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イタリア・アマルフィ海岸のアグリツーリズモで働く。田舎と都市部との違いとは

  • 公開日:
アマルフィ

2009年に公開された映画「アマルフィ 女神の報酬」で、日本で一躍有名になった南イタリアのアマルフィ。中世にはイタリアの四大海運都市国家としてピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアと共に強盛を誇った海洋国家のひとつです。

現在では欧米からの人気も高い、落ち着いた南イタリアのリゾート地になっています。

今回は、私がイタリア・アマルフィ海岸のアグリツーリズモで偶然働くことになった仕事をご紹介します。

アマルフィ海岸とは

アマルフィ海岸

ナポリから突き出しているソレント半島の南側、ソレントからサレルノまでの海岸がアマルフィ海岸と呼ばれています。海岸線に沿って小さな街が点在していて、街によってそれぞれの特徴が違うのがアマルフィ海岸の魅力です。

夏の観光シーズンにはたくさんの観光客が訪れますが、この地域の問題はどの街へも交通の便がとても悪いことです。

ナポリ、サレルノまではイタリア鉄道が通っていますし、ナポリからソレントまではソレント半島の北側を走るヴェスヴィオ周遊鉄道があります。

けれどもソレントからサレルノの、アマルフィ海岸に点在する街々の移動はバスが主な交通手段になります。海岸線に沿って蛇行する道を走るので地図上の距離が近くても移動時間がかかります。

そしてシーズン中は道が渋滞・シーズンオフはバスの本数が少ない、などとにかく移動が難しいのが問題点です。けれども同時に、移動が難しいからこそ街が昔のまま保存され歴史が保たれているのもアマルフィ海岸の魅力でもあります。

アマルフィと近隣の街の魅力

アマルフィ

アマルフィ

アマルフィ自体の人口は5200人。知名度の割にとても小さな街です。港から断崖の上へ上へと街が形成され、入り組んだ細い路地が街中に広がっています。

中心の広場にはアラブ=シチリア様式の有名なアマルフィ大聖堂があり、特産品のリモンチェッロなどが並べられたお土産物屋さんがあります。

サレルノ

アマルフィ海岸の観光拠点になる街で、ナポリからイタリア鉄道で所要時間約40分です。中世から続く有名なサレルノ医学大学がある、落ち着いた街です。

終着点のソレントまで観光をする予定がなければ、アマルフィの街へはサレルノから移動した方が便利です。

ヴィエトリ・スル・マーレ

サレルノからバスで15分ほどの小さな街で、マヨルカ焼きの一大産地です。目抜き通りに色とりどりの陶器が飾られていて、華やかな雰囲気があります。陶器も海や貝殻、レモンなど南イタリアらしいモチーフがいっぱいで、お土産に最適です。

ポジターノ

アマルフィと並ぶ観光都市で、アマルフィで1番の高級リゾート地です。地元の人に聞くと、アマルフィより観光、買い物、見どころ共にポジターノの方が上、という意見が多かったほどイタリア人に人気の街です。

崖にへばりつくように街が形成されていて、海に続く下り階段に沿うようにお土産物屋さんやレストランが軒を連ねています。手作りの華やかな色のリゾート用の服、サンダルの店などが多く人気です。

チェターラ

サレルノとアマルフィの間にある漁業の街です。観光の街としてはあまり有名ではありませんが、カタクチイワシ(アンチョビ)の内臓を発酵させて加工した魚醤の一種、コラトゥーラ(・ディ・アリーチ)を生産する街として有名です。

ここに来たら、ぜひこのコラトゥーラを使ったパスタなどの料理を出すレストランに立ち寄ってみましょう。

ラヴェッロ

他のアマルフィの街と違い、崖の上にある街です。海水浴場がないせいか他の街に比べて落ち着いた雰囲気で、崖に張り出すようにして作られた二つの有名な展望台「ヴィッラ・ルーフォロ」と「ヴィッラ・チンブローネ」からアマルフィ海岸が一望できます。

ソレント

アマルフィ海岸観光拠点の街で、ここからヴェスヴィオ周遊鉄道に乗ってヴェスヴィオ山やポンペイ遺跡へも行けます。フェリーでカプリなど近隣の島々へも行くことができます。お土産屋さんやレストラン、ホテル、カフェも多く、海水浴ができるビーチもあります。

アグリツーリズモとは

農業

日本では一般にグリーンツーリズムと呼ばれ、農村や農家で休暇を過ごすことを指します。

イタリア語のアグリツーリズモ の意味はAgri=農業の、turismo=観光という意味です。田舎から都市への人口流出が盛んになった1960年代頃からイタリア国内でこの概念が広がり、田舎の自然環境を保持することと、最低限の人口を守る目的で制度が作られました

アグリツーリズモと名乗る為には、自家製品や農業生産物を供給したり、そのテリトリーの価値を高める為のアクティビティを行う宿泊施設であることなどが決められています。

アグリツーリズモで働くまでの経緯

ぶどう

イタリアに留学しようと計画しはじめた頃、テレビでたまたまアマルフィ海岸の特集をしていました。まだ日本でアマルフィの名前も聞いたことがないような頃でした。

海岸と街のあまりの美しさに、当初留学先をアマルフィ海岸の拠点の街、サレルノにしようと決め調査しました。

けれどもサレルノはやはり小さな街、望むような語学学校がなかったことで留学先をローマに変え、アマルフィは留学中にでも短期滞在しようと考えました。

そしてローマに留学してから、夏休みを利用してアマルフィに友人と旅行へ行きました。友人たちとソレントへ数泊した後、一人でアマルフィへ向かいました。

実はこの時点で無計画で、事前に調べてみたもののあまり情報もなく、食関係のことをどこかで見たり習ったりできる機会があればいいくらいに考えていました。

アマルフィに夕方に着くと、8月でどこのホテルもいっぱいでした。アマルフィの近くの街にあるユースホステルにやっとベッドひとつ分の空きがあり、バスで向かいました。

ユースホステルがあった街はアジェーロラという、アマルフィの北西の標高が高い山腹に位置する街にありました。

朝になってユースホステルを出て、アマルフィへ降りようとバス停を探してうろうろしていると、数人の老人がこちらをチラチラ見ながら話しかけて来ました。

小さい街だったので、日本人が珍しかったようで何をしに来たのか、など世間話をしました。せっかくなので、この辺で料理を習えるところはないか聞いてみました。

これはイタリアに住んで後からわかったことですが、イタリアの、特に南部の田舎の方では趣味の習い事をするという習慣があまりないようです

なのでその時の私の質問もよく理解されなかったようで、どうやら見習いとして厨房で働く仕事先を探していると理解されたようでした。そこで側にあるレストランを紹介すると言って、1人の老人がその場所まで連れていってくれました。

そのレストランに着くと若いシェフの方が対応してくれ、スタッフは今間に合っているので近くにあるアグリツーリズモを紹介してくれる、ということになりました。

アグリツーリズモに着くと、2人のオーナーの男性、2人の女性と手伝いの男の子がいて、忙しいので今すぐ手伝って欲しいと言われあっという間に働くことになってしまいました。

アマルフィ海岸での仕事の探し方

みかん

私の場合は偶然で仕事をすることになってしまいましたが、実際南イタリアの、特にアマルフィ海岸などの小さい街ではほとんど家族・親戚・知り合い同士で雇用が完結することがほとんどのようです。

趣味の習い事をする習慣もほとんどないようなので、なかなかそういう場を見つけるのも難しそうです。特にイタリアの田舎はそういう傾向が強いです。

ただ南イタリアの人はコミュニケーションをとるのが好きで、移動中のバスでも街でもとにかく話しかけられることが多いです。なので今回のように私のように小さい街で、そこにしかないような料理を習いたい、見てみたい、という方はその場所へ行って情報収集するのが一番早いように思います。

特にアマルフィ海岸は冬は営業していない観光施設が多く、夏に観光客が押し寄せるので夏場を狙って行くと求人も人も多く、さまざまな機会に恵まれることも多いと思います。

直接その場所に行くことが難しくても、イタリア人の友人などに、親戚や友人が自分が行きたい場所にいれば紹介してもらったりすると話がまとまりやすいです。

仕事でも何でも、とにかく「人に聞いて」「紹介してもらう」ことがイタリア、特にイタリアの田舎では1番早く確実な方法です。

アグリツーリズモで働く

パスタ作り

急に働くことになったアグリツーリズモは、街の外れの山の上にありました。入り口を入るとレストランがあり、横に厨房と畑があります。そして4部屋くらいの家族用の宿泊施設がレストランの裏側にありました。

アグリツーリスモと名乗るには、その場所で収穫された野菜を使用しなければならなかったり、色々な規制があり大変だとオーナーの人が話してくれました。

私のアグリツーリズモ滞在中は、余っていた一部屋を貸してもらいそこに寝泊まりしました

スタッフの2人いた女の人のうちの1人が厨房を仕切っているようでした。彼女はもともとは近所に住む主婦でしたが、料理の腕を買われてオーナー2人の男性からスカウトされたそうです。

このシェフの女の人がとても働き者で、朝は7時前から朝食の準備、夜は11時近くまで仕事をしていました。

いくら昼に休憩があるといってもさすがに長時間労働でしたが、夏季のおよそ6ヶ月間しか営業しないのでこのような労働形態になってしまうそうです。

しかもこの女性は昼食後の午後の休憩時間も、家に帰り3人の娘と夫の為に夕食の準備をしたりして常に働いていました。私もよく午後家に招かれたのですが、娘たちと夫、さらに長女の子供たちの面倒までみながら私にもコーヒーやらお菓子をふるまってくれ、その働きぶりに感服してしまいました。

最初は「なぜこんなところに日本人の女の子が急に仕事をしに来たんだろう」と不思議がられましたが、事情を話してその女性に料理の勉強がしたいと頼み、仕事中に色々教わることができました。

調理補助として働きながら、彼女から南イタリアの料理、アマルフィ独特のレシピをたくさん貰うことができました。語学留学中の夏休みという短期間でしたが、勉強になりました。

まとめ

パスタ

偶然にもイタリアのアグリツーリズモで働く経験をしましたが、振り返ってみるとイタリアの都市で働くことと大きく違いました。

まるでホームステイをしているようなアットホームな感じで、ひとつの家族のように親密な関係を築きながら働くことができました

畑で栽培された食材をすぐに使う、洗練されていない料理は日本で出会うイタリア料理とは全く違うレシピばかりで、料理人を目指す方にとってはとても面白い経験になるのではないかと思います。

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投稿者プロフィール

2004年よりイタリア・フランス在住。
イタリアソムリエ協会認定ソムリエ。パティシエール。
ローマ・フィレンツェ・パリ・ボルドーに在住経験あり。
お菓子レシピサイトChicca Foodを運営しています。

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