イタリアといえば、「パスタ」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
実際、イタリアにはたくさんのパスタ料理があります。カルボナーラやペペロンチーノなど、日本でもおなじみの料理がちょっとでも美味しくできると嬉しいですよね。
ここでは、イタリア在住の私がイタリア人に習ったパスタレシピをご紹介します。ぜひチャレンジしてみてください!
※記事中の「スパゲッティ」は日本で一般的な細長いタイプのもの、「パスタ」はスパゲッティを含む、小麦粉を練った食品全般を指します。
カルボナーラ
日本でも人気が高いカルボナーラは世界的に有名なイタリア料理の一つです。そのため、観光地のレストランではだいたいメニューに含まれています。
イタリアではカルボナーラにスパゲッティを使うことが多く、料理名は「スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ」と呼ばれることが多いです。
使用するのは、スパゲッティ、グアンチャーレ(豚の頬肉の塩漬け)、卵、ペコリーノ・ロマーノ・チーズ、塩、こしょうのみ。少ない材料でできる簡単なパスタ料理です。
※カルボナーラやアマトリチャーナ(後述)で使用するグワンチャーレ
本場風に仕上げるポイントは、日本のレシピではよく使われている生クリームを使用しないこと!卵の乳化のみでクリーミーなソースに仕上げます。
実はこの卵の乳化が難しく、固まってポロポロの炒り卵っぽい仕上がりになってしまうことがありますが、イタリア人は結構そのまま気にせずに食します(一度レストランでもその状態で出てきたことがありました)。何度も練習するとコツを掴めます!
材料(2人分)
- スパゲッティ 180g
- グアンチャーレ(ない場合はパンチェッタまたはベーコン) 80g
- ペコリーノ・ロマーノ・チーズ(ない場合はパルミジャーノ・レッジャーノのような粉チーズ) 40g
- 卵 2個
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
- 黒こしょう 適量
作り方
- スパゲッティ用に鍋に水を入れて沸騰させる。
- フライパンにオリーブオイルを入れサイコロ型に切っておいたグアンチャーレを炒める。グアンチャーレから脂が出てこんがり焼けたら火を止め、フライパンにそのまま置いておく。
- スパゲッティを鍋に入れて茹でる。
- ボウルに卵を割ってしっかり溶く。溶いた卵の中にペコリーノ・チーズと粗挽きの黒こしょうを入れ、よく混ぜる。
- スパゲティが茹で上がったらしっかりお湯を切って2のフライパンに入れ、よく混ぜ合わせる。
- フライパンの中身を4の卵液の中に入れ、スパゲッティ全体に卵液を混ぜ合わせる。
チーズとグアンチャーレの塩気が強いので、途中で塩を加えなくてもしっかり味がします。仕上げの段階で味見をして足りないなら調整してください。
アマトリチャーナ
イタリアで人気のあるトマトソース系のパスタといえばアマトリチャーナです。
アマトリチャーナの正式な材料は、パスタはブカティーニ(中が空洞になっているスパゲッティ型のロングパスタ)、お肉はグアンチャーレ、チーズはペコリーノ・ロマーノ・チーズです。
グアンチャーレとペコリーノ・ロマーノ・チーズはカルボナーラでも使用するので、この2つを冷蔵庫に常備しておけばパスタ料理には困りません!
作り方は簡単。パスタを茹でる鍋を火にかけてからソースを準備し始め、パスタが茹で上がるまでに出来るので、20分ほどで一品完成です。このレシピは近所のお肉屋さんに教えてもらいました。
材料(2人分)
- ブカティーニ 180g
- グアンチャーレ 80g
- ペコリーノ・ロマーノ・チーズ 40g
- パッサータ・ディ・ポモドーロ(トマトピューレ) 200ml
- 白ワイン 30~50ml
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
作り方
- ブカティーニ用に鍋に水を入れ沸騰させる。
- 別の鍋にオリーブオイルを引いてグアンチャーレを炒める。グアンチャーレから脂が出て肉がこんがりし始めたら白ワインを入れる。
- ワインのアルコール分が飛んだらパッサータ・ディ・ポモドーロを加え、火加減に注意して焦げ付かないようにしながら煮詰める。
- ブカティーニを1の鍋で茹でる。
- ブカティーニが茹で上がるまでの間、3のソースは弱火にかけておく。味を調整し、トマトの甘さが足りないようであればちょっと砂糖を足す。
- ブカティーニが茹で上がったら湯を切ってボウルに入れ、そこにソースを加えてよく混ぜ合わせる。
- 最後にペコリーノ・ロマーノ・チーズを入れ、全体をよく混ぜ合わせる。
イタリアではペペロンチーノ(唐辛子)を入れるレシピも多いです。少し辛いのが好きな方はペペロンチーノを足してください。
また、トマトはホールトマトを使用するレシピもあります。パッサータはホールトマトを裏ごししたものです。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
最もシンプルなパスタ料理。でも、意外に失敗が多い料理でもあります。にんにくを焦がしてしまうと美味しさが半減してしまうので気をつけましょう!
合わせるパスタはやはりスパゲッティが一番無難ではないかと思います。同じくロングパスタのブカティーニやリングイネでも美味しいです。
作り方は、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが何よりも好きだというイタリア人の知人から教わりました。
材料(2人分)
- スパゲッティ 200g
- にんにく 2かけ
- ペペロンチーノ(鷹の爪) 適量(お好みの辛さで)
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
作り方
- スパゲッティ用に鍋に水を入れ沸騰させる。
- フライパンにたっぷりのオリーブオイル(1人分が大さじ1杯強、フライパン全体に広がるくらい)、スライスしたにんにく、ペペロンチーノを入れて塩をふり、火にかけずに置いておく。
- スパゲッティを鍋に入れて茹でる。
- スパゲッティが茹で上がる30秒くらい前に2のフライパンを強火にかける。オリーブオイルが温まりにんにくの香りが立ち始めたら弱火に落とす。
- スパゲッティのお湯を切り(お湯は多少残っていても大丈夫)、フライパンにさっと入れて全体をかき混ぜる。オリーブオイルがとろりとしてスパゲティ全体に混ざったら出来上がり。
お好みで、削ったパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズやイタリアン・パセリのみじん切りをかけて召し上がれ。
ボロニェーゼ
いわゆるミートソースです。イタリアではボロニェーゼと言います。
ボローニャ発祥のパスタソースで、イタリアでは卵入りの手打ち麺(タリアテッレやフェットゥチーネ)を合わせることが多いですが、リガトーニ(rigatoni)やトルティリオーニ(tortiglioni)のような穴の空いたショートパスタもおすすめです(写真はショートパスタを使用)。
イタリアは海岸沿いの地域以外はほとんど肉食文化です。各地で肉入りのパスタソースはあると思うのですが、ボロニェーゼは全国区パスタになっていると思います。食欲を満たしたい人におすすめの料理です。
材料(2人分)
- タリアテッレ 2人分(乾燥または生タイプ)
- 牛ひき肉 150g
- にんじん 中1/2本
- セロリ 10cmくらい
- 玉ねぎ 中1/2本
- にんにく 1かけ
- トマト缶 1缶(カットトマト)
- 赤ワイン 50mlくらい
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
- こしょう 適量
- ナツメグ 適量
- (お好みで)ローズマリー 1枝
- パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ 適量
作り方
- フライパンにオリーブオイルとつぶしたにんにくを入れて火にかけ香りを出す。香りが出たところで中火にし、玉ねぎ、にんじん、セロリのみじん切りを入れて透き通るくらいに炒める。この作業をイタリア語でsofritto(ソフリット)と言います。
- フライパンに牛ひき肉を加えて炒める。その際に塩、こしょう、ナツメグで味をつける。ローズマリーを使う場合はここで入れる。
- 肉に火が通ったら赤ワインを入れる。赤ワインのアルコール分が飛んだらトマト缶を入れて煮込む。
- 煮立ってきたら弱火に落とし、1時間以上煮込む。時々混ぜて焦げないよう気をつける。最後に味を確認し、塩を足して調整する。
- ソースが完成するタイミングを見ながら鍋にお湯を沸かし、タリアテッレを好みの硬さに茹でる。
- 茹で上がったらソースに混ぜ、すりおろしたパルミジャーノ・チーズと和えて出来上がり。
番外編:市販のトルテリーニとラビオリを使ったスピード料理
忙しい時に手抜きできて便利なのが、市販のパスタを使った料理。
ここでは、トルテリーニとラビオリを使ったスピード料理をご紹介します。しかも、料理というほどの料理ではありません!
トルテリーニ・イン・ブロード
トルテリーニは中に肉の詰め物が入った生パスタで、イタリアのスーパーマーケットでは大手メーカーの冷蔵商品が売られています。このトルテリーニをスープに浸した温かい料理「トルテリーニ・イン・ブロード」はイタリアのクリスマス料理の一つです。
クリスマスにはトルテリーニを手作りし、ブロード(スープ)は鶏肉と香味野菜をじっくり煮込んで用意しますが、普段は市販のトルテリーニを使う人が多いです。
- 鍋にお湯を沸かして市販の固形スープを溶かし、市販のトルテリーニを入れて茹でる。
- 茹で上がったらスープと一緒にお皿に移す。
- パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズをかけて完成。
冬の間のスピード料理です。
ラビオリ用ソース
パスタ生地に具を挟んだ餃子風のラビオリも、いろいろな市販商品があって楽しめます。リコッタチーズとほうれん草を詰めたラビオリや、かぼちゃのラビオリには、セージとバターを使ったソースがおすすめです。
このソースはとても簡単です。
- フライパンを温めてバターを溶かし、セージの葉を溶けたバターの中で泳がすようにして香りを移す。
- バターが溶けたら焦げないよう火を止めておく。
- 茹で上がったラビオリと和え、削ったパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを上からかけて完成。
このソースは、イタリア旅行のお土産などでもらうカラフルなパスタのソースにも使えます。
まとめ~シンプルな材料でスピーディーに作れる
ボロニェーゼのように煮込む必要があるものは別ですが、たいていのパスタソースの材料はとてもシンプルでパスタを茹でている間にできるため、スピードクッキングが可能です。
市販の瓶詰めのパスタソースもたくさんありますが、手作りでも簡単なのでぜひ試してみましょう。
トマト缶、にんにく、グワンチャーレ(またはパンチェッタ)、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズやペコリーノ・ローマーノ・チーズなどをストックしておけば、いつでもパスタ料理が作れます。ぜひ忙しい時のメニューに加えてください!
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