世界一住みやすい都市No.1と言われているメルボルン。大都会のビル群のすぐそばには大きな公園があり緑も多く、治安が比較的良いため留学先としても人気があります。
しかしメルボルンは本当に皆にとって住みやすい都市なのでしょうか。メルボルンに滞在して9カ月目の私が感じた「住みやすくない」ポイントをあえてご紹介します。
物価が高い
メルボルンに限らずオーストラリアは物価が高いことで有名です。
大卒正社員の初任給も40万円以上と高めです。正社員はたくさんお給料がもらえていいなと思いましたが、そもそもの物価が高いので、生活費にかかるコストも高いのです。
ワーホリビザでは正社員の仕事は難しく、私も初めは常に出費のことで頭がいっぱいでした。とくにストレスを感じたものは電車賃と家賃の高さです。
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電車賃
メルボルンの中心地には無料のトラムが走っていますが、観光エリアを走るごく限られた区間です。実際の生活では、職場や家は郊外になる場合が多く、電車利用が必須になります。
乗車にはマイキーカードというSuicaのようなカードを使うのですが、乗車区間に関係なく一回の乗車で4ドル(約350円)かかります。しかもこれは2時間以内の場合。2時間を超えると自動的に8ドル(約720円)もかかります。
私の場合、最寄り駅からたった一駅隣の職場へ行くのに往復約720円もかかっています!
例えば、東京都内を走る山の手線ならば一駅の乗車は約150円。往復でも300円程です。メルボルンの電車がどれ程高いか、比べてみれば一目瞭然です。
家賃
電車賃と並んで高いのが家賃です。オウンルーム(一人部屋)とルームシェア(他人と同じ部屋を共有するスタイル)で家賃は大きく変わってきますが、全体的な相場はここ数年でもだいぶ高くなっています。
- メルボルンの中心地まで電車で15分~30分程の郊外エリアのに住む場合:約週150ドル~190ドル(一カ月約52,000円~66,000円)
- メルボルンの中心地に住む場合:約週240ドル~300ドル(一カ月約93,000円~104,000円)
※1ドル87円(2018年現在)
光熱費は家賃に含まれている場合とそうでない場合があります。
またほとんどの場合、部屋を借りる際は敷金に当たる「ボンド」が必要です。ボンドは退去時に部屋に問題がなければ返ってきますが、その額は家賃の一週間分から1カ月分と、オーナーによって様々です。
私の知人の中では、中心地にオウンルームで住んでいる人は誰もいませんでした。オウンルームにこだわりたい人は、皆郊外に住んでいます。地元のオーストラリア人でさえ家賃が高いと不満を言っている人が多く、実家に戻って暮らす20代後半から30代の知人もいます。
電車遅延は融通が利かない
上記で紹介した電車賃の高さに加え、電車遅延の際にも苦労しました。メルボルン市街地からは、東西南北の郊外へ広がる各路線があり、本数も10分~20分に一本と便利です。問題は電車が遅れた時です。
私の最寄り駅は各駅列車のみが停車する駅で、遅延に伴い次の電車は50分後まで来ないとアナウンスで言われました。その間に3、4本あった電車はすべて急行の運行に代わってしまい、寒いホームで何本も列車を見送る、ということが月に1度はありました。
真冬のホームで50分電車を待つのは辛かったですし、時間もロスしてもったいない気分になりました。
天気予報はどれも違う
「メルボルンは一日に四季がある」と言われているのは有名な話です。雲一つない晴天と思ったら数時間後には雨という事がほぼ毎日です。
そのため、アプリやインターネットサイト、テレビの天気予報はどれも言っていることが違います。また前日と当日の予想が丸っきり変わっていることもよくあります。降水確率30%でも80%でも、たいてい雨が降ります。
冬のピークに当たる7月8月は更に冷たい風が吹き荒れます。台風のような表現ですが、「大雨暴風」という日が本当に多いです。この時期は最低気温も5度前後まで下がり、風で突き刺すような寒さと天気が悪く暗い日が続くので、メンタルも不安定になりがちです。
私は特に気候の面で、冬が終わるまではメルボルンが住みやすいと感じたことはありませんでした。メルボルンに愛着が湧いてきたのは少しずつ日照時間が長くなり、暖かくなってきた9月に入ってからです。
カフェタイムは3時まで
メルボルンといえばカフェ文化の街。仕事終わりや学校終わりにお気に入りのカフェで寛ぎタイム……でもちょっと待って下さい!
だいたいのカフェは早朝オープンで午後3時には閉まります。カフェが立ち並ぶ通りも、ランチ時は混雑していますが、3時を過ぎるとシャッターが閉まって閑散としています。
仕事終わりにカフェでゆっくり読書をしたり、友達や彼氏と夕方カフェで待ち合わせをしたくても、ほとんどのお店は閉まっているのです。
夜まで空いているカフェはスターバックスなどのチェーン店だけです。ですが勉強をしている学生たちで混んでいて、落ち着いた雰囲気とは言えません。
※アルバイト先近くのお気に入りのカフェ
どうしても夕方の時間潰しにコーヒーが飲みたい時は、セブンイレブンで売っている1ドルのコーヒーを買って、駅前のベンチに座り飲んでいます。
夕方4時過ぎからはバーが開店します。メルボルンでは、朝はコーヒー、夕方からはビールが鉄則です。
それでもメルボルンが魅力的な3つの理由
物価が高く気温の低いメルボルン。
それでも住めば住むほど愛着が湧いてくる、魅力的な街だと思えるようになった私。その理由が3つあります。
人の良さ
何といっても一番惹かれたのは、メルボルンに住む人達の人柄の良さです。皆話好きでとてもフレンドリーです。様々な人種が住んでいるせいか、相手の国籍や英語の訛りをあまり気にしません。
レストランなどのお店を出るときに、お客側も笑顔で「Thank you!」「See you soon!」と返すのが当たり前。とても自然なやりとりで感じが良いです。
そして皆自由で個性的です。自分の応援しているサッカーチームが勝った嬉しさのあまり、誰かが電車内で歌い出せば、つられて他の人も歌い出します。若者のファッションやヘアスタイルも様々。
一人セブンイレブンのコーヒー片手に駅前のベンチに座っていても、誰も変な目で見ません。
晴天のすばらしさ
上記でメルボルンは天気が悪いと紹介しましたが、だからこそ!一年を通して、晴れた日は雲一つない青空がとても綺麗です。
冬でも日差しが出ると暖かいです。公園の緑がとても鮮やかで、ランニングや芝生の上で寝そべって読書をする人、子供がはしゃいでいたり、犬は鎖を外して自由に放すこともできます。お金をかけなくてもシンプルに生活を楽しめるのだと気づかされました。
夜景の綺麗さ
仕事探しが大変だった時、冬が寒くて楽しめないと感じた時、せっかく仲良くなれた友達が帰国してしまった時。
私はメルボルンの夜景に何度も癒され元気をもらいました。夜は空気が澄んで夜景がきれいに見えます。私のパワースポットです。
※フリンダース駅すぐのヤラ川沿いにある、お気に入りのバー。「Arbory Bar & Eatery」
まとめ
世界一住みやすい都市に何年も選ばれているメルボルン(参考:エコノミスト誌)。
金銭的な面で見れば、住みやすい都市で快適な生活ができるのは、お給料も高い正社員のホワイトカラーの人達かもしれません。
※外食が高くても、BBQならお手頃に楽しめます。先日はシェアメイト達とハンバーガーを作りました!
私はワーホリビザでパートタイムの仕事を掛け持ちしてやっとの暮らしをしています。
ですが「住めば都」の諺の通りです。金銭的にはギリギリでも、メルボルンに9カ月以上住んだことで、職場、趣味、シェアメイト達等々…ようやく自分が溶け込めるコミュニティを見つけることができました。
その中で、日々物価の高さに嘆きながらも、楽しみを見つけて生活するように心がけています。
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