イタリア人に「日本はすごく物価が高いんでしょう?」と聞かれることがあります。実はちょっと前まで「日本=物価が高い」というイメージがイタリア人にあったようです。
私も実際、ユーロ導入前のリラの時代に旅行した時に「イタリアは何でも安い!」と思ったのですが、ユーロになってから年々物価が上昇していることもあり、基本的な物の値段は日本とそんなに大きく変わらない印象です。
イタリアで働きながら二人暮らしをする私の例をもとに、1ヶ月の生活費のモデルプランをお見せしましょう。
※1ユーロ=約134円
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イタリアでの住居費:家賃や光熱水道費などの相場は?
地方なら家賃は安め
私は地方都市のしかも郊外に住んでいるため、支払っている家賃はかなり安めです。月350ユーロ(約46,900円)で2LDK(築15年未満)という物件に二人暮らしです。
私の住んでいる町の郊外では、月500ユーロ(約67,000円)も出せばかなり広く4人家族で住める物件も借りることができます。
大都市だと家賃はこの2、3倍になると思います。一人暮らしの物件は割高なので、シェアや郊外に住むことなどを考える必要があるでしょう。
なお、共益費はアパートのタイプによって金額に大きな開きがあります。
光熱費
2ヶ月毎の請求です。
電気代は二人暮らしで月40~45ユーロ(約5,360~6,030円)くらいです。
ガスは冬場、暖房に使用するので、11月頃から4月頃まで2ヶ月に1度、各180ユーロ(約24,120円)くらいの請求書が届きます。1ヶ月では80~90ユーロ(約10,720~12,060円)くらいです。暖房を使用しないシーズンは月35ユーロ(約4,560円)くらいまで下がります。
電気やガスをあまり使わない生活
我が家にはエアコンがないので、電気代に冷房費は入っていません。
エアコンは大分普及していますが、イタリア人には冷房が苦手な人や、冷房が体に悪いと本気で信じている人も多いため、賃貸物件には冷房がないケースがほとんどです。
日本の生活に比べて電気やガスの使用量が少ないと思います。
水道代
140~170ユーロ(約18,760~22,780円)の請求書が年に3回届きます。
毎日お風呂に入らない文化
イタリアでは、お風呂の回数もすごく少ないです。
イタリア人はシャワーを週に1~2回しか浴びないので、代わりに洗面台で軽く首筋や脇など汗をかく場所をさっと洗い、足やデリケート部分はビデを使用して洗います。
バスタブがあってもお湯を張って入る人は少なく、日本人に比べるとお風呂の頻度が驚異的に少ないのです。
夏場は深刻な水不足になることもしばしばなので、長い伝統的な生活の知恵で、必ずしも水道代節約のためだけにシャワーの回数が少ないというのでもなさそうです。
シャワーの頻度が高いと水道・ガス代がかかるため、シェア物件などでは注意されることもあります。
ゴミ処理代も
住居にかかわる税金として、年に1回ゴミ処理税の請求書が届きます。
世帯の人数と住居の面積で割り出された金額を請求されます。市によって値段が変わると思いますが、うちの場合は二人暮らしで年250ユーロ(約33,500円)です。
他に、RAI(国営放送)の視聴料の請求が年間100ユーロ(約13,400円)ほど各世帯にくるのですが、今年(2017年)の分については電気代に組み込まれているので個別に支払う必要はありません。
イタリアでの食費と日用品代:自炊で節約
食品と生活用品を合わせて月100~150ユーロ(約13,400~20,100円)くらいの出費になります。これには昼食代も含まれています。
飲食料品は安い
イタリアでは、消費税にあたる付加価値税(VAT)が22%と日本よりかなり高めですが、生活に最低限必要な品物の税率は4%に抑えられているため、食品は比較的安いです。
スーパーマーケットの特売を利用すると、食料品の価格は以下のようになります。
- 旬の野菜:1ユーロ(約134円)/1kg
- パスタ:0.6ユーロ(約80円)/500g
- トマト缶:1.5ユーロ(約201円)/400g×3
- 肉(豚肉、鶏肉、牛肉の安価な部位):7.8ユーロ(約1,045円)/1kg
- ミネラルウォーター:1.5ユーロ(約201円)/1.5L×6
日本人にとって大切な米も、1kg1ユーロ(約134円)台で購入することができます。
日用品の値段は日本とほぼ同じ
トイレットペーパーなどの紙製品は日本と大きく値段は変わらないと思います。洗濯用の洗剤は若干高めですが、うまく選べばそんなに値は張りません。
日本より高くつくな~というのが、洗濯機用の石灰除去材。これを使わないと洗濯機のステンレス部分に石灰が固まってしまい、故障の原因になります。洗剤と同じかちょっと高い値段です。
外食は高い
日本に比べて外食は割高です。ワンプレート料理でなくコースで食べるので、一人あたりの注文数がどうしても多くなってしまうのが高くなる理由です。
一般的な価格設定のレストランでセットメニューだと一人25ユーロ(約3,350円)くらいから、アラカルトで頼んでいくと一人35~60ユーロ(約4,690~8,040円)くらいになります。
地域差はあると思いますが、ピッツェリアではビール1杯、ピザ1枚で一人10~15ユーロ(約1,340~2,010円)くらいが相場ではないかと思います。
最近はストリートフードや中国人経営の日本食レストランなどが流行っていて、イタリア料理よりも安く食べられます。
イタリアでの交通費:車の維持費は日本より安め
私は自分の車で通勤しているのですが、以下のような費用がかかっています。1,200CCくらいの普通のガソリン車です。
- 車両税:年に90ユーロ(約12,060円)ほど
- 車検:2年に1回で65ユーロ(約8,710円)
- 保険:半年ごとに300ユーロ(約40,200円)ちょっと
- ガソリン代:8kmの通勤距離を1日2往復で月約60~80ユーロ(約8,040~10,720円)くらい
ガソリン代は日本より高めで、ユーロ高や原油高騰のときは日本の倍くらいの値段になることもあります。そのため、通勤費の節約になるディーゼル車やガス車もよく走っています。
郊外では車が不可欠
バスや地下鉄が網羅されている大きな町では公共交通機関を利用しての通勤が可能ですが、勤務地が郊外であったり、小さな町であまりバスの本数が多くなかったりすると車が必要になります。
バスの定期券は町ごとに価格が異なりますが、私の場合1ヶ月の定期代は約55ユーロ(約7,370円)です。公共交通機関を使った通勤の方が安くつきますが、時間のロスが大きすぎて実質バス通勤は不可能でした。
イタリアでの通信費:競争が激しく割引が多い
携帯電話
TIM、VODAFONE、Threeの3社のシェアが大きく、この3社間での客の取り合いが激化。キャリアを乗り換えた人に対して大幅な割引をしてくれます。
今、私が入っているTIMのプランは4週間ごとに10ユーロ(約1,340円)で、通話が100分、4G回線が3GB分使用できます。
ネット・固定電話
また、自宅でインターネットを使用するために契約しているADSLと固定電話は月29ユーロ(約3,886円)。
固定同士であれば通話料自体は無料ですが、ワンコールごとに多少お金がかかるのと、よく電話をかける相手が携帯電話であるという事情があって、携帯電話の通話で用を済ませています。
固定回線もキャリア間の競争が激しいので、キャリアを変更することで割引を受けられます。
なお、携帯電話・インターネットとも初期費用はそれぞれ別途かかります。
イタリアでは家電が買いやすい!シンプル機能で価格も手頃
毎月の生活費にかかわってくるものではありませんが、イタリアでは白物家電から情報機器まで、必要最低限の機能のみ備えたシンプルな製品の選択の幅が多いように感じます。
日本のように、痒いところに手が届くような機能というのはあまり求められていないようです。
大切なのは壊れない、見た目が良いということなので、基本的な機能さえあればそれで良いという合理的な考え方です。
有名メーカー品もリーズナブル
例えば、テレビは大きく立派であっても、録画機能やスマートテレビ機能を搭載していない低価格帯の製品があります。
洗濯機は丈夫と言われているドイツのボッシュ社のものが300ユーロ(約40,200円)台で購入可能、冷蔵庫も一人暮らし用の2ドアであれば有名メーカーの製品でも同じく300ユーロ台で見つかります。
また、ヨーロッパや日本のメーカーの製品の半額から3分の2位の値段で買えるトルコや中国のメーカーの電化製品も必ず置いてあります。価格を抑えようと思えば抑えられます。
故障のことが気になるようであれば、自分の住む町に修理サービスのあるメーカーの製品を買うと良いかもしれません。
イタリアで二人暮らしをする私の1ヶ月の生活費は?
給与に対して生活にかかわる費用はそんなに安いとは言えません。私の1ヶ月の大雑把な出費をまとめてみるとこんな感じです。
- 家賃・共益費:400ユーロ(約53,600円)
- 光熱水道費:100ユーロ(約13,400円)
- 食料品・日用品代:150ユーロ(約20,100円)
- 車の維持費(保険代・メンテナンスなどの積立):100ユーロ(約13,400円)
- ガソリン(通勤)代:80ユーロ(約10,720円)
- 通信費:50ユーロ(約6,700円)
- 趣味の出費(レジャー・交際費など):100ユーロ(約13,400円)
合計で約1,000ユーロ(約134,000円)はかかる計算です。
もちろん、これはあくまでも私のケースをもとにしているので、実際には住む都市や地域、生活スタイルなどによって必要な出費は変わってきます。
まとめ~お金をかけなくても楽しめる
節約の近道は、アパートのシェアをしたり、日々の食事を自炊にしたりすることです。また、趣味の出費などは抑えられると思うので、やりくりで貯金に回すことが可能です。
イタリア人は余暇の過ごし方が上手で、労働者が余暇を過ごすためのサークルがたくさんあり、地域のサークルやスポーツ・趣味のサークルなどがあります。
お金を使わずに仲間と楽しく過ごす方法をよく知っているので、交際費をかけなくても余暇を満喫できますよ。
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