土地価格が高騰している香港。地価は世界でもトップクラスです。鉛筆のような細長いビルに、たくさんの洗濯物がはためく写真を見たことがありませんか?
香港では狭い土地にあふれるほどの人が住んでいます。そんな香港での生活を考えるとき、一番気になるのはどんなところに住めるのかですよね。
ここでは、私が住んでいた駐在員向けの香港のマンションをご紹介します。
香港で私が住んでいたのはホンハムのワンポアガーデン
ホンハム(紅磡)は香港の九龍半島側に位置する都市。ホンハム駅から中国・深センへMTR(地下鉄)1本で行けるので、中国方面へ仕事で行くことが多いビジネスマンに人気です。
ビクトリアハーバーを臨むプロムナードがあり、ロケーションは良好。外国人が多く住むきれいな街並からディープな香港を感じる下町まで、さまざまな側面を楽しめるエリアです。
そんなホンハムにあるワンポアガーデン(Whampoa Garden)というマンション群は、日本人が多く住む場所です。
ワンポアガーデンを選んだ理由
買い物が便利
日系スーパーAEONが徒歩3分の場所にあります。日本の食材はほぼここでそろえることができます。
また、ローカルスーパーのPARKnSHOP、wellcomへも徒歩5分。街市と呼ばれる市場も徒歩圏内と、買い物に非常に便利な立地です。
日本で馴染みのある店が多い
吉野家、元気寿司、ユニクロなど、日本で馴染み深い店が徒歩圏内にたくさんあります。
海外にいると日本の店が恋しくなりがち。こうした店が近くにあることで安心します。
交通の便がいい
MTRホンハム駅まで徒歩15分。2016年10月にはワンポア駅が自宅マンション前にでき、家を出てすぐにMTRに乗車可能になりました。
シティバス、ミニバスのターミナルまで徒歩3分。チムサーチョイ(尖沙咀)まではシティバスで15分。
さらに、フェリー乗り場までは徒歩10分。フェリーに乗って15分ほどで香港島側のノースポイント(北角)に出られます。
家賃が比較的安い
ワンポアガーデンは、他の駐在員向けのマンションと比べて家賃相場が安いです。
私の住んでいた部屋は月15,000HKD(約21万円)。香港で駐在員がよく住んでいるのは月20,000~40,000HKD(約28万~56万円)のマンションです。
ただ、ワンポアガーデンでも部屋によってはもっと高くなることもあります。
治安がいい
ワンポアガーデン周辺にはショッピングモールやスーパー、飲食店などの商業施設が多く、夜になっても人通りがたくさんあります。
犬の散歩を楽しむ夫婦や親子連れなど、のどかな雰囲気が漂っているため、明るい通りであれば夜12時くらいまで女性一人で安心して歩けます。体感では、東京に住んでいたときより安全でした。
香港・ホンハムのマンションの間取り
私が住んでいた部屋のタイプは2ベッドルーム、1バスルーム。日本でいうと2LDKの間取りです。
広さは469sqf(スクエアフィート)、約43平方メートル(1sqf=0.093平方メートル)。東京の2LDKの場合、50~60平方メートルが一般的なので、こちらは一部屋一部屋が狭く感じられます。
「このスペースに2部屋取らないで1LDKにすれば広々と使えるのに!」と思うところですが、そこには香港ならではの事情があります。
多人数で住むため個室が多い
不動産価格が高いので、一般人はなかなか独立した家を持てません。そこで、大家族でマンションに住むため、できるだけたくさんの個室を必要とします。
一方、お金持ちはアマさん(お手伝いさん)を雇って住まわせます。家人とバスルームを分けるために、バスルームが2つある間取りも多いです。
間取りは細かく、個室を多く、が香港流なんですね。
そんな住宅事情のため、日本の1ルームや1Kのような間取りは少ないです。しかし、最近では単身で駐在する人向けに、スタジオタイプ(1ルーム)のマンションやサービスアパートメントも増えています。
香港・ホンハムのマンションの設備
香港には、最初から家具がついているマンションがたくさんあります。私の部屋も、テレビ、冷蔵庫、エアコン、乾燥機、ソファ、ベッド、クローゼットがついていました(同じワンポアガーデンでも家具がついていない部屋もあります)。
そして、変わっているのが玄関の扉。普通のドアと鉄格子の扉の2重になっています。セキュリティのためでしょう。私も宅配物などは、鉄格子の扉は開けず格子ごしにやりとりをすることもありました。
香港・ホンハムのマンション付属の施設
マンションの施設として、テニスコートがついています。朝や夕方にはそのテニスコートでバドミントンをしている人を見かけます。
香港の駐在員向けのマンションにはプールやジムがついているものもありますが、残念ながらワンポアガーデンにはそれらはありませんでした。
香港・ホンハムのマンションに住んで困ったこと
ものが壊れやすい
香港のマンションは、日本のものよりも設備の造りがもろいです。私が住んでいた7か月の間でも、2つのトラブルがありました。
ひとつはテレビが壊れたこと。もうひとつは鉄格子の扉の鍵が壊れたことです。
湿気
香港は特に3~5月に湿度が高く、湿度90%を超える日もあります。壁だけでなく、衣類や革製品がカビだらけになってしまうことも。そのため、除湿器は必需品。フル稼働で除湿が必要です。
対策としては、外出時はエアコンをドライにしてかけたままにする、紙製品は湿気を吸ってカビやすいので不必要な段ボールや紙袋類は処分する、なども有効です。
香港に住むなら準備しておきたいもの
日本とは環境の異なる香港での生活。快適な毎日を送るために日本から持って行きたいものをご紹介します。
加湿器
上述のように、湿気の多い香港では加湿器が欠かせません。
変圧器
日本製の加湿器を使用するなら変圧器も必要です。
カビ対策グッズ
除湿だけなく、カビ対策も入念に。
除菌グッズ
日本ほど清潔ではない環境でも、手軽に除菌できて便利です。
香港での賃貸マンションの探し方
駐在員の場合は会社が部屋を用意してくれることもありますが、自分で探すなら
- 友人や知人から借りる
- 賃貸仲介会社(日系または地元)を通す
という方法が考えられます。
知り合いから直接借りることができれば一番簡単ですが、クレームを言いにくいという難点があります。
また、日系仲介会社なら日本語でやりとりできて時間の節約にもなる一方、その分コストがかかります。英語か中国語ができるならローカルの仲介会社を利用すれば、コストは少なくて済みます。
契約に必要な書類
一般には、香港に居住する外国人が持っているIDカードのみです。ただし、仲介会社や大家さんによっては追加書類を求められる可能性もあります。
詳しくは以下の記事をどうぞ。
香港でマンションを借りる際の注意点
部屋は必ず確認する
香港のマンションは、ほとんど一部屋ごとにオーナーさんが違います。そのため、同じマンションでも部屋によって内装や設備がまったく異なります。
確認しないで契約すると、パンフレットのイメージ画像と全然違う!なんてことがざらにあるため、必ず契約前に部屋の中を確かめましょう。
オーナーさんの人柄を見る
上で述べたように、香港のマンションは設備が壊れることが多々あります。そんなとき、連絡後すぐに対応してくれるかどうかはオーナーさん次第。契約のときに人柄を見極める必要があります。
広さの表示に注意する
先に、部屋の間取りを紹介したところでも記しましたが、香港の部屋の広さの単位はsqf(スクエアフィート)。部屋の説明には、建築面積○○sqf、専有面積○○sqfというように書かれていることが多いです。
建築面積は建具等を含んだ部屋全体の広さ、専有面積は居住スペースの広さを示します。
たまに、建築とも専有とも記載がなく、○○sqfとだけ書かれている広告を見かけます。専有面積だと思っていたら実は建築面積だったなんてこともあるので、広さの表示が何を示しているのかを確認することをおすすめします。
まとめ~住んでみれば意外に快適
家賃が高く、面積の小さい香港の住宅。でも住んでみると、意外にとても快適です。必要な設備がコンパクトにまとまっている上、デザインは狭いスペースをいかに広く見せるか工夫されています。
それは、狭い土地にさまざまな名所がひしめき、洗練された都会から古き良き下町まで多彩な顔を見せる香港そのもののようです。ぜひ、香港でお気に入りの家を見つけて、香港ライフを充実させてくださいね。
※1HKD(香港ドル)=約14.09円
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
香港で働くには?香港で就職・転職したい日本人向けの仕事と求人の探し方
あわせて読みたい