旅行でカンボジアを訪れるなら普通はホテルに宿泊しますが、長期間住むとなるとアパート探しから始めることになります。
一番贅沢な方法は一戸建てやマンションを買うことなのでしょうが、そんな余裕のある方は少ないと思うので、ここでは首都プノンペンで家やアパートを探して借りることを想定し、その種類や家賃相場をご紹介していきます。
大きく分けて一戸建て、フラットと呼ばれる横に連なった住宅、サービスアパートが対象になるでしょう。
※1米ドル=約112円
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カンボジアの部屋探し事情
最近は不動産屋も増えたので探しやすくはなりましたが、安いアパートは業者が仲介していないことが多いので、自分で探すしかありません。
不動産屋ができたのはここ数年の話で、部屋を貸す人は手数料を払いたくないという思いがまだ強いようです。
地方からプノンペンに出てきたカンボジア人の若者はまずお寺に行きます。大きなお寺には地方からの若者を受け入れる住宅があり、最初はそこから都市生活がスタートするのです。
しかし、外国人は地方出身者用の住宅に泊まれないので、どうしても住まい探しをしなくてはなりません。
カンボジアの住居1. ビラ(一戸建て)
1階がコンクリートと煉瓦製、2階が木造という内戦前に建てられたものから、5部屋以上あるような立派なものまであります。敷地も広いことから家賃は月1,000ドル(約112,000円)以上が普通です。
古いものは内戦前にフランス人や富裕層が住んでいたそうですが、綺麗に手直しされているので立派に見えます。
改造してシェアハウスなっていたり、会社の事務所として使われていたり、中にはカフェになっているものもあります。
不審者が入ると困るので、防犯上警備員が雇われていることもあります。
カンボジアの住居2. フラット
長屋のように連なった建物。高さは中2階を含む4層くらい、幅5m・奥行10~15mが1軒の標準で、中には50軒も連なっているものがあります。
プノンペン市内中心部だと月600ドル(約67,200円)くらいから、郊外なら月200ドル(約22,400円)くらいから借りられます。
大家族向きの間取り
1階は車庫にもなる広間とキッチン、上には広間を望む中2階があり、2階、3階と続くのが一般的です。
キッチンやリビング以外に5室くらいあり、ほとんどの場合、各部屋にトイレとシャワーがあるので大家族向きです。
大通り沿いには外から見ると7階建くらいに見えるものもあり、違法建築で建て増しされたものもあるそうです。古い規格の建物なので、もちろんエレベーターはありません。体力に自信のない方には厳しいでしょう。
フロア単位での賃貸もあるけれど…
長屋であるこのフラットに外から階段を作り、各階を住居として貸している場合があります。ワンフロア月250~300ドル(約28,000~33,600円)が相場です。
ただし、この規格の建物は新築でもエレベーターはありません。また、階段が急で狭いため、家具が入らないなんてこともよくあります。鉄の外階段はいいのですが、建物に造り付けのコンクリートの階段は段差がまばらだったり、最後の一段が広かったり狭かったりするので注意が必要です。
さらに、ガードマンはいないので、大家さんが厳重に鍵を付けています。部屋に着くまでに4個くらいの鍵があるのは当たり前、1階に大家さんがいる場合は黙って深夜に帰宅すると締め出されるなんてこともあります。
社員寮として借り上げ
ほかにも、会社でフラットを1棟借りて社員寮にしていることがあります。下を事務所にして上階に住むというのはよくある例です。
カンボジアの住居3. サービスアパート
いわゆる普通のアパートで、建物の入り口にガードマンがいるタイプです。
設計上の基本構造は上述のフラットと一緒ですが、横に連なっていないので日本のアパートに近いイメージです。とはいえ、コンクリートとレンガで造られているため、デザイン的には日本人から見ると違和感はあります。
間取りと家賃
小さな部屋でもリビングが16畳程度、ほかにトイレとシャワールーム、小さなキッチンが付いています。全体にキッチンが小さいのは外食が多いからでしょうね。
郊外の安いものでは月200ドル(約22,400円)以下からありますが、高層アパートは1,000ドル(約112,000円)超えもあります。プノンペン市内中心部では300ドル(約33,600円)から700ドル(約78,400円)くらいの部屋がたくさん見つかります。
今、プノンペンは建設ラッシュ、不動産バブルとも言われ、どこも建設工事が多いです。アパートを探すときには、隣で工事が行われていないかを確認することも大切です。
近頃は日系企業でもビルを建設したり、ビル管理を行ったりしているので、借りる前に周囲の人に意見を聞いてみましょう。
カンボジアの住居4. ローカルアパート各種
これらのほかに、4×5mくらいの面積にトイレとシャワーとキッチンが含まれるコンパクトなアパートなどは月100ドル(約11,200円)前後でたくさんあります。
プノンペン郊外の工場周辺には、さらに小さな部屋に4人くらいの若者が住んでいることも珍しくはありません。
残業しても給料が月200ドル(約22,400円)以下なので生活は大変です。それでも、田舎から出てきた若者は両親に仕送りしています。日本の昭和30年代後半から40年代の「集団就職」を彷彿させます。
カンボジアの住居5. ホテル
外国人がカンボジアでホテルに住むというのは珍しくありません。
安いホテルは1泊20ドル(約2,240円)以下でも見つかるので、部屋を借りるより手間がかからず、長期出張や駐在の方でもホテル住まいをしている人がいます。
料理が苦手という方はいずれにしても外食になるので、掃除や洗濯もしてくれるホテルは快適なのでしょう。もちろんセキュリティーもしっかりしているので、選択肢として十分あり得ます。
ホテル内にオフィスがあることも
中には、ホテルが一部を事務所用に貸し出していることもあり、ホテルに住んで一切外に出ないという方もいます。ビジネスビルを借りて管理するよりも安上がりだという話を聞いたことがあります。
大きなホテルではこうした「オフィス」がよくあり、1階の一部だったり、地下だったり、別館だったりに、旅行代理店、物販会社など様々な業種が入っています。
カンボジアの人々が住む家とは
先に、アパートの小さな部屋で若者たちが共同生活していることを紹介しましたが、プノンペン市内には日本の昭和30年代を思わせる平屋の長屋もあります。スラム街とはちょっと雰囲気が違いますが、狭い土地に窓から光も入らないような家が点在しています。
建物でありさえすれば何でもよいかのように、その壁から屋根だけ付けたようなバラック小屋もあります。木造でもレンガでもなんでも。
そうした「家」には、バイクタクシーのドライバーなどの家族が肩を寄せ合うようにして住んでいて、子供たちは共同生活で育っています。
まとめ~どれを選んでも泥棒除けの鉄格子が付いてくる
このほかシェアハウスも人気がありますが、どの建物にも共通しているのは、ホテルや近代的なビル以外はほとんど全ての窓の内側に鉄格子があることです。
防犯上必要なのでしょうが、火事になると逃げ場がなくなります。日本人にはちょっと怖い感じがします。
ただし、基本的にコンクリートとレンガで造られているので、階下の火事でも延焼はないようです。
私も最初は驚きましたが、すぐに慣れました。窓から泥棒が入ることを思えば、これでいいのかもしれません。カンボジアの窓の鍵は簡単に壊れるので。
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