日本ではあまり馴染みのないモービルホームは、アメリカではいたるところに見られます。ですが、本当のモービルホームとは何なのか、実際アメリカに住んでいても知らない人が多いのです。何を隠そう私もその1人でした。
この記事では、普通の家に住んでいた私が家庭の事情でモービルホームに引っ越し、実体験でわかった事を色々な面から比較していきます。
モービルホームとは
RVやキャンピングトレーラーとの違い
モービルホームと聞くと、時々アメリカでも見るトレーラーがけん引している車輪のついた家だろうと思っていました。アメリカ国内でもそう思っている人が意外と多く、トレーラーホームと混同しているようです。
モービルホームの英語の発音は、”モーボーホーム”と言っているように聞こえます。移動可能な家という意味ですが、車輪がついているわけではありません。
キャンプカーなどをモービルホームと言っても全くの間違いではありません。ですが基本的には、大型バスのようなスタイルになっている家はRV(アールビー)、トレーラーでけん引している家をキャンピングトレーラーと呼びます。
モービルホームと呼ばれるわけ
モービルホームは、大きなファクトリーで組み立てられて、購入した人の希望する場所に、特殊なトレーラーに乗せて運ばれてきます。そして運ばれてきたモービルホームを住む場所に設置すると、車輪は外されます。
ですが後にまた違う場所に引っ越すと決まり、そのモービルホームを持っていきたいと思った時には、またトレーラーを持ってきて繋げて家ごと引っ越す事ができます。なのでアメリカではモービルホーム(移動可能な家)と呼ばれるのです。
モービルホームと普通の家の基礎(ファウンデーション)の比較
普通の家の基礎
まず普通の家の基礎を見てみましょう。基礎とは家が乗っている土台の事です。写真のように普通の家では、がっちりと固まったコンクリートが見えます。ちなみにこの家は私の娘の家で、約50坪のレンガ造りです。
モービルホームの基礎
そして今度はモービルホームを見てみます。ちょうど工事中のモービルホームがあったので、ラッキーにも写真が撮れました。このようにコンクリートの基礎はなく、積まれたブロックと鉄骨の上にドンと家が置かれた状態です。
だから家ごと引っ越したいと思った時は、移動ができるんですね。土を掘って家の下に下水や電線などを張り巡らせた後に、スカートと呼ばれる板を基礎の周りに被せてセメントのように見せるのです。
モービルホームと普通の家の構造の比較
壁の厚さの違い
私が以前住んでいた家は石造りで、壁の中に入れてある断熱材も厚く、窓を閉めれば外の音はほとんど聞こえませんでした。ですがモービルホームは壁自体も断熱材も薄いので、外の音や隣りの部屋の音も良く聞こえます。
天井の高さの違い
普通のアメリカの家屋天井の高さは、約5m。日本から引っ越した時は、なんて天井が高いんだろうと良く思ったものです。モービルホームの高さは約半分です。
私達夫婦がモービルホームに引っ越してきて、この天井の低さに慣れるまでがいちばん時間がかかりました。
モービルホームと普通の家の耐久性、頑丈さの比較
耐久性
普通の家では建ててから20年たっても、案外しっかりしているものです。
ですが、外壁材を安い木材で造っているモービルホームは、やはり石やレンガ造りの家と比べると早く劣化がくるので、頻繁に外壁を塗り替えるなどのメンテナンスが必要になってきます。
これらの写真は築20年のモービルホームで、メンテナンスをやっていないとこのようにボロボロになってしまいます。
頑丈さ
モービルホームはとにかく全ての素材を軽くするために、薄くて軽いべニア板やプラスチックで造ってあります。なので普通の家の方がどっしりとしているのは明白で、頑丈さは段違いです。
ハリケーンやトルネードがくるアメリカでは、普通の家で危険な時は地下の部屋や、窓のない狭いバスルームやクローゼットに隠れろと言います。
ですがそのような時にモービルホームに住む人には、「すぐさま家を出て、シェルターに逃げ込んでください」というアナウンスがあります。特にトルネードなどの場合は、基礎がないモービルホームは根こそぎ飛ばされてしまうからです。
なので私達夫婦がそのような場面にあったら、道路をへだてた住宅に住んでいる娘の家に逃げ込む予定です。
モービルホームと普通の家の広さの比較
私の前の家は約50坪、今のモービルホームは約35坪でやはり小さく狭く感じるものです。
モービルホームの種類には、シングルワイドやダブルワイド、トリプルワイドなどがあり、サイズが違ってきます。そして家のスタイルや間取りも、色々なスタイルから選べます。
この写真はシングルワイドといって、幅がせまいスタイル。ですが横から見るとすごく長いですね。このシングルワイドでも、約25~30坪あり、部屋数は3つもあるんです。
私が住むモービルホームはこのダブルワイドで、横幅は広いですが、長さは短い造りになっています。部屋数は3ベッドルーム、2バスルーム、リビングダイニング、キッチンです。それに裏には物置きもついてくるので結構便利です。
モービルホームと普通の家の光熱費の比較
以前の天井が高い50坪の家では、電気代は月に約17,000円。この35坪のモービルホームでは、月に約10,000円。天井も低いしもっと安くなるかと思ったのでちょっとびっくりですが、それでも月に7,000円、年間8万4,000円の節約は有難いです。
壁が薄く熱気が逃げやすいモービルホームに比べ、石造りの家は断熱効果が素晴らしく高くなっています。1度家をあたためると長時間その熱気を逃がさないため、電気代にはあまり変化がみられなかったようです。
モービルホームと普通の家の税金の比較
以前は1000坪分の土地と、50坪分の家、両方に税金がかかり年間約30万円払っていました。
モービルホームには土地は付いてこないので、土地に対する税金は0です。35坪の家に対する税金は、年間約12万円という予測です。まだ1年以上住んでいないのでわからないのですが、オフィースマネージャーがそう言っていました。
ここでは年間18万円も節約ができます。
モービルホームと普通の家の保険代の比較
加入する保険会社によって変わってきますが、以前の家で火事にあった場合や泥棒に入られた時、ハリケーンで被害にあった時などに対する保険は、月に1万円で年間12万円払っていました。
モービルホームは半額くらいになるだろうと期待していたのですが、全く同じ金額で年間12万円払うようになりました。これには驚きです。
モービルホームと普通の家のローン代の比較
前の家の土地代と家代合計で2,000万円。30年ローンにして月に10万円払っていました。ですがこの家を売って、残っていたローンを支払う事ができました。
そしてそれだけではなく手元に残ったお金で1括払いをして、今のモービルホームの値段870万円を払ったので、ローンも0になったのです。
家のローンだけをみても、年間120万円の節約になっています。
まとめ
以上、普通の家とモービルホームの比較を色々な面から見てきました。
実際に石造りの家からモービルホームに引っ越してみて、家が狭くなったとか、天井が低い、断熱力が弱いなどのマイナス面はありますが、住めば都。私はとても気に入っています。
何よりも光熱費で年間8万4,000円。税金で年間18万円。毎月10万円のローンもなくなった事で、モービルホームに引っ越した甲斐があると実感しています。
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