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韓国で美容師になるには?ネイル、メイク、スキンケアの仕事をする方法も解説

美容道具

美容大国とも呼ばれている韓国。今や韓国で流行した美容法やファッションなどが日本でも話題になることが多い時代です。情報の移り変わりが多い韓国で美容系の仕事に就くと、最先端の美容情報をつかむことができます。

また、日本で美容系の技術職のスキルを持っている方が韓国のサロンで就職する場合、日本の繊細なサービスや技術力が喜ばれ、いきなり即戦力として現場に立つことも可能です。

日本で美容師、ネイル、まつ毛エクステンション、エステの仕事をしていた方や、韓国で美容系の仕事をしたい方のために、必要な資格についてご紹介します。

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目次

韓国で美容系の仕事をするためには国家資格が必要

ヘアカット

韓国で美容系の仕事をするためには、韓国語はもちろんですが、国家資格やビザを取得する必要があります。以前は、日本の美容師国家資格から韓国の美容師国家資格へなど一部書き換え可能な資格もありましたが、現在は不可となりました。

それでも少し前までは取り締まりが厳しくなく、韓国の国家資格を持たない日本人を雇う美容院やサロンも多くありました。しかし最近は、そのようなサロンの摘発がよくニュースになっています。

国家資格が必要な仕事

  • 美容師
  • 皮膚管理士
  • メイクアップアーティスト(まつげエクステンション)
  • ネイリスト

上記の仕事を韓国でするためには韓国の国家資格が必須となります。

国家資格の取得と聞くと時間とお金がかかりそうですが、韓国の国家資格はそこまでハードルの高いものではありません。

参考までに日本の美容師免許取得方法

まず日本の美容師の資格取得方法を見ていきましょう。

日本で美容師資格を取得する場合、通学だと2年(昼間部・夜間部あり)、通信制(入学時に美容室で働いていることが条件)だと3年間専門学校に通い、所定の過程を修了しはじめて国家試験の受験資格が得られます

国家試験の回数は半年ごとなので、年に2度試験が行われます。

専門学校の入学から卒業までのおおまかな学費は以下の通りになりますが、有名な学校になると教材費含め1,000万円以上かかることもあります。

  • 通学昼間部:約200万円
  • 通学夜間部:約150万円
  • 通信:70万円

韓国の美容師免許

ヘアカラー

では韓国の美容師免許について見ていきましょう。韓国では2016年から美容師が4種類に分類されました。

美容免許

  • 美容師(一般):ヘアデザイナー、日本の美容師と同じ
  • 美容師(皮膚):スキンケア、皮膚管理士になるための資格(医療器具・医薬品を利用しない皮膚の分析、脱毛、眉毛の手入れ)
  • 美容師(メイクアップ):メイクアップ、まつげエクステンションをするための資格
  • 美容師(ネイル):ネイリストになるための資格

美容師、皮膚管理士、メイクアップアーティスト、ネイルアーティストの仕事をするためには韓国の国家資格が必須となります。

それでは、韓国の美容系国家資格の取得方法、概要を紹介していきます。

※韓国では頻繁に法律が変わるので、あくまで2017年12月現在の情報としてご覧ください。

韓国で美容師になるための国家試験の概要と流れ

試験はほぼ毎週

一般(ヘアデザイナー)、皮膚(スキンケア)の試験は12月を除いてほぼ毎週行われています。メイクとネイルは年に4回定期試験が行われます。

そしてすべての美容師資格は筆記試験合格後に実技試験があり、筆記試験合格後2年以内に実技試験に合格しなければなりません。

受験資格

日本のように専門学校での勉強の必要はありません。特別な欠格事由がなければ、学歴、経歴に関係なく誰でも受験可能です。

外国人の場合、受験の時点で在住・就労ビザの必要はありません。しかし外国人登録証の番号が必要になるので、婚姻ビザがある方以外は、留学中やワーキングホリデー中に試験を受けるのがよいでしょう。

願書の出し方

願書受付サイト(http://www.q-net.or.kr/)にて筆記試験の約2週間前から願書受付が可能となります。試験会場の状況に応じて日程が急に変更になる可能性もあるので、試験前に日程を改めて確認することをおすすめします。

受験料

美容師(一般)

  • 筆記:11,900ウォン
  • 実技:24,900ウォン

美容師(皮膚)

  • 筆記:11,900ウォン
  • 実技:27,300ウォン

美容師(メイクアップ)

  • 筆記:11,900ウォン
  • 実技:17,200ウォン

美容師(ネイル)

  • 筆記:11,900ウォン
  • 実技:17,200ウォン

※10,000ウォン=約1,040円(2017年12月)

出題傾向

全問題4択形式で60問。60%以上正解すれば合格となります。筆記試験といってもコンピュータでの受験で、回答を入力後、すぐに結果が表示されるようです。

合格した場合、その場で実技試験の日程を決定しなければならないので、受験前にスケジュールを確認しておいてください。不合格の場合、定員さえ空いていれば次の試験日(美容師一般なら次の週)に受験も可能です。

美容師(一般)の筆記試験科目

美容理論、公衆衛生、皮膚学、公衆衛生関係法規、美容師学

美容師(皮膚)の筆記試験科目

皮膚美容学、公衆衛生、解剖生理学、皮膚美容気生理学、公衆衛生関係法規、美容師学

美容師(メイクアップ)の筆記試験科目

メイク概論、公衆衛生、公衆衛生関係法規、美容師学

美容師(ネイル)の筆記試験科目

ネイル概論、公衆衛生、皮膚学、ネイルケア、公衆衛生関係法規、美容師学

筆記試験難易度

試験

韓国語での試験になるので、日本人にとってはそこが一番難しいようです。美容関連の専門用語も理解する必要があるので、韓国語を習得後、美容師試験の勉強を開始すると良いでしょう。

内容については、日本で美容師などの勉強をしていた方にとってはそこまで難しくないそうです。韓国人受験者の一般的な傾向として、筆記試験は独学で勉強し、実技は実技試験対策の塾で学ぶ方が多いです。

試験の頻度は高いとはいえ、合格率は40%程度なので、ある程度は勉強する必要があります。

美容師資格をお持ちの方に話を聞いたところ、3ヶ月程度勉強して合格した方もいれば、15回連続で落ちた方もいらっしゃいました。

実技試験

ネイル

美容師(一般)

日本の美容師国家試験の実技試験と内容が似ています。

  • カット
  • パーマ
  • ヘアカラー
  • カーラーorフィンガーウェーブ(どちらかひとつ)

美容師(皮膚)

  • クレンジング
  • マニュアルテクニック
  • パック
  • マスク
  • 眉毛ケア
  • ワックス脱毛

美容師(メイクアップ)

  • モデルに合わせた化粧品選択
  • メイクアップ

美容師(ネイル)

  • マニキュア
  • ペディキュア
  • ジェルネイル
  • スカスプチュア

共通

全試験でモデルを用意する必要があります。またモデルにも年齢や当日着用の衣類等細かい規定があります。

試験時間内に作業、仕上げ、作業台の整理等すべて終わらせないと0点になってしまいます。試験時間は2時間20分、100点満点の60点以上で合格となります。各作業の熟練度、正確性が評価されるそうです。

日本での美容師国家資格保持者は、韓国で新たに実技試験のトレーニングをする必要はないでしょう。韓国でイチから勉強を始める方は塾に入り実技の練習を行いましょう。

国家資格取得後

実は国家試験よりもここからが大変です。何が大変かというと「ビザの取得」です。国家試験に合格したからといって、ビザがおりるというわけではありません。

韓国人と結婚した方など、既に韓国での永住権や配偶者ビザをお持ちの方の就職は難しくないでしょう。しかし、そうでない方は就労ビザを取得する必要があります

韓国で美容師になるためのビザの取得

日本人の従業員を欲している大きい企業へ就職できた場合、または韓国へ進出している日本企業に就職できた場合は就労ビザ取得も難しくないかもしれません。

しかし一般の美容室、ネイルサロン、エステサロンなどに就職したい場合、就労ビザを出してくれる会社は多くはないでしょう。

就労ビザを出すというのは企業にとってもコストや手間がかかります。

また就労ビザを出した従業員へ対しての身元保証的な役割もしなければならないため、責任も伴います。そのため一般的な美容系企業は就労ビザの発給をしたがらないケースが多いそうです。

ワーキングホリデービザで働く

パスポート

18歳以上30歳未満の方であればワーキングホリデービザの利用が可能です。

在韓可能期間は1年間で1度のみとなりますが、短期間勤務をしてみたい方には良いかもしれません。必要書類を持って、お近くの領事館で申請しましょう。

必要書類

  • ビザ申請書
  • パスポート(有効期限3ヶ月以上)
  • カラー証明写真(縦45mm×横35mm)
  • 最終学歴の卒業証明書か在学・休学証明書
  • 旅行日程および活動計画書(申請人本人が具体的に作成すること)
  • 残高証明書(日本円にして30万円以上)
  • 往復航空券
  • 韓国国内の住所、電話番号

ビザ申請書は韓国大使館や領事館のホームページからダウンロードできます。ビザ申請書pdfファイル(韓国領事館ホームページより)

まとめ

化粧

美容大国・韓国で美容系の仕事に就いてみたい方、多いのではないでしょうか?

韓国にも美容院やネイルサロン、まつ毛エクステンションのサロンはありますが、日本のクオリティで施術を受けられるお店はごくわずかです。特にまつ毛エクステンションは韓国で開発された技術ですが、技術の習得に時間がかかるからか、今や店舗数が激減しています。

技術を積まずに施術にあたるスタッフも多いため、目に接着剤が入ったりと大きなトラブルになった話もよく聞きます。そのため日本での勤務経験がある方は重宝がられるそうです。

また韓国には約5万人の日本人が住んでいるので、特にソウルでは日本人向けのサロンの需要も多くあります。

皮膚、メイク、ネイルの国家資格は2016年に誕生したばかりなので国家資格の取得が必須とは知らず、資格の取得なしで就労されている方が現在も多くいます。

法律違反にならないためにも、韓国の美容系サロンに勤務したい方は常に情報収集が必要となります。韓国の国家資格を取得し、好きな仕事をして韓国での生活をより楽しいものにしましょう。

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この記事を書いた人

サロン経営や鍼灸治療院勤務を経験。
現在は韓国・ソウルへ拠点を移しフリーライターとして活動中。韓国の情勢、流行についてリサーチし、発信している。東洋医学や健康関連の記事も多く執筆する。

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