アメリカで妊娠したらまずこうする!妊娠検査薬の購入から初回の産婦人科受診まで

妊娠検査薬 アメリカ生活・移住

アメリカでの妊娠・出産は日本とどのように違うのでしょうか。

国が異なれば医療システムも異なります。妊娠・出産についても、アメリカと日本では産婦人科の初診のタイミングをはじめ、出産スケジュールに大きな違いがあります。

私も在住するアメリカで妊娠しました。その体験をもとに、日本と比較しながらアメリカのリアルな妊娠情報をお届けします。

※1ドル=約109円

アメリカは妊娠検査薬の種類が豊富

妊娠検査薬

私は日本の薬局やドラッグストアで薬剤師として働いたことがあるのですが、妊娠検査薬や排卵日検査薬に関する質問を受けることも多々ありました。

日本の場合、妊娠検査薬の種類は多くても5種類程度で、次回の生理予定日の1週間後から判定できる製品がほとんど。種類が少ないので患者さんから質問を受けたときの答え方も簡単でした。

しかし、アメリカのドラッグストアでの状況は違います。大きな棚いっぱいにバラエティー豊かな妊娠検査薬(Pregnancy Test Kit)が陳列されていて、価格も検出感度もさまざまです。

種類が多すぎて、私も店員さんに質問したかったくらいです。

日本より早期に検査が可能

妊娠検査薬

アメリカには、日本で売られている早期検査が可能な製品よりもさらに早く検査できる製品が多くあります。なんと、排卵日の約7日後から測定可能な検査キットまで!

微量のホルモンの分泌でも判別が可能なので、日本で販売されている検査キットと比較すると検出感度の高い製品といえます。

値段は8〜30ドル(約870~3,270円)前後です。排卵検査薬とセットになっているものもあるので、パッケージをよく確認してから購入してくださいね。

アメリカに「里帰り出産」という概念はない

アメリカでは、妊娠・出産はあくまで夫婦のイベント。日本のように、妊婦が実家に帰省して実母に助けてもらいながら出産直前・直後を過ごす習慣はないのです。

そういった背景があるせいか、妊娠が分かった段階から旦那さんが積極的にサポートしてくれる傾向があります。

出産時の立ち会いはもちろん、毎回の定期健診やマタニティークラス(日本でいう母親学級)にもできるだけ夫婦で参加するのが定石のようです。

旦那さんとしては大変かもしれませんが、夫婦の絆が強まるので個人的にはとてもよい文化だと感じています。

アメリカでの妊娠初診はどんな感じ?

産婦人科

私の場合、初診時は基本的な書類記入と尿検査での妊娠判定のみ行いました。

初回診察は日本より遅い

妊娠検査薬で「陽性」が出るとすぐさま産婦人科に予約を入れて診察を受けたくなるのですが、アメリカでは妊娠10週前後にならないと初回の診察をしてくれません。医師によっては12週以降でないと診てくれないなんてことも……。

日本だと妊娠7週から診察するので、ここは大きな違いですよね。せっかく市販の妊娠検査薬で妊娠が早く分かっても、実際に産婦人科医に診察してもらえるのは日本よりずっと後になります。

ただし、人気の産婦人科医の予約は取りづらいこともあるので、妊娠が分かった時点で初診の予約はしておいた方がいいかもしれません。

看護師さんの服装が派手

看護師の服装

クリニックのスタッフはみなとにかくフレンドリー。看護士さんのスクラブも、派手なプリント柄のピンクや紫、オレンジなどカラフルです。白衣を着ている人は誰もいません。

病院にいるのに、なんだかこちらも楽しい気分になってきます。こういう習慣は、日本の医療現場でももっと取り入れていいのではないでしょうか。

事務の方々もとってもリラックスムードで働いている様子です。

初めての検診での質問はAre you happy?

妊娠時の検診

看護師さん達による一通りの確認が終わるとソファーのある居間のような個室に通され、担当の産婦人科医と初めて対面しました。診察というより「顔合わせ」といった印象です。

そこで先生にテンション高めに言われたのが、

We think you are pregnant!Are you happy?(妊娠していますね!嬉しいですか?)

でした。というか、それしか言われませんでした。

受診前から市販の検査キットで妊娠しているのは分かっていたので、もっと新しい情報を期待していたのですが、結局初診は妊娠して嬉しいかを問われただけで終わりました……。

妊婦以上にハイテンション

ハイタッチとまではいきませんが、先生のテンションが異常に高かったのが印象的です。

職業上、これまでに日本でさまざまな医師と一緒にお仕事をしてきましたが、これほど患者さんの前でフレンドリーかつハイテンションなドクターにかつて出会ったことはありません。

アメリカで妊娠すると巨大な粒のビタミン剤を服用

巨大なビタミン剤を処方

初診が終わると、その日からマルチビタミン剤の服用がスタートします。アメリカのほとんどの産婦人科医が妊婦用ビタミン剤の服用を推奨しています。1日1回、とてつもなく大きな錠剤を飲みます。

友人は、この錠剤のことをHorse Pills (馬用の薬のサイズのように特大で飲みにくい!という意味です) と呼んでいました。

ドラッグストアのOTC薬から好きな妊婦用ビタミン剤を自分で選ぶこともできますし、自分で選ぶのが不安という場合は医師に処方してもらい、薬局に処方箋を持っていきましょう。

加入している医療保険や、処方されたビタミン剤のブランドにもよりますが、私の場合は3ヶ月分(1日1回、1回1錠、90日分)で約12ドル(約1,300円)払っています

薬がなくなれば詰め替えてもらえる

妊娠期間中は継続してこのビタミン剤を服用します。

毎回処方し直してもらう必要はなく、Refill(詰め替え)ができます。薬がなくなる前に薬局に行って、追加の3ヶ月分をまたもらうことができるのです。

日本には薬のRefillのシステムがないので最初は戸惑うかもしれません。

薬が入っているピルケースに詳細が書いてあるので、ラベルを見てみてください。よくわからない場合は処方医や薬剤師に質問してみるといいですよ!親切に答えてくれるはずです。

アメリカの妊婦検診での超音波検査は最低限

アメリカでの超音波検査

初診のタイミングと同様、それ以降の検診スケジュールも日本とアメリカでは異なります。特に違うのは超音波検査の頻度です。

日本だと、毎月の健診で超音波検査を受けます。病院によって受診回数の違いがあるので回数にも幅がありますが、15回以上することも普通です。

一方、アメリカでは合計3回程度が一般的です(もちろん異常があれば何度でも検査するので回数は増えます)。医療保険のシステムの違いや、医療費がもともと非常に高額ということがあり、検査は最低限にするのがアメリカ式です。

エコー写真を通じて赤ちゃんの成長を見るのが楽しみな妊婦にとってアメリカ式はちょっと寂しい気もしますが、仕方がありません。

アメリカでの出産は通っているクリニックとは違う病院で

受診する病院によっても異なりますが、普段通うクリニックと実際にお産をする病院が違うことも多々あります。普段クリニックで診察してくれている産婦人科医が、お産の時は別の病院で処置してくれます。

通常の健診時には特別な設備や検査は必要ないので医師の個人クリニックで行い、設備が必要な場合のみ総合病院で対応するのです。

これはお産の時に限らず、先述した超音波検査や、妊婦が受ける耐糖能試験(下記参照)の際も、普段のクリニックではなく総合病院に行きます。

アメリカの医療は分業が進んでいて、医師はあくまで治療指針を立てて診断することに注力します。従って、超音波の検査も医師ではなく技師が行います。

  • 耐糖能試験(Glucose Tolerance Test):
    妊娠糖尿病をスクリーニングする検査。ブドウ糖負荷試験ともいいます。
    50gのブドウ糖を一気に飲み(私の場合はピンクの甘いトロピカルジュースを1本飲みました)、1時間後に採血して血糖値を測定します。
    日本は血糖値が高い場合のみ検査しますが、アメリカは妊婦全員がこの試験を受けなければなりません。

まとめ~情報を得ることで少しでも不安を解消

私の場合、ただでさえ初めての妊娠なのにアメリカでとなると、なんだか知らないことが山盛りに積み重なった感覚でした。

もし私と同じような方々がいるのであれば、この記事で不安が少しでも解消されれば嬉しいです。

出産育児に関してはまだまだ私も分からないことだらけですが、新しい経験をアメリカで楽しんでいきたいです。今後、マタニティークラスの内容や無痛分娩の実情などもご紹介できたらと思います。

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