アメリカで1年のうちで一番大きなイベントといえば、クリスマス!
クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝うキリスト教の祭日です。今では世界中でさまざまな宗教の人がクリスマスを特別なイベントとして認識し、多くの人々の生活に深く根付いています。
日本でクリスマスといえばケーキやチキンが定番ですが、世界的に見ると国そして家庭でも過ごし方が異なります。
それでは、アメリカの場合クリスマスをどのように過ごしているのでしょうか?そんな疑問を持っている方のために、アメリカのクリスマスの特徴についてご紹介しようと思います。
クリスマスの準備
11月の第4週木曜日にあたるサンクスギビング・デーが終わったら、街中がクリスマス・ムードに包まれます。みんないっせいにクリスマスの飾り付けや準備を始めます。
飾り付けといえばまず思いつくのはクリスマス・ツリーです。11月中旬を過ぎるとツリーの販売所がところどころに登場し、空き地に設営された巨大テントの中に所せましと並べられたツリーを多くの人たちが買いにきます。
ツリーの種類は数種類あり、自分の好きな種類、サイズ、形を選ぶことができます。選んだツリーは、店員さんがネットで梱包して自分の車の上に載せてくれます。
郊外の農場でも、ツリーを購入することができます。
農場では大中小さまざまなサイズのツリーが並んでおり、自分で歩きながら好みの形や大きさのツリーを選び、のこぎりを受け取って伐採してレジへ持って行き購入します(農場によっては伐採をしてくれるところももちろんあります)。
ネットに入れ車に搭載するプロセスは農場の人がやってくれるので、楽しいところだけ自分で体験できるうれしいシステムです。
他にもヘイ・ライドや干し草の迷路など楽しいアトラクションも敷地内にあるため、日帰り旅行感覚で出かけることができるのでおすすめですよ。
本物のツリーのいいところは、見た目はもちろん木の香りを室内で楽しむことができる点です。フェイクのツリーにもみの木の香りをつけることができるパウダーなども売っていますが、やはり本物のツリーのほうがより雰囲気を楽しめます。
ただ、本物なので毎日葉が大量に落ち掃除が大変です。そして生の木を1カ月程度室内に置いておくには、足の部分に水を入れておく必要があり、減ってきたら水を足さなければなりません。そして後片付けも手間がかかります。
わが家はアメリカに来て最初の数年は本物のツリーを買っていましたが、先に述べたような理由で近年はフェイク・ツリーを毎年飾っています。
文房具店大手のホールマークは毎年新しいオーナメントを多く発売しています。中には子どもが生まれた年や家を購入した年、結婚した年などを記念するオーナメントがあり、思い出を残す手段として毎年買い足す人が多くいます。
シリーズで毎年出しているものもあり、古いものはヴィンテージ価格で取引されるものもあるほどです。
クリスマス・ツリーのほかにも家の外のデコレーションがあります。いろんな色のライトを使って家の周りを飾るものや、空気で膨らむ人形など、たくさんの種類のデコレーション・グッズがあります。
デコレーションをしてくれる業者も存在するほど、クリスマス・デコレーションはアメリカでは立派なマーケットとなっています。
中にはプロ顔負けのデコレーションを行う家もあります。わが家が毎年見に行く先は5軒合同でデコレーションしています。袋小路に並んでいるのでそのプライベートな空間が小さなアミューズメント・パークを連想させます。
去年はなんとサンタクロースもスタンバイしていて、子どもたちは大盛り上がりでした。オーナーの方たちの「みんなでクリスマスを楽しみたい」という気持ちがとてもうれしいですね。
バレエ劇「くるみ割り人形」を観に行く
クリスマスといえばくるみ割り人形です。アメリカではクリスマスに家族全員でくるみ割り人形のバレエ劇を観劇し、それを毎年の恒例行事にしているご家庭が多いです。
くるみ割り人形は、有名な作曲家であるチャイコフスキーが作った曲と、E.T.A.ホフマン作の「くるみ割り人形とねずみの王様」という童話とで創作されたバレエ作品です。
物語がクリスマス・イブの夜を舞台としていることから、クリスマスととてもつながりの深い存在となっています。
わが家も今年初めて観に行くことにしています。市内のバレエ団が12月初旬あたりからクリスマスまでのスケジュールでチケットを売り出します。
バレエを知っている人はもちろん、そうでない人でも十分楽しめる内容だと聞いているので、とても楽しみです。
クリスマスにはどんな料理を食べる?
日本では西洋文化の影響でチキンやクリスマス・ケーキなどが定番になってきましたね。アメリカは移民の国なので、それぞれの家庭が異なる文化や伝統を持っています。ですので、クリスマスに食べる料理も家庭によってさまざまです。
たとえば、わが家はルイジアナ州の郷土料理であるガンボ(Gumbo)やエトゥフェ(Étouffée)といったスープ料理をいただくのが定番です。
ガンボは野菜ベースのシチューで、鶏肉を入れたチキン・ガンボ、海老を入れたシュリンプ・ガンボなどがあります。
エトゥフェは野菜をベースにしたルーに海老やクローフィッシュ(ザリガニ)を入れて煮込むのが主流です。
どちらの料理も、元来はフランスから移住してきた人々がアメリカ南部で広めた料理で、わが家では寒い日や特別な日に食べることが多いです。日本でいうお寿司や鍋、焼肉のような存在でしょうか。
日本だったら必ず用意しておきたいクリスマス・ケーキは、実はアメリカではそこまで重要ではありません。ごちそうの後にデザートを食べることはもちろん好きですが、日本のようにケーキ屋さんで予約をしたりといったような習慣はありません。
ですが、私は日本式のクリスマス・ケーキが大好きなので、毎年クリスマス・イブに焼くようにしています。
近所に住んでいるドイツ人家族は、クリスマスにはドイツ料理、インド人家族はインド料理を食べます。このように、それぞれの家庭で食べる料理は異なり、クリスマスの祝い方もそれぞれです。
クリスマス当日はどんなことをして過ごす?
アメリカではクリスマスは1年のうちでもっとも長い休暇です。日本でいうお正月休みのようなものです。
クリスマス休暇に入ると、多くの人たちが実家に帰省したり、家族や友達と旅行に出かけます。ですので、この時期の移動や宿泊は比較的高額で、空港をはじめどこも混み合っています。
お出かけは大変なクリスマス休暇中ですが、宿泊先や観光地などではクリスマス・イベントを開催したり、アイス・スケート・リンクが登場していたりするので、ホリディ・ムードを大いに満喫することができますよ。
街中でもクリスマスが近づくとショッピング・エリアでサンタクロースと一緒に写真撮影を行なっている場所があります。
私は家で映画を観たり、近所の隣人や友達を招待してパーティを開いたりといったのんびりとした過ごし方が好きです。クリスマスに向けてホリディ・ムービーがたくさんリリースされるので、家族全員で映画館に行くのも楽しいです。
クリスマスは盛大に祝うアメリカですが、年末年始はあっさりとした雰囲気です。パーティやカウントダウンで盛り上がりはするものの、がっつりと休みを取って過ごすという感じではありません。
もちろん、年賀状や忘年会、新年会などのイベントもないので、お正月の余韻が少ないのは日本人にとって少し寂しい気もします。
クリスマス・プレゼントは大人にも子どもにも
12月に入ると、どこも車の交通量が大幅に増加します。クリスマス・ショッピングに出かける人が増えることがその原因のひとつです。
アメリカでは、大人・子どもに関わらずクリスマス・プレゼントを贈ったり受け取ったりします。私がアメリカに来て初めてクリスマスを過ごした年は、私ひとりでプレゼントを10個ほどもらった記憶があります。
私が子どもの頃は、朝起きると枕元にひとつプレゼントが置いてありました。ひとつだけでも、とてもうれしくて特別な気持ちになったことを今でも覚えています。ですが、物があふれる豊かなこの国では、子どもたちは大量のプレゼントをもらいます。
新しいおもちゃも洋服も一度にたくさんもらっては新鮮さがなくなってしまうので、一度だけ遊んであとはクローゼットの中で眠るおもちゃも出てくるほどです。その点はとても残念だなと思います。
プレゼントは大きな靴下の形をした入れ物「クリスマス・ストッキング」に入れ、通常暖炉のそばに掛けておきます。
ストッキングには小さなプレゼント、たとえば大人だとハンドクリームや靴下など、子どもであれば小さなおもちゃやお菓子などをいくつか入れます。
クリスマスのシーズンが始まると、クリスマス・ストッキング・スタッファーといって、小さめのプレゼント用ストッキングがたくさん店頭に並びます。
そして、メインのクリスマス・プレゼントはツリーの下に置いておきます。イブの夜、子どもたちはサンタクロースとトナカイのために、クッキーや牛乳をツリーのそばに置いて寝ます。
そして翌朝にはサンタクロースからのプレゼントがツリーの下に置かれています。
大人へのプレゼントももちろんツリーの下に置いてあります。クリスマスの朝、家族全員がそれぞれのプレゼントを開けます。とても楽しい時間です。
アメリカのプレゼント事情
お祝いなどの節目で金銭を贈る日本とは違って、アメリカ人は物を贈ることが大好きです。そのため、アメリカでは購入した商品の返品がとても簡単です。ほとんどのお店は30日、長いところでは90日まで返品期限がついているところもあるほどです。
「でも、プレゼントで渡し済みの返品はどうしたらいい?」という方、ご安心ください。プレゼントを購入する際に、「ギフト・レシートをください」とレジの人に伝えると、購入金額が載っていないレシートをくれます。
それをプレゼントにつけて渡すと、相手が自分で返品することができます。贈る相手のサイズや好みがわからないけど、サプライズでプレゼントを渡したいときでもストレス・フリーで購入することができます。とても合理的なシステムですね!
まとめ、誰もが楽しめるアメリカのクリスマス
世界中の人たちに愛されているクリスマスは、アメリカでは子どもも大人も、クリスチャンではなくても、すべての人がハッピーになれる素敵な祝日です。そして、寒い冬の重い気持ちを一気に華やかな気分に変えてくれるビッグ・イベントです。
アメリカで盛大なクリスマスを経験してみませんか?この時期に街の中を歩くだけでも、十分に雰囲気を満喫することができます。そして、大切な家族や友達ととっておきの時間を過ごすことができますよ。
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