日本の都市部でも近頃は珍しくなくなってきましたが、家賃の高いロンドンでは独身の社会人のほとんどがルームシェア、または現地での名称「フラットシェア」をしています。
会社が家賃を負担してくれる駐在員とは違い、私のような現地採用組はイギリス人同様に自らの懐を痛めつつ住まいを確保しなければなりません。
けれど、日本で長年一人暮らしをしてきた身としては他人と暮らすのは抵抗のあるもの。薄給でありながらも敢えてロンドンでの一人暮らしにこだわった私の部屋探しをご紹介します。
※1ポンド=約149円
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フラット1:学生・外国人・保証人なしの三重苦でも一人暮らし希望
自由のない2人部屋にうんざり
初めは半年間の語学留学のため渡英した私は、ひとまず学生寮に入りました。
二段ベッドのある2人部屋の家賃は月850ポンド(約12万6千円)と決して安くはなく、幸いルームメイトとは気が合いましたがプライベートゼロの空間に辟易し、2週間で退寮します。
気軽に単身用のフラットを見つけようと不動産会社を訪問しますが、家賃の高さと契約の難しさに撃沈。契約社会であるイギリスでは、賃貸契約は最低1年で中途退去不可、そして日本同様、仕事をしていない学生なら保証人は必須でした。
頼りになるのはお金だけ
それでもめげずに探した結果、6ヶ月契約可のスタジオと呼ばれる単身用のフラットを見つけます。
フラット1
- 家賃:月650ポンド(約9万7千円)水道光熱費込み
- 敷金:家賃2ヶ月分
- 地下鉄ゾーン2圏内
- 地下鉄駅徒歩5分
- 家具付き、ただし洗濯機なし
家賃は予算内でしたが、学生・外国人・イギリス国内に保証人なしという状況だったため、家賃は半年分を一括払い、さらに本来1ヶ月分のはずの敷金も2ヶ月分に増やされました。
けれど、現金払いを終えたらパスポートのコピーすら求められず、頼りになるのはお金だけと痛感したものです。
フラット2:イギリスで働く社会人として再び一人暮らし計画
安月給で借りられる部屋を探す
その後イギリスで就職し、フラットシェアも経験しましたが、やはり一人暮らしの夢を捨てきれず部屋探しをスタート。当時の年俸は300万円に満たない程度だったので、家賃も学生時代と変わらぬ予算で探しました。
そして見つけたのは学生時代と同じ家賃の物件。しかし、立地がよかった分、部屋の質は低下しました。
フラット2
- 家賃:月650ポンド(約9万6千円)水道光熱費込み
- 敷金:家賃2週間分
- 地下鉄ゾーン1圏内
- 地下鉄駅徒歩1分
- 家具付き、ただし洗濯機なし
契約は学生時代と比べるとずっとシンプルで、提出するものは雇用主と以前入居していた物件の家主からの紹介状のみでした。社会人のため保証人は不要でした。
住み心地に難あり
階下はファストフード店で、駅前の大通りに面していたため部屋を開けると油と埃のまざった空気が入り込み、夜も騒がしかったです。ただ、買い物等生活面では非常に便利でした。
ここには1年ほど住みましたが、リフォームをきっかけにネズミが入り込むようになり、また転職して収入も多少上がったので逃げるように退去しました。
フラット3 :快適になるもストレスが続く洗濯問題
フラット3
- 家賃:月680ポンド(約10万1000円)水道光熱費別
- 敷金:家賃1.5ヶ月分
- 地下鉄ゾーン2圏内
- Overground(鉄道)駅徒歩5分
- 家具付き、ただし洗濯機なし
こちらはクレジット会社の審査と給料明細のみ提出の簡単な契約でした。
閑静な住宅地にあり、地下鉄の駅は遠くなりましたがバスが通っていたため不便ではありませんでした。
部屋も以前より広くなり快適でしたが、イギリスで一人暮らしをしてからずっと悩まされてきた洗濯機のない生活にストレスを感じ続けることになります。
使いたいときに使えない洗濯機
建物内に無料で使える洗濯機と乾燥機があったのですが、騒音防止のため夜10時以降は使用禁止。個数も充分ではなかったので、住人同士で洗濯機の取り合いをするのが常でした。
結局、洗濯機のある生活をあきらめきれずに2年後、再度引っ越しを決意したのです。
フラット4:ついに見つけた洗濯機付きの完璧な部屋
フラット4
- 家賃:月890ポンド(約13万3000円)水道光熱費別
- 敷金:家賃1ヶ月分
- 地下鉄ゾーン2圏内
- Overground(鉄道)駅徒歩5分
- 家具付き、洗濯機あり
審査は不動産会社に給料明細と通帳のコピーを提出するのみで完了しました。
住めば住むほど気に入る部屋
内見してその場で決めたこのフラットは、半地下でしたが南向きで大きな窓が2つあったため明るく、納戸付きで広さも文句なしでした。
カップルでも入居可だったのでダブルベッドが設置され、ソファやダイニングテーブルといった、それまではスペースの関係上あきらめざるを得なかった家具も揃っています。
何より悲願の洗濯機付き!乾燥機はありませんでしたが、徒歩1分の距離にコインランドリーがありました。
この物件には帰国するまで2年以上住みましたが、住めば住むほど愛着がわき、退去するのが残念なほどでした。
ロンドンではそれでもフラットシェアが一般的
一人暮らしにこだわった私とは逆に、独身の友人や同僚たちはほとんどフラットシェアをしていました。ロンドンの家賃の高さを考慮すると、やはりそれが一番合理的な生活スタイルであることは事実です。
洗濯やお風呂に悩まされない
フラットシェアをしている知人の中には、私と同額かそれ以上の家賃を払っている人も多々いましたが、その分、洗濯問題に悩まされることもなく、単身用の小さなキッチンを理由に自炊から遠ざかることもありません。
また、日本人なら重要であるお風呂事情を考えると、バスタブのある2部屋以上の物件に住めるフラットシェアが理想かもしれません。私が住んだ単身用物件は全てシャワーしかありませんでした。
なお、学生が大きめの物件に大人数で住むのに対し、社会人は2〜3部屋の物件に少人数で住むのが一般的だったようです。
まとめ~自由気ままな生活にはコストがかかる
家に帰ったら誰にも邪魔されずにリラックスして自分の時間を楽しみたい。その強いこだわりのために一人暮らしを続けた私ですが、結果として給料の半分程度を家賃と水道光熱費の支払いに回さざるを得ず、交際費がなくなり家に引きこもる生活でした。
もともとインドア派なので苦にはなりませんでしたが、社交的な人ならやはりフラットシェアが一番賢い選択といえるかもしれませんね。
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