チャンスがあればアメリカで働いてみたいという気持ちはあっても、どれだけの経験や専門知識、英語力が必要なのか分からずなかなか踏み出せない人もいると思います。
もちろん、経験が豊富で英語力もあった方が望ましいですが、最初は誰もが未熟なのは致し方ありません。しかし、スキルや英語力がなくてもアメリカで働けるチャンスがあることは確かです。
ここでは、サンフランシスコやハワイなどで働いた私の経験から、日本人がアメリカで働きやすい仕事を経験・スキル、英語力別にご紹介します。
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アメリカでの仕事を見つけやすい都市
シアトル
日本の大手企業である三菱商事や三井物産が進出しており、日本人が多く在住しています。
シアトルは自然に恵まれており、海や山に近いため、アウトドアを楽しむことができます。また、日本食材店や日本食レストランも多く、生活しやすい環境が整っています。
ロサンゼルス
日系企業や日本資本の会社が多数進出しており、日本人向けの求人も多くあります。特にエンターテインメント産業が盛んであり、映画や音楽業界に興味がある人には最適な場所といえます。
また、日本食レストランや日本文化に親しめる場所が豊富で、日本人にとって心地よい環境となっています。ただし、交通渋滞や治安の悪さが課題となっています。
ニューヨーク
世界の中心ともいえる国際都市で、多様な人種が共存しているため、異文化交流が盛んです。日本系企業も多く進出しており、金融や広告業界などでの求人が多いです。
また、文化の中心地であり、美術館や劇場などが充実しているため、芸術に興味のある人には最適な場所といえます。
日本食材店や日本語教室も充実しており、生活しやすい環境ですが、高い生活費や治安の問題があるため注意が必要です。
サンフランシスコ
シリコンバレーがあることからIT関連の求人が多くあります。また、日系企業も進出しており生活環境にも恵まれています。
市内には自然が豊かで、美しい景色が広がっており、アウトドアスポーツが盛んな場所として知られています。日本食材店や日本文化に親しめる場所も充実しており、日本人にとっては生活しやすい環境ですが、生活費が高いです。
アメリカでの仕事:経験もスキルも英語力も不要
初めてアメリカで仕事をしたいと思って最初にぶつかる壁は、アメリカに入国して働く権利を得るためのビザの取得になります。まずは、仕事の経験が少なくても簡単に発行してもらえるビザを考える必要があります。
簡単に取得できて働けるビザはJ1ビザ、通称インターンシップビザです。このビザを持っていれば、社会人経験のある人は「トレーニー」として18ヶ月、学生は「インターン」として12ヶ月、特定の分野で働けます。
残念なことにこのビザは更新ができませんが、この期間内に実力をつけて違うビザを取得することは可能です。
おすすめは日本人向けの旅行代理店
近年は、アメリカ人の労働機会が失われないようにJ1ビザの発行も厳しくなっていて、飲食店のサーバーやスーパーの店員のようなアルバイト的で技能が不要な業務にはJ1ビザが発行されない傾向にあります。
限られた分野で経験・スキル・英語力不要で働ける仕事となると、一番のおすすめはアメリカ国内に住んでいる日本人向けに航空券やホテル、ツアーを販売している旅行代理店です。
電話で仕事をすることがほとんどですが、電話をかけてくる人の多くは日本人なので、英語力は不要です。もし英語でかかってきても、通常、社内に英語専用のスタッフがいるので、代わりに対応してもらえば問題ありません。
また、航空券の検索や発行などの業務もそれほど複雑ではないため、経験やスキルがなくても対応は可能です。
仕事が見つけやすい州と給与
日本人が多く住んでいる州には日本人向けの旅行代理店も多く存在します。ニューヨーク州、カリフォルニア州、ハワイ州は言葉の壁が低く、仕事が見つけやすい州といえます。
ただし、旅行代理店は働きやすいために給与設定も低めになっています。仕事内容にもよりますが、電話対応やエントリーレベルの仕事だと、年収で3万〜4万ドル(約330万円〜440万円)が一つの目安になります。
家族構成にもよりますが、物価の高い州だとこの収入レベルでは生活が厳しいでしょう。
アメリカでの仕事:経験とスキルは不要、でも英語力は必要
日系企業のアシスタント・秘書
経験・スキルは問われないものの英語が必要な仕事というと、日系企業事務所内でのアシスタントもしくは秘書が該当します。
通常、外部からの電話対応や支社長・役員のスケジュール管理など、指示を受けた仕事に取り組むことになります。
メインになるのは外部からの電話対応で、電話をかけてくるのはアメリカ人も多いため英語力は必要です。一方で、支社長や役員のスケジュール管理や事務業務はそれほど複雑なことを要求されないので、経験がなくてもできるでしょう。
必要な英語レベルと給与
電話での英語対応は、ある程度のビジネスレベルの英語、TOEICでいうと800〜900点以上は必要になります。
給与は、経験・スキルを求められない仕事内容であれば年収4万ドル(約440万円)前後が一つの目安になるでしょう。
アメリカでの仕事:経験とスキルが必要、でも英語力は不要
不動産エージェントのアシスタント
英語は不要なものの、経験やスキルが問われる仕事としては、日本人向けの営業になります。特に不動産エージェントのアシスタントは英語力がいらず、多くの日本人がしている仕事です。
各州での不動産資格をパスしないとエージェントとしての契約行為はできませんが、アシスタントとして日本人向けに賃貸物件を紹介したりすることは可能です。
必要な経験と給与
不動産知識がゼロでの就職は難しいので、日本でも不動産会社や建設会社などで勤務していた人の方が仕事は見つけやすいでしょう。実務経験は2〜3年あるとベターです。
アメリカには日本と異なる不動産の法律があるので、それも事前に勉強しておくとさらに良いでしょう。
資格がない場合のポジションでの給与は、年収4万ドル(約440万円)程度が一つの目安になります。資格を取って実際の契約行為ができるようになると給与は上がります。不動産業界は実績社会なので、契約数に応じて報酬がアップします。
アメリカでの仕事:経験もスキルも英語力も必要
日系企業の経理部門
経験やスキル、そして英語力も必要な仕事は数多くあり、アメリカ人も同様に探しています。
日本人にとっては、日本語を使用できる環境の仕事の方が決まりやすいです。例えば日系企業の経理部門は、日本語も駆使しながらアメリカ基準の会計処理を行い、請求書や関係書類はほとんどが英語になります。
必要な経験と給与
専門職に近いので、最低でも2〜3年の実務経験は必要になります。アメリカの会計士資格であるCPAを持っていると仕事が見つけやすいです。
給与は経験や資格にもよりますが、年収4万〜4万5千ドル(約440万〜490万円)は確保できるでしょう。
アメリカでの仕事:特定分野で優れた日本人が働きやすい分野
経験、スキル、英語力などではなく、運や才能など別の要素が必要な分野としては、スポーツ関連や美術、音楽関連があります。
一方で、これらの分野での就業許可にあたっては、アメリカ政府が該当分野での表彰や資格を求めてくるため、世界である程度知られている大会や展示会での優秀な順位が必要になります。
アメリカで仕事を探す方法4つ
転職サイトを使う
アメリカでの仕事探しは、現地のサイトと日系の転職サイトの両方を使うことがおすすめです。
理由としては、日系の転職サイトを使うことで日本語で情報収集ができること。転職アドバイザーが無料でカウンセリングや給料交渉を行なってくれます。
最短でアメリカの仕事に就くなら、現地のサイト一択ですが、転職を一つの区切りと考えるのであれば幅広い選択肢から選ぶと失敗する確率が減ります。
以下のエージェントは待遇がしっかりとした求人が多いので、不安の多いアメリカ転職でも安心して利用できます。登録は3分程度、利用はすべて無料です。
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アメリカの求人状況は絶えず変化しているため、時期により求人数や条件が異なります。
いざ、就職しようと思ったときに「興味のある求人」が見つからないこともあるので、希望の求人に出会う可能性を高めるためにもおすすめの転職エージェントに登録し、自分に合う求人を見逃さないようにしましょう。
キャリアフォーラム
アメリカ在住者向けにおすすめの方法が、このキャリアフォーラムです。定期的に求人企業と日英バイリンガルの求職者をつなげるイベントを行なっています。
日本企業も多数参加しています。
フリーペーパー
アメリカ国内でも日本人向けのフリーペーパーが発行されています。生活関連の情報から求人情報まで扱われており、求人を探すことができます。
友人など知り合いから紹介
友人などの知り合いから求人を探す方法も有効です。アメリカは実はコネ社会です。
いろんな人に仕事を探していることを伝えたり、自分ができる仕事をアピールしながらコネクションを作っていくことが大切です。
ポイントは以下の通りです。
- 内部紹介による採用の優先
- 情報収集の容易さ
- アプローチがしやすい
- 採用の決定が早い
内部紹介による採用の優先
コネや知り合いを通じて、既にその企業で働いている人に紹介してもらえる場合、採用プロセスの中での優先度が高くなります。
情報収集の容易さ
転職活動中、自分が応募したい業界や企業についての情報収集は非常に重要です。
コネクションや知り合いがその業界や企業で働いている場合、情報収集がより簡単です。また、その人たちから直接フィードバックを得ることができ、自分が応募するポジションについての情報を得ることができるでしょう。
アプローチしやすい
自分の転職活動について、コネクションや知り合いに話をしておくことは、自分自身が求職者であることを広く知ってもらうことになります。
自分自身を宣伝することができ、友人や企業からのアプローチを受ける可能性が高くなります。
採用の決定が早い
コネクションや知り合いを介して応募する場合、採用プロセスがよりスムーズに進みます。
アメリカで仕事をゲットするための選考プロセス
応募
応募するポジションに関連するスキルや経験がなくても、まずは応募してみることをおすすめします。応募時には、英語で書かれた履歴書とカバーレターを用意しましょう。
履歴書は、必要な情報を正確に簡潔にまとめることが大切です。カバーレターは、自己紹介や志望動機、職務経験についての具体的な例などを記載すると良いでしょう。
書類審査
応募書類は、正確で丁寧な英語表現が求められます。スペルミスや文法の誤りがないように注意が必要です。求人要件に沿ったスキルや経験を明確に示すように心がけましょう。
自己アピールがしっかりしているか、具体的なエビデンスが示されているか、簡潔で読みやすい文章になっているかを確認してください。
面接
アメリカの面接では、職務経験やスキルだけでなく、自己アピールや自己分析、職務に対する熱意や意欲も重視されます。アメリカの面接は、日本と比べて積極的な自己アピールが求められます。過去の成功体験や自己成長のエピソードを積極的に話すようにしましょう。
面接官とのコミュニケーションも重要です。フレンドリーでポジティブな態度を心がけ、質問に対する明確かつ正確な回答をすることが求められます。
まとめ~資格や経験があるとより好条件で働ける
経験やスキル、英語力がなくてもアメリカでできる仕事は多くありますが、資格や経験があった方がより好条件の仕事を見つけることができます。
できるだけ良い待遇を得られるように、日本にいる時からアメリカで働くことを前提として資格を取得し経験を積んでおくようにしましょう。
また、英語に自信のない人は、英会話学校に通ったり、英語のニュースや映画を意識して見たりしていると、自然に英語力は上がりますよ。
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