うのはマナー違反です。しかし本能的に人間は、指先で食べ物を掴んで食べ始めました。スリランカではその名残からか、基本的には手が食べ物を掴む食器代わりになります。
食べる過程で自分の指を使用することはスリランカでは依然として重要であり、世界でも多く見られる食文化です。重要性や利点については以下で詳しく紹介します。
スリランカ人がスプーンを使うとき
食べ物を取り分けるとき
家族が集まって食事をするときは、スプーンやフォークなどの食器はほとんど使用されません。しかし、大皿に乗ったカレーなどを自分のお皿によそうときにはスプーンなどを使用します。取り分ける前の食べ物を手でよそうのはマナー違反になります。
公式の場
また、手でご飯を食べないときもあります。結婚式や高級ホテル、レストランなどでの食事です。こうした場合にはほとんどの人がスプーンとフォークを使います。
手で食べると、どうしても洋服が汚れてしまったり、手を洗いに行ったりしなければなりません。そのため公式の場では避けられています。
外国人観光客の多い場所
さらに協調性を重視して、外国人観光客が多くいる場所ではスリランカ人もスプーンとフォークを使用します。
観光客が多いスリランカでは、他の国から来た人は手で食べる文化に慣れていないことを理解しています。そのためレストランに行くと、観光客には当たり前のようにスプーンとフォークが出てきます。
カレーを食べる際に指を使う利点
指を使って食べることの健康上の利点については、多く挙げることができます。
利点1:消化吸収を促す
指が食べ物と接触すると、指先の神経終末が働きます。そして消化液や酵素を胃の中に放出して、食べ物をより効率的に受け取り、消化しやすくさせる働きがあります。
また指を使って食べることで、食べる速度が自然に遅くなり、消化器を活性化させる時間が増えるというプロセスがあります。
利点2:衛生面を徹底できる
指で食べるということは、食事の前後に手を洗うなどの基本的な衛生習慣を身に付けることにつながります。
利点3:舌をやけどしない
口の中に食べ物を入れる前、片手で混ぜたり、口に運んだりする動作が必要になります。その際に、手で食べ物の温度を測定することができ、口の中の敏感な部分を保護することができます。
対照的に、食器を使用してプレートから口に運ぶ場合はプレート上の食品の温度がわからないので、舌をやけどしてしまうケースが非常に多いのです。
利点4:食べる前の下準備ができる
スリランカのカレーには、多くのハーブ(葉やスパイスの豆)が入っており、それを避けながら食べなくてはなりません。手で食べることにより、何か舌に触れて痛いものはないか、余分に噛むことが必要なものはないかなどを確認することができます。
スプーンやフォークでいちいちよけるのは非常に大変なので、手で食べることは利便性も兼ね備えています。
スリランカではタブーな食事マナー
日本と同様スリランカにも、しっかりとした食事マナーがあります。
- 食事の前と後は手を洗うこと(レストランの中には必ず手洗い場所があり、石鹸もついています)
- 右手のみを使用(例外は左利きに適用されますが、スリランカ人の多くは左利きでも食事には右手を使用します)
- 食べ物は指の2番目の関節の上以上に触れてはいけない(もちろん、手のひらに置くのもNGです)
- 指をなめない(これは非常に悪いマナーと見なされます。手についたカレーは指同士を軽く擦り合わせて落としましょう)
- 食事が終わったらすぐ手を洗いに行き、両手を清潔に保つ(その後デザートなどを頂きます)
まとめ
島国で観光客の多いスリランカでは、外国人が食事をする際、快適に過ごせるように配慮をしてくれます。そのため無理に指を使って食べなくても大丈夫です。
しかし、その国の風土や文化に合わせた食体験をすることは非常に良いことです。新たな発見があり、食をより楽しむきっかけになるでしょう。
また、現地の人と仲良くなるきっかけにもなります。日本に来た外国人が、一生懸命箸で何かを食べようとするのを見て不快に思う人はいないはずです。
現地でカレーを食べる機会があれば、ぜひ指を使った食べ方に挑戦してみてください。
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