私が韓国で働き始めてまず感じたのは「休日の少なさ」です。日本では大体月に1回ぐらいの周期で祝祭日がありますが、韓国ではもっと間隔が長いです。
振替休日の制度ができたのも2017年なので、それまでは少ない祝祭日が土日にあたってしまったら運が悪い年だということであきらめるしかありませんでした。
社員20人の韓国の小さな貿易会社でオンラインショップの管理や通訳・翻訳をしていた時の経験をもとに、韓国の勤務時間と休暇事情を紹介します。
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韓国の勤務時間:9時~18時が基本
日本ではお役所仕事といったら午前9時から午後5時までですが、韓国では午前9時から午後6時です。お昼休み1時間を除いて実質8時間が勤務時間ということになります。
私の働いていた貿易会社でも、正社員は午前9時から午後6時までが基本的な勤務時間でした。
会社は少人数のアットホームな雰囲気だったので、上司の顔色をうかがうこともなく、午後6時になると仕事が終わった人からさっさと上がっていたようです。
私は時給での契約だったため、時間を超過して仕事をしていればその分きっちりと給料をもらっていました。けれども、正社員として働いている韓国人たちは、残業したとしても残業代は出ないと言っていました。
韓国ではお昼休みが重要
韓国では、昼食に限らず1日3度の食事の時間がとても大切に考えられています。
食堂などでも、従業員はまかないをお店の席で堂々と食べます。営業時間でお客さんがいても気にしません。
お客さんの方も、従業員が食事をする権利を尊重しているようで、ごゆっくりどうぞと声をかけたりします。用事があっても、従業員が食事をしていると、じゃあ後でまたということになります。
忙しくてもきちんと食事をする文化
私の働いていた貿易会社でも、お昼休みの1時間はきちんと保証されていました。社長がどんなに急ぎの用事があっても、お昼ごはん中ですと言えば、じゃあ食べ終わったらと引き下がってくれます。
忙しいからといってパソコンに向かったままパンをかじって昼食を済ますなどということは、周りが許してくれませんでした。
また、食事はみんなで一緒に食べるという考え方が強いのも韓国の特徴です。外に食べに行こうということになったら、みんなを誘って行きます。一人ぼっちで食事をするのはこれも周りが許しません。
韓国人の食事に対するこのような考え方は、とても温かく人間らしくて良いなと感じました。
韓国の休日:中小企業は週休1日が一般的
週休2日は新しい制度
韓国は基本的に1週間に1度、日曜日が休日です。ただし最近は、官公庁や大企業は土日休みの週休2日制になりました。
中小企業でも少しずつ週休2日制を採用するところが増えてきましたが、ほとんどが土曜日は午前中勤務、または隔週土曜日が午前中勤務などです。私が働いていた貿易会社も、土曜日は隔週で午前中勤務でした。
韓国の公立の学校は、2011年度までは隔週で土曜日は午前中に授業がありました。2012年度より完全な週休2日制になっています。
土曜日の外出は混雑なし
韓国では週末でも、土曜日の午前中であればあまり道は混みません。上述の通り、中小企業のほとんどの人が勤務しているためです。
子供たちも、学校が休みになっても、土曜日の午前中は何かしら習い事をしています。
韓国の祝祭日と振替休日
韓国では祝祭日のことを公休日(ゴンヒュイル)と呼びます。
アジアの国である韓国にもお正月やお盆の連休がありますが、旧暦に従うため毎年日にちが異なります。以下は2017年の韓国の公休日です。
韓国の公休日一覧
- 1月1日:新年
- 1月27日~29日:旧正月(ソルラル)。旧正月当日と前後1日が休み
- 1月30日:ソルラルの振替休日
- 3月1日:三一節(独立運動記念日)
- 5月3日:仏誕節
- 5月5日:こどもの日
- 6月6日:顕忠日(殉国兵士の日)
- 8月15日:光復節(独立記念日)
- 10月3日:開天節(建国記念日)
- 10月3日~5日:秋夕節(チュソク)。秋夕節当日と前後1日が休み
- 10月6日:チュソクの振替休日
- 10月9日:ハングルの日
- 12月25日:クリスマス
仏教の祝日とキリスト教の祝日が、それぞれ国の指定する公休日になっているのが特徴です。
なお、日本の植民地支配からの独立を記念する祝日が3月1日と8月15日にあります。この日は日本人としては少し肩身の狭い思いをしなければなりません。とはいえ、日本人だからと特に攻撃を受けることはありませんでした。
ただし、日本大使館前で行われるデモなどには近づかない方が良いでしょう。
まだ普及していない振替休日
振替休日は、代替休日(デチェヒュイル)と言います。冒頭でも述べたように、最近になってできた制度です。
公休日が土曜日または日曜日に重なった場合、その翌平日が代替休日になります。
ただ、代替休日については経済界や中小企業の経営者側から反対の意見が多く、現在は旧正月やお盆などの一部の祝祭日に対して官公庁でのみ試験的に適用されている状態です。
民間中小企業では難しい?
最初の振替休日の適用は2014年の秋夕節でした。秋夕節当日が日曜日だったため、連休最後に1日休日が振り替えられるというものでした。
数週間前に突然この決定がニュースになり、自分たちは振替休日がもらえるのかと会社で話題になったことを覚えています。
社長に確認すると、振替休日は官公庁だけに適用される制度だから休みではないと言われました。しかしその後、社員たちで押し切って休みにしてもらいました。
ただし、しぶしぶ休みをくれたという状態だったので、他の中小企業でもなかなか簡単には代替休日をもらえてはいないのではないかと思います。
民間企業への振替休日の普及にはまだまだ時間がかかりそうです。
韓国の有給休暇:中小企業では年3日のことも
大企業や官公庁では、通常土日休みに加えて15日以上の年次有給休暇があるようですが、私の働いていた貿易会社では、正社員の有休はなんと1年間でたったの3日でした。勤務年数が増えても3日のままでした。
3日の有休に誰も文句を言わず働いていたのを見ると、韓国の中小企業はどこも同じような状況なのかもしれません。
とはいえ、韓国人の正社員は他の社員と重ならないよう3日の範囲で自由に休暇を取っていました。
病欠などは社長判断で有休扱い
一方、病気や慶喜休暇はその都度、社長の裁量で有休として認められました。
私は働き始める前に、夏や冬に日本に1週間ほど帰国することや、子供の病気や学校の行事で休むことがあることを社長にしっかり伝え、時給の契約をしました。そのため、仕事に支障がない範囲で自由に休みをもらっていました。
韓国の労働基準法をチェック!法定の労働時間や有給休暇は?
最後になりますが、日本の労働基準法にあたる勤労基準法(クンロキジュンボプ)を確認しておきます。この法律では、労働時間や休暇について下記の様に定めています。
- 労働時間:1週間の労働時間は休憩時間を除いて40時間を超えることはできない。労働時間が4時間である場合には30分以上、8時間である場合には1時間以上の休憩時間を与えなければならない。
- 有給休暇:1週間に平均1日以上の有給休暇(日曜日などの法定休暇のこと)を与えなければならない。また、1年間に8割以上出勤した労働者に対しては15日以上の年次有給休暇を与えなければならない。
私の勤めていた貿易会社が有休を年3日しか付与しないのは韓国の労働基準法に違反しているのではないかと思いましたが、調べてみたところ、隔週の土曜日の休みが15日の年次有休の一部として計算されていたので、違法ではないようです。
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まとめ~条件の確認及び交渉はしっかりと
韓国は日本と同様、長時間労働が当たり前の社会です。日本以上に休日も少なく、夏休みに1週間家族で海外旅行に出かけるなどというのは、大企業に勤める人だけの話です。
韓国で働こうと考えているなら、勤務時間や休日についての条件は最初にしっかりと雇用者に確認することをおすすめします。納得がいかない場合には会社と交渉することもできます。
言いなりにならず、しっかりと主張することが大切ですよ。
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