私は韓国に移住して今年で5年目になります。その間、旅行や留学などで何度も訪れたことがありましたが、韓国で長期滞在しながら、良いことも悪いことも含めさまざまな経験をしてきました。
日本から近いということもあり、留学やビジネスで韓国を訪れる日本人が増えていますが、実際に生活してみないと分からないこともあります。
そこで今回は、韓国で生活してみて良かった点について紹介します。
韓国語の習得が楽
外国で生活する上で一番のストレスの原因といえるのが言葉の壁。伝えたいことを現地の言葉でうまく表現できないというもどかしい思いをしたことがありませんか?
韓国語の習得において最初の難関がハングル文字を覚えることです。正直、最初はわかりにくく、発音がややこしいということもあり、この時点で挫折する人もけっこういるそうです。
ですが、ハングル文字の9割以上は漢字が語源。そのため漢字のわかる日本人や中国人にとっては、韓国語はものすごく習得しやすい言語なのです。しかも、文法は日本語と同じ順序なので、頭の中での変換が楽です。
ちなみに、日本語の上手な韓国人の共通点のひとつが、漢字を習ったことがあるということ。日本のアニメや漫画が好きな韓国のオタクにも日本語が上手な人が多いですが、漢字がわからないと日本語は上手くならないと言っていました。
漢字が分かれば英単語を覚えるより、韓国語の単語の方が覚えやすいと思います。日本由来の漢字語も多いので、日本人にとって比較的習得しやすい外国語のひとつだと思います。
韓国は食事がおいしい
韓国料理といえば「赤くて辛い」というイメージが定着していますが、全ての料理が辛いわけではありません。焼肉の味付けは甘ダレもありますし、サムゲタンやタッカンマリという鶏肉料理は辛いものが苦手な日本人にも人気の韓国料理です。
私自身、渡韓前は辛いものが全く食べられませんでした。
友人からは「日本のキムチも食べないお前が大丈夫か?」と本気で心配されました。今でも辛いものより、甘いものの方が好きですが、外国生活でよくある食事でのストレスを感じたことは一度もありません。
韓国では安くて美味いB級グルメが充実しているので、食事で困ることはあまりないと思います。
また日本食ブームの流れもあって、さまざまな日本料理店ができはじめ、寿司やラーメン、トンカツが食べたくなったら、どこでも食べられます(スシローや丸亀製麺もあります)。
外国での生活にうまく適応できるか否かは、個人的に言葉と食事だと思います。韓国はこの2つをクリアしているので、良かったと感じています。
韓国は薬局が多い、しかも安い
はじめて韓国に来た時、携帯ショップと薬局の数に驚いたことがあります。この2つは見ないのが難しいほど、町中にあふれています。
なぜこれほどまでに薬局がたくさんあるのかは今でも疑問なのですが、私も体調を崩した時は、病院ではなく薬局に行くことが多いです。というのも、市販薬が日本で売られているのに比べると、すごく安いからです。
日本のドラッグストアで売られている総合風邪薬だと1,000円近くすると思いますが、こちらだと200円とか300円。「安っ!」と思わず店の中で呟いた記憶があります。
巷では、「韓国の薬は日本のものより成分が強い」といわれています。軽い風邪だとすぐに薬が効くとは思いますが、個人差もあるので一概にはいえません。
ただ外国で病気にかかった時、もし保険に加入していなかったら高い診療代を払う羽目になるので、市販薬が安いというのはありがたいです。海外で生活する上で、医療や保険がどうなっているのかは必ずチェックしておきたいですね。
ちなみに韓国の国民健康保険は日本のものとほとんど同じ仕組みです。
私が薬局でよく買うのは、風邪薬や胃腸薬。目薬も買ったことがありますが、なぜか日本製の目薬を渡され、しかも割高でした。
それ以来、目薬だけは日本に帰った時に買うようにしています。
韓国はWi-Fiが至るところにある
ブロードバンド先進国と呼ばれる韓国だけあって、町中の至るところでWi-Fiが使えます。最近ではバスの中でも無料でWi-Fiを使えるようにしようという動きがあるようです。
特にカフェでは、Wi-Fiが使えるのが当たり前という状態になりつつあります。座席やテーブルにコンセントがあるので、ノートパソコンで作業する人にとってはとてもありがたい環境になっています。
IDとパスワードが必要な場合、店内の壁に紙が貼られているか、レシートに書かれていることが多いです。レシートは捨てないようにしましょう。
ただしオープンなWi-Fiを使う場合、セキュリティーの問題があります。実際に個人情報をハッキングされたという報告もあるので注意しましょう。
韓国はカフェ探しに困ることがない
ここ数年で著しく増えたのがおしゃれな喫茶店やカフェ。先日スターバックスの1,000号店がオープンしたというニュースを見ましたが、ソウルではさまざまなカフェが乱立していて、数ヶ月ごとに新しいカフェが次々とオープンしています。
コーヒーの値段は日本に比べると少し高いかなと思います。アメリカーノの平均的な値段は、トールサイズだと日本円で約400円、安いところだと200円から300円の間。最近、韓国でも人気が出始めたコンビニコーヒーは日本と同じで100円から。
そういえば、日本でよく見かけるショートサイズはあまり売られていません。基本がトールサイズで、スタバでもショートサイズは一応売られていますが、注文している人をあまり見たことがありません。
ちなみに、韓国のカフェではパソコンやタブレットを使って勉強(仕事)している人をよく見かけます。また、1対1で英語の個人指導を受けている人もいますね。ネット上で仕事をしている人にとっては、なかなか良い環境だと思います。
韓国は交通費が安すぎる
これは本当に助かっています。韓国で生活して一番よかったと思うのが、交通費の安さかもしれません。
ソウルに住んでいると、地下鉄とバスが主要な移動手段になりますが、とにかく安い。私の場合、家から職場の最寄駅まで1時間かかりますが、交通費は1,550ウォン。日本円でたったの153円です。
便利な乗り換えサービスがある
ただでさえ安いのに、地下鉄からバス、もしくはバスから別のバスに乗り換える場合、追加料金が割引される「ファンスン(乗り換え)」というサービスがあります。
このサービスを受けるためには「T-mony」という交通カードを使う必要がありますが、駅構内やコンビニで売っているので、外国人でも利用することができます。
例えば、行きは地下鉄、帰りはバスに乗って移動する場合、30分以内に乗り換えれば、帰りのバス代が割引されます。走行距離が10km以内であれば乗り換え時に追加料金が発生しないので、片道料金で移動できることになります。
この乗り換え制度をつくったのは、李明博前大統領。大統領時代の彼は評判が分かれますが、ソウル市長時代に導入した乗り換え制度と清渓川(チョンゲチョン)の整備のおかげで大統領になったと言われるほど、人気のある制度です。
他にも、タクシーや高速バス、KTX(韓国版高速鉄道)の料金も日本に比べると安いと思います。国内旅行をする際、これらの公共交通機関をフルに活用できるので、移動しやすいというメリットがありますね。
韓国の家は冬のオンドル(床暖房)が暖かくて最高
ソウルは12月になると、気温がマイナスになったり雪が積もったりします。3月までは寒く、比較的冬が長いと感じます。
外は寒いのですが、中はオンドル(床暖房)のおかげで暖かいです。日本と部屋の構造が違うせいか、オンドルがなくても部屋の中は暖かいですね。オンドル部屋だと、半袖でも過ごせます。
韓国の知人が「日本の部屋は冬になったら寒い」と言っていたのですが、こっちで生活してみてなんとなくわかる気がしてきました。冬が苦手な人にとって、オンドルは強い味方です。
ただし、部屋の外に出ると寒いです。零下10℃の日が続くと鬱になりそうです。ソウルに旅行される場合、冬はあまりおすすめできません。
留学時代の話ですが、下宿していたときに水道管が凍ってしまい、真冬でも冷水のシャワーしか使えなかったことがあります。寒波の影響で零下15℃まで下がったので本当につらかったです。
まとめ
韓国で生活してみて良かったことはいろいろありますが、衣食住に関しては日本と似ている部分も多いですし、すぐに生活に適応できると思います。
韓国語ができないと不便ですが、3ヶ月くらい現地の語学学校で勉強すれば、日常会話くらいはすぐにできるようになります。
ただし物価は日本とあまり変わりませんし、生活用品は日本の方がむしろ安いと思うこともあります。正直、アルバイトだけで生活するのは厳しいと思うので、長期滞在する場合、安定した収入とある程度の貯蓄は必要かもしれませんね。
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