アメリカの入国審査は、日々難しくなっていると言われています。到着する空港によって質問される文言が異なったり、少しでも不審な点があると別室に連れて行かれるリスクがあるなど、慣れない人にはかなりのプレッシャーです。
私は以前、英語の理解力不足が原因で別室行きになったことがあります。そこで今回は私の経験を交えて、皆さんが安全に、そしてスムーズにアメリカへの入国審査ができるようお手伝いします。
アメリカでの入国審査(私の失敗)
16歳、初海外での苦い思い出
16歳の冬、初めての海外&アメリカ留学に胸を高鳴らせながら、シアトル空港に降り立ちました。
頭の中は「ホスト・ファミリーはどんな人かな?」とか「学校で友達はできるかな?」なんてのんきな考えでいっぱい、目先に控えた入国審査なんて頭の中にはこれっぽっちもありませんでした。
入国審査で別室に連行される
しかしいざ入国審査を受けてみると、まず審査官が何を言っているのかがわからない!
「まあ大丈夫だろう!」なんてたかをくくっていた私はドコへやら、青ざめて「もっと練習しとけばよかった……」なんて言っている頃にはすでに別室に連れて行かれたあとでした。
その後、30分にわたる取り調べを経てやっと解放、私のアメリカ留学生活はこうして衝撃のスタートを切ったのでした……。
アメリカの入国審査前に機内で準備しておくべきこと
対策の鍵は機内にあり
入国審査をスムーズに通過するための手立ては、機内にいるうちから始まっています。入国する上でまず重要になるのは、提出する書類に不備がないこと。
審査で見せる基本的な書類は、パスポートと税関申告書、行程表、帰りの航空券の4つ。
準備万端整えてまとめる
パスポート・カバーをつけている場合は、あらかじめ外しておきましょう。たまにカバーをつけているだけで怒られてしまいます。
機内でもらう税関申告書は通常税関でチェックされるものですが、最近は審査場でもチェックされる場合があります。もちろん、虚偽の申告をした場合は強制送還などの処置がとられることがありますので、正直に書きましょう。
私の場合、機内で必要な書類をすべてジッパー付きの袋に入れ、いつでも出せるようにしています。
APCを有効活用
混雑を避けられるスマート審査、APCとは
APCという機械をご存じでしょうか?APCとは、「Automated Passport Control」の略で、つまりは自動入国審査機ということです。
残念ながら、アメリカに初めて渡航する方やビザで入国する方はこの機械を使って審査を受けることはできません。
登録方法
ちなみに初回の登録方法ですが、窓口係員の指示に従いパスポートの顔写真ページを読み取り機に置き、画面に表示された情報に間違いがないか確認します。
次は顔写真の撮影、マスクや眼鏡を取って撮影します。「指紋の採取」と言われたら、指示通りの順番でスクリーンに指を押し当てます。
ここは空港によってまちまちで、ロサンゼルスのように初渡航であってもAPCで登録できる空港もあります。
日本語案内で安心できる
2回目以降の渡航でESTAを使って入国する方は必見。イメージがわかない方は、駅にある券売機を想像してみてください。
この機械は通常口頭で受けなければならない審査を「日本語で」受けることができるうえ、指紋採取や写真撮影などの戸惑いやすい項目も「自分のペースで」受けることができます。
あとは発券された紙を審査官に見せるだけなので、安心して入国審査を受けることができます。
アメリカの入国審査
それではいよいよ審査に入ります。ここでは、あらかじめAPCによる審査を受けた場合とそうでない場合に分けてお話しします。
APCによる審査を受けた場合(=ESTAを取得&2回目以降の渡航の場合)
APCから発券された紙をよく確認してみましょう。「×」または「Failed(不合格)」の文字がなければ大丈夫、審査官のいるレーンに進み最終審査を受けます。
最終審査では、渡航目的程度のことしか尋ねられないので安心してください。うまくいけばすべて合わせても5分程度で終了します。
APCによる審査を受けなかった場合(ビザでの入国や初回渡航の場合)
指紋や顔写真などのデータは審査官によってとられます。詳しい内容は次の項目で。
アメリカの入国審査の内容
入国審査の手順
アメリカの入国審査での手順を確認していきましょう。
- May I see your passport?と聞かれたら、IDページを開いて渡します。
- Please look at the camera.と言われたら、マスクや眼鏡を外してカメラの方に顔を向けます。
- Press your thumb/four fingers on your left/right hand.と言われたら、左右それぞれ親指とその他の指をスクリーンに押しつけます。
- What is the purpose of your stay?と聞かれたら、Sightseeing(観光)やBusiness(ビジネス)と答えます。
通常はこれで終了ですが、審査官によってはいろいろと聞いてくる場合もあるので、次の項目で確認していきましょう。
アメリカの入国審査でされる質問
滞在期間や滞在場所
怖くはありません。落ち着いてハッキリと!
- How long will you be staying?(滞在期間は?) ーFor 3 days.など
- Have you found somewhere to stay?(どこに滞在するの?) ーAt Grandma’s.など
この2つは、実際に行程表などを見せながら答えた方がトラブルになりにくいです。
そのほかのありがちな質問
- What’s your job?(お仕事は?) ーStudent.など
- Do you have a return ticket?(帰りの航空券は?) ー普通は持っていませんよね。なので予約時の領収書を印刷したものなど、「予約はしてあるよ!」という意思を伝えるのが大事です。
質問されたこと以外にもベラベラとしゃべる方がいますが、かえって不審なのでやめましょう。
アメリカの入国審査でもしも別室に連れていかれたら
別室では何をするの?
別室行き……と言ってもこわばる必要はありません。私は行程表や領収書など、自分がアメリカ国内ですることを「証明」する書類を用意して挑んでいます。この部屋では、いかなる場合でもスマホなどの電子機器は取り出してはいけません。
聞かれることは通常の審査と一緒で、先に上げた質問に対し丁寧に、かつハッキリと目を見て答えるだけです。
FacebookやTwitterなどのSNSアカウントを持っている場合、審査官に開示されることがありますのでセンシティブな投稿は控えておきましょう。
審査で有効な書類
- 行程表
- 残高証明
- 航空券やホテルなどの領収書
- (現地に知人がいる場合)連絡先
- 海外での保険証明
- (8歳未満の場合)渡航同意書
入国審査がスムーズ!私のおすすめ空港
最後に私が審査を受けてみてスムーズだな、と思った空港を挙げていきますので参考程度にお読みください。
ポートランド国際空港(オレゴン州)
デルタ航空が成田から直行便を飛ばしています。空港の構造も単純で、充実した国内線への乗り継ぎがとても楽です。
ミネアポリス国際空港(ミネソタ州)
同じくデルタによる成田からの直行便があります。シカゴやニューヨークなどに行かれる際は、ここでいったん審査を受けてから乗り継ぐのがおすすめです。
サンノゼ国際空港(カリフォルニア州)
ANAが成田から直行便を飛ばしています。空港がよくまとまっていて、サンフランシスコに近いながらも人が少ない穴場的な空港です。
入国審査でトラブルを避ける4つのポイント
誰だってトラブル沙汰になるのはイヤなもの。でもやっぱりハードルが高そう……なんて思っているあなた!次に挙げる4つのことを守れば大丈夫ですよ!
- 機内にいるうちから書類を準備しておこう!
- 可能であればAPC(自動入国審査機)を使おう!
- 質問にはハキハキ答える、余計なことはしゃべらない!
- 上に上げた3つの空港を使おう!
これが私が何度も審査を受けたり、入国審査官に直接尋ねてわかったポイントです。これさえ守れば、ビックリするくらいスムーズに入国できますし、トラブルなんてもってのほかです。
私のような「別室行き人間」にならないためにも、このポイントはぜひ押さえておいてくださいね。
まとめ
実際のところ、入国審査なんてきちんと準備できればなにも怖くないんです。かといってちょっとでも気を抜いていると恐ろしい思いをすることに……。せっかくのアメリカ渡航も台なしになってしまいます。
でもそんな心配はご無用、渡航前に一度でもこの記事を読んだあなたは、必ず入国審査を突破できます。この記事が少しでもあなたの不安や悩みを解消するお手伝いになったのならば幸いです。Enjoy Your Trip!
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