イタリア北部に位置するミラノは、首都ローマに続く第二の大都市。ミラノ・コレクションで知られ、パリやロンドン、ニューヨーク、東京などに並ぶファッションの街というイメージが常につきまといます。
他の都市出身のイタリア人に「ミラノってどう?」と尋ねると、
「ビジネスの街だよ」
「物価が高い」
「ミラノの人は勤勉だけど真面目すぎる。性格も冷たい。いつもせかせかしている」
という答えが返ってきます。
ミラノはいったいどんな街なのでしょうか。「訪れてみる」「住んでみる」価値があるミラノの5つの魅力を紹介します。
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ミラノの魅力1. ヒューマンスケールな街=歩いて回れる
教会や大聖堂が街の中心
一般的にヨーロッパの街の中心は、その街の守護神を祀った教会や大聖堂です。イタリアはその典型と言えます。
鉄道が発達する前から街の中心が作られていたので、日本のように鉄道の駅を中心に栄えているところは大変少ないのです。
ミラノもその例に漏れず、紀元4世紀から街の守護聖人アンブロージョを祀ってきたサンタンブロージョ教会の周辺が発展し、その後は14世紀から500年以上の年月をかけて造られミラノのシンボルとなったドゥオーモ(大聖堂)を中心として栄えてきました。
今もなお、このドゥオーモを拠点として発展、拡張を続けているミラノですが、一番の特徴は、パリやロンドン、ベルリンなどのヨーロッパの大都市に比べて街の規模がとても小さいことです。
乗り物を使わずに移動可能
ミラノでは、公共交通機関(地下鉄、バス、トラム)を使わなくてもほとんどの場所は歩いて回れます。
いつもせかせかしているミラネーゼ(ミラノに生まれ育ち、ずっと暮らしている人)たちは、バスやトラムの待ち時間が長いと知るとすぐに歩きだします。通勤ラッシュの時間には、背筋を伸ばして颯爽と歩くミラネーゼでいっぱいです。
イタリアではよくある交通機関のストライキに遭遇しても、また地下鉄やトラムの終電を逃しても、歩いて移動できる街なのでさほど問題はありません。
天気がいい日や、歩くのはちょっとという場合には、ミラノ市が運営している貸し自転車で街を見て回るのもおすすめです。
ミラノの魅力2. 世界の最新トレンドが集まる
ファッションの祭典であるミラノ・コレクション、ファニチャー・デザインやインダストリアル・デザインの国際イベントであるサローネ・デル・モービレ、またオペラ界の重要な位置を占めるスカラ座など、ミラノはファッション、アート、デザイン、クラシック音楽界には欠かせない街です。
常に流行を感じられる
新しいギャラリーのオープンも頻繁で、いつもなんらかのイベントやコレクション、またパーティーなどの催し物が街のどこかであります。
最新トレンドのプレゼンテーションをする企業やメーカー、新しいものを探し求めるクライアントたち、そして、いつかその世界で名を成したいと思っているデザイナーやアーチスト、クリエイターたちで活気に満ちています。
ミラノは「今、世界で何が流行っているのか」を感じられる特別な街なのです。
新しいことが受け入れられる
昨年(2015年)に食をテーマとした国際博覧会が開かれたのもミラノで、食の分野でも常に新しいテイストを発信してきました。
ビジネスに関しても、イタリアで新しいことを試してみるにはミラノが最適だと言われています。
新しいことにとてもオープンなので、どの分野においてもクオリティーが高ければ受け入れてもらえる可能性が大きいためです。これは他のイタリアの都市にはなかなかない特徴です。
ミラノの魅力3. 食にオープン!多彩なレストランのバリエーション
イタリア料理以外は認めないイタリア人
イタリアは食に関してとても保守的な国です。大部分のイタリア人がイタリア料理、それも自分の住んでいる地方の郷土料理が世界一美味しいと思っている、と言っても過言ではありません。
そのため、イタリアは他のヨーロッパの国に比べてイタリア料理以外のレストランの数が少ないのが現状です。
でも、ミラノは違います。先に述べた「新しいものを試してみる」オープンな土地柄から、いろいろな国の料理のレストランが数多くあります。
あらゆる国の料理が味わえる
どの都市にでもあるチャイニーズレストランはもちろんですが、他にもフランス、スペイン、ドイツ、ギリシャ、ペルシャ(イラン)、ロシア、アメリカ、アルゼンチン、タイ、ベトナム、アフリカ、モンゴル、そして日本まで、世界各国の様々な料理を提供するレストランが至るところにあります。
もちろん、イタリア料理を出す各地の専門レストランもたくさんあるので、ミラノにいるだけでイタリア全土の伝統料理や名物料理が楽しめます。
どの店もクオリティーがとても高く、食に対するアプローチの仕方も様々なので、次々に試してみたくなります。
ミラノの魅力4. 日本の味が身近にある
数多い日本料理レストラン
長く海外に滞在していると、やっぱり日本の味が恋しくなりますよね。
イタリアはどこに行っても美味しいイタリアンにめぐり会える食の国ですが、先にご紹介したように他国の料理を挟むとしても、パスタ、ピザ、リゾットを食べ続けるのはちょっと苦痛になってしまいます。
そんなとき、訪れたいのが日本食のレストラン。近年の世界的な和食ブームに乗ってミラノの日本食レストランの数も多くなってきました。
伝統メニューから軽食まで
天ぷらといった伝統的な日本料理を食べさせてくれるレストランから、和とイタリアンのテイストを融合させたスタイリッシュなレストラン、また「おにぎり」「お好み焼き」「たこ焼き」といった軽食を楽しめるレストランも話題になっています。居酒屋も何軒かあります。
さらに、「ラーメン」もミラノでは大ブームです。日本のアニメや漫画でラーメンを食べているシーンを見たイタリア人が、
「あれは何なの?ぜひ、食べてみたい!」
と興味を持ち始め、和食レストランがメニューに取り入れだしました。
ラーメンマニアのイタリア人シェフが日本に修行に行った後、ミラノにラーメン専門のレストランをオープンさせた例もあります。
日本人にとってはうれしい反面、注意点も
日本から離れて生活している日本人にとって、日本の味が常に身近にあるというのはとても大切なことだと思います。
ミラノは、お箸を使えるイタリア人の割合がどのイタリアの都市よりも高い街。これからもますます新しい日本食レストランがオープンしていくことでしょう。
ただ、ミラノもそうですが、最近はヨーロッパの各地で中国人が多くの日本食レストランをオープンさせ、お手頃価格で食事ができることを謳ってお客さんを獲得している例がたくさんあります。
残念なことに、素材のクオリティーが低い店や、日本食そのものを知らないシェフが料理をしている店の数も多く、日本人としてはあまりおすすめできません。
ミラノの魅力5. 日本人と相性のいいミラネーゼ
冒頭でも述べましたが、ミラネーゼは、
- 勤勉
- 真面目
- 時間にうるさい
という印象を持たれることが非常に多いです。実は日本人の性格にとてもよく似ているのです。
社会的ルールはきっちり守る
例えば、どの地下鉄や鉄道のエスカレーターでも日本と同様、急いでいる人のため片側(ミラノの場合は左側です)を開け、右側は歩行しない人が列をつくります。
時々、エスカレーターの幅いっぱいに並んだり、左側で立ち止まったりして、後ろから「片側を空けろ」と注意されている人がいますが、 これは別の地方から来たイタリア人や日本人以外の外国人であることが多く、彼らがミラノの慣習を知らないためです。
約束の時間を厳守
基本的にイタリア人は時間に寛容ですが、ミラネーゼは他の都市のイタリア人とは少し違い、時間を厳守します。「○時に待ち合わせね」と約束したら、10分、15分の遅れはあるかもしれませんが、それ以上は皆無です。
また、日本人にとっては当たり前ですが、遅れてしまうことになればきちんと事前に連絡がきます。
もちろん、ミラノ以外の都市出身でも時間にきちんとしている人はいますが、そうでない人が多いのがイタリアの実情。その点、ミラネーゼとの交流はストレスなくとてもスムーズです。
個性があるから話題が尽きない
ミラネーゼのさらに別の側面に、自分の好きなこと、信条にしていることにこだわりを持っているということがあります。
それぞれがおすすめの食べ物、ファッション、映画、書籍、スポーツ、休日の過ごし方など、生活していく上で常にこだわりを持っていて、それを友人知人にお披露目するのが大好きなのです。
そのため彼らと一緒にいても話題に困ることはなく、楽しい時間を過ごせます。
慎重なミラネーゼは、初めはとっつきにくいかもしれません。でも、時間をかけながらお互いを知り交際を続けると信頼し合える関係が築け、一生の友達になることが多いです。
まとめ~知られざる魅力がいっぱい!
ミラノはローマやフィレンツェ、ヴェネチアに比べて観光スポットが少ないように思われがちですが、そんなことはありません。
今回は触れませんでしたが、ミラノには見ておきたい重要な歴史建造物や美術館、博物館もたくさんあり、まだまだ知られていない慣習や文化でいっぱいの素敵な街です。
ぜひ一度、ミラノにいらしてくださいね!
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