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アメリカの公立小学校で働いてわかった、日本との文化や習慣の違い

アメリカ人

アメリカ社会で生活していて思うのは、アメリカ人に比べ日本人は習慣やしきたりに厳しく、清潔好きで、常に周りの人たちのことを念頭に置きながら行動するということです。

それは日本社会の中にいるときには気がつかないのですが、日本を出てアメリカで暮らし、アメリカ社会と比べてみると一目瞭然です。

ここでは、私がアメリカの公立小学校で働いて気づいた「アメリカと日本の文化や習慣の違い」をお伝えしたいと思います。

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目次

アメリカでは授業中に飲食しても問題なし

アメリカの学校で臨時教師として働き、とても驚いたことは「食べ物や飲み物のマナー」です。

学校でコーヒー、お茶などを飲むのは日本でも同じだと思うのですが、アメリカでは授業中に飲んでも問題ありません

私はよくマグボトルの中にお茶を入れて、授業中にタイミングを見計らって飲みます。生徒たちも水筒を持って来ており、授業に支障がないのであれば飲んでいいことになっています。

授業中にスナックを食べる先生

これには個人差があるので「すべてのアメリカ人」とは言い切れないのですが、授業中にスナックを頬張っている先生に遭遇したときには驚きました。

「今日、先生は昼食を食べる時間がなかったので、みんなには悪いけど失礼しておやつを食べるね」と生徒に断りは入れていました。でも、本当に授業を進めるその最中にポテトチップスを食べ始めたのには目を丸くしました。

私は臨時教師として、その教室を初めてサポートする立場でした。こちらは唖然としていたのですが、生徒たちは慣れていたのかまったく動揺していません。先生がボリボリと音を立てて食べているのを目の前にしながら授業を受けていました。

ポテトチップス

ごほうびに教室でおやつ

先生にもよりますが、勉強で頑張ったごほうびとして生徒におやつを与えるのをよく目にします。

例えば、算数の難しい問題プリントを解き終わった生徒にはロリポップ・キャンディやクッキーなど子どもたちが欲しがるおやつを与え、しかもそのおやつを授業中に食べていいんです。

日本の学校では食べる時間といえば「給食」だけです。それ以外に食べたり飲んだりするのは違和感があります。アメリカでは、テーブルマナーはあっても食べる「時間」のマナーはないのだと感じました。

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アメリカ人の自己主張はわがままではない

「アメリカ人は言いたいことは言う」、つまり「アメリカ人は自分勝手」。日本人はアメリカ人をそんな風に見がちだと思います。

でもそれは、自分の意思を何が何でも貫くということではなく、心中を表現し相手に状況を理解してもらうための自己表示なんだなと感じるようになりました。

思いがけず意思表示が必要になった体験談

先日、A先生から私に仕事を依頼したいというメールがあったので、そのやり取りを例に挙げて説明します。

A先生は、家族の医療事情で学校を1週間休むことになりました。その同じ週に私は、同じ学校に勤める年配のB先生から1日だけ仕事の依頼を受けていました。

B先生の依頼を断ってA先生のために1週間働くか、A先生の1週間の依頼を断るか考え込みました。しかし、私には判断しかねる状況だったので、A先生に詳細を丁寧に説明しました。

するとA先生から連絡があり、「B先生の仕事はそのままにして、それ以外の4日、仕事をお願いしたい」と返事が返ってきたんです。

丁寧に説明することの大切さを実感

意思表示をすることが問われるアメリカ。それは決して、声を荒げた自己主張を意味するものでないと思った出来事でした。

私がしたように、意見や状況を丁寧に説明し、周りに受け入れてもらうための手段なんですね。

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アメリカ人は相手の話に最後まで耳を傾ける

日本では会話のテンポに重きを置く傾向がありますが、アメリカでは相手の話を最後まで聞く姿勢を大事にします。アメリカの小学校ではそれを特に徹底し、日常生活のマナーとして先生たちが子どもたちに教えています。

そのため、気軽に会話をしていても、相手が途中で割って入ってくることはありません。私が話を終えるまで聞いてくれます。

逆に相手の先生が話をしているとき、私があいづち的に自分の意見をはさんでも、たいていの先生は私のあいづちを無視して淡々と自分の話を続けます。

アメリカ人に比べて日本人はせっかち?

そんな先生の様子を見て「今、ここで話を遮らなければよかった」と後悔することがよくあります。これは文化の違いであり、アジア圏などに多く見られる行動です。

日本では、ゆっくりと相手のペースでしゃべられると少しイライラしますが、アメリカでは最後まで相手の目を見て話を聞きます。そして、それに対して返事をすると改めてまた相手が話しだすので、そのペースをつかむまでに時間がかかります。

ただ、そういった対応をすることでコミュニケーションがうまくいくのは確実です。

アメリカでは生徒それぞれに適切な指導をする

アメリカにはいろいろな人が住んでいます。生まれ育った場所、経済環境、そして両親から譲り受ける文化背景はさまざま。そういった人たちが社会の中で交じり合って生活しています。

そのため、学校ではいろいろな境遇の子どもたちを受け入れて対応しています。その点には驚かされます。

日本の学校には教科書があり、それに基づいて子どもたちには学校で勉強する「基準」があります。しかし、アメリカの学校には日本の学校で使う「教科書」というものがありません

州ごとに学年相応の各学習基準が設定されているのですが、生徒すべてにその基準に沿った指導をすることはありません。担任の先生が個人テストを行ってレベルや能力を判断し、子どもそれぞれに合った指導をします。

勉強

レベルごとに分かれてグループワーク

例えば英語の場合、クラス全体で同じ本を一緒に読み、書き取りをする時間や考える時間を設けます。結果、読み書きが学年相応より上の上級レベル、学年相応のレベル、学年以下の下級レベル、英語がネイティブではない英語能力不足という段階に分けます。

その後はレベルごとに分かれてグループワークです。

上級レベルは理解力が早く独立心があるため、ほぼ先生の指導なしで課題に取り組み勉強を進めます。下級レベルは先生が細かい指摘をしないと理解できません。

また、英語がネイティブでない子どもたちに対しては特別に英語教師が入りグループ指導をします。個人のレベルに合わせて指導を行う担任の先生はとても大変です。

アメリカの学校では子どもの安全が第一

銃

アメリカは周りにどんな人がいるか分からない社会です。各家庭で子どもたちを守るのは当然ですが、公立学校でも子どもたちを守るための安全指導がとても厳しいです。

子どもがけがをすると一大事!すぐに保健室へと誘導されます。私がはたで見ていて「そこまでするのか?」と思うほど、対策は行き届いています。

念には念を入れるのが正解

2018年2月のフロリダ高校銃撃事件は全米をまたも恐怖に追い込み、どの学校も対応策の見直しで忙しい毎日でした。

火災避難・不審者侵入訓練は毎月必ず1度は行われます。校舎の出入り口に防犯カメラを設置するのは当然のことで、不審者が学校の近くを歩いているだけでも通報する例はよく聞きます。

私が勤務する学校の付近でもおもちゃの銃を持ち歩いていた通行人が目撃され、すぐに警察に通報されていました。「それで通報するのは行き過ぎでは?」と内心思っていましたが、その後発生したフロリダ銃撃事件のことを思うと「念には念を」という考えを常に持っていた方が間違いないのです。

銃の所持が認められているアメリカ社会。いつ何があるか分かりません。

アメリカの学校では体罰は絶対NG

アメリカの学校でも、50年以上前は体罰がありました。しかし、教育調査が行われるにつれ、体罰は効果がないどころか子どもにとって将来のトラウマになるという理解が広まりました。

今では、公立学校において体罰は厳しく禁止されています。

生徒に触れようとして叱られた体験談

私の苦い経験です。

指示にまったく従わず、勝手な行動をする生徒がいました。何度も注意するのですが、教室の中をフラフラ歩いて回ったり、教材を勝手に触って遊んでいたりとやりたい放題。

自分の席に戻るよう改めて注意すると生徒は激怒、その子の脇下から抱っこするように動かそうとしたんです。すると、別のアシスタントの先生から「臨時の先生は教師として訓練されていないので、その子をそうやって動かさないでください」とキツイ口調で注意されました。

力に頼らない教育が徹底

その後、その子が校長先生と面談しているときに噛み付いたり、特別学級専門サポートの先生に乱暴をしたという話を聞き、私のような臨時教師が扱える範囲の子ではなかったのだと痛感しました。

どのような状況でも、校長先生や特別学級専門の教師は絶対に体罰という方法を取りません。

教育する側からすると、こういった子どもたちの指導はとても難しいです。でも、学校の規定通り子どもに危害を与えないという点は徹底しています。

まとめ〜アメリカには平均や普通がない

こうしてアメリカと日本の教育現場を経験し、社会のルールに重きを置くのが日本、個人の境遇や意見を尊重するのがアメリカだと私は思うようになりました。

中でも私にとっての大きなパラダイムシフトは「個人の意見を主張する」こと。「私の言っていることが正しい!」と主張を貫くのではなく、相手に理解してもらうための自己表現を尊重し大事にすることだったんですね。

日本のように「平均」や「普通」の生活基準がないアメリカ社会。うまく生きていくには、自分を上手に表現できる能力を身に付け、それを習慣にすることだと思います。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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