カンボジアといえば、未だそこら中に地雷が埋まっていて生活もままならない未知の世界だと思っている人もいるかもしれません。確かに地雷が残っている地域もありますが、実は急速に発展を遂げている成長著しい国です。
私はそんなカンボジアに転職し、シェムリアップのホテルで働いています。旅行で訪れたことさえない国でしたが、なぜか大丈夫だろうという絶対的な自信があり、初海外転職でいきなりカンボジアに来ました。
その予感が的中し、今では大切な第二の故郷となっているカンボジアの魅力をお伝えします。
※1米ドル(以下ドル)=約111円、1リエル=約0.02円
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カンボジアは物価が安い
カンボジアに移住してみてまず感じた魅力は、なんといっても物価の安さです。
家賃
私が現在暮らしているアパートメントの家賃はなんと月80ドル(約8,880円)。探せば月60ドル(約6,660円)くらいから見つかります。
都市により違いはありますが、ある程度、水回りや治安の良さに重きを置く人でも、月200ドル(約22,200円)出せば中心部に程近いところでエアコン完備の綺麗なアパートメントに住むことが可能です。
光熱水道費
近隣諸国からの輸入に頼っている電気代は高いと言われてはいるものの、光熱費、そして水道費のいずれも日本に比べれば破格です。
私の部屋はエアコンがついていないため巨大な扇風機をフル稼働させていますが、先月の電気代はなんと5ドル(約555円)でした。
水道代は、毎日シャワーを浴びて3ドル(約333円)。とはいえ、水量が弱すぎたり出なかったりする日もあるので、妥当かなと思ったりもします。
ちなみに、カンボジアには涼を求めた造りである高床式住居が数多くあり、人々は家で涼みながら昼寝をしたり料理をしたりします。
食費
ローカルの食堂なら、おかず一品+白ご飯が1~1.5ドル(約111~167円)。
また、揚げパンが500リエル(約10円)、2リットルの水のペットボトルが1,500リエル(約30円)、アイスコーヒーが2,000リエル(約40円)など、カンボジアの生活水準に合わせればどんどん節約することが可能です。
月に最低1万円あればOK
個人差がありますが、私の場合は暑くて食欲がなくなってしまうことが多いので、大体1日2食で過ごしています。このペースだと、1日の食費は3ドル(約333円)に収まります。
1ヶ月で見ると、3ドル×30日=90ドル(約9,990円)が最低限かかる食費です。
たまに息抜きで日本人経営の日本食屋さんなどを利用した場合でも、1食3ドル(約333円)から丼ものやうどんが食べられるので、ストレスフリーで過ごせると思いますよ。
携帯電話
チャージ式で、同じキャリア同士は通話料金が無料となるため、多くても1ヶ月10ドル(約1,110円)もチャージすれば充分使用が可能です。
格安で生活可能
ここまでの内容でざっと考えてみても、月200ドル(約22,200円)で暮らしていける計算ですね。
実際には、バイクのガソリン代や飲み代、その他の細かな出費がプラスされるので月300ドル(約33,300円)程度になると思いますが、日本と比べてみるとどうでしょうか?
カンボジアでの日本人の給与は企業によってまちまちですが、大手の旅行会社などは月800ドル(約88,800円)前後となっており、しっかり節約すれば1ヶ月500ドル(約55,500円)は貯金できます。
カンボジア転職のすすめ
給料の額だけ見れば日本の方が高いですが、一人暮らしともなれば生活費がかなりかかってしまいます。そのため、なかなか余裕のある暮らしができないと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、カンボジアに転職すれば大丈夫。
我慢しすぎることなくある程度の生活水準を保つことができ、休日は5つ星ホテルのプールサイドやラウンジで優雅に過ごしたり、近隣のアジア諸国へ旅行に行ったりできます。
物価の安い国に移住するということがいかに魅力的かよくわかるのではないでしょうか。
カンボジアは人が温かい
私の心をとらえて離さないカンボジア。その大きな理由が、日本にはあまりない人々の優しさ、笑顔、温かさです。
周囲との関わりを避けていた日本での私
日本に実家がありますが、隣にどんな顔と名前の人が住んでいるのか、どのような家族構成なのか、実は全く知りません。実家のある土地に15年以上住んでいたにもかかわらず、近所の人と会話をしたことはほぼありません。
都会でも田舎でもない場所ですが、人間関係が希薄になっているんだなぁと、カンボジアへ来て改めて思います。
多くの人はおそらく他人に興味があるわけでもないので、お互いに歩み寄ることも少なくなっているのかもしれません。
人と関わらない方が無難
一人暮らしをしていた時は特に、隣に住んでいる人に知られたくないとすら思ってしまっていました。一人で住んでいることが分かれば危ない事件に巻き込まれてしまうのではないかと、ネガティブな気持ちで周りを見てしまっていたんです。
さらに、気を遣うのが苦手なため職場の同僚や上司とも関わらない方が楽だと思ってしまうので、会社の飲み会や女子会も極力避けていました。
今はスマートフォンを使って、インターネットという無限の世界で暇つぶしもできてしまいます。顔を上げて周りを見渡さなくても、情報が手に入り、人とつながることができてしまうため、余計な労力を使う必要がなくなりました。
心地いい関係でつながるカンボジア人
カンボジアも急速に発展しており、スマートフォンの普及率は人口に対して100%を超えているとも言われていますが、人々は実生活ではちゃんと人と関わり、つながり、向き合っています。
積極的に外に出る
日本人と違い、カンボジア人は部屋の中にこもるということがあまりありません。
単純に室内にいると暑く、肉体労働に従事しているという理由もありますが、時間があれば外のブランコやハンモックに揺られて過ごしています。
そして、道端やレストラン、遺跡内ですれ違うと、気軽に話をしたり、冗談を言い合ったり。意識している訳ではなくても、お互いにすごく心地のいい関わり方をしているんだなと思います。
これは私の勝手な憶測でしかありませんが、辛い内戦時代を乗り越えたカンボジア人が持つ助け合いの精神が、他人に興味を持たせ、関係を保たせているのかもしれません。
玄関にカギは不要?
私もついつい玄関を開けっ放しにしてお昼寝や仕事をしてしまうことがありますが、大家さんやアパートの住人がよく様子を見に来てくれたり、話をしにやって来たりします。
もちろん、住む土地によって治安の違いなどもあり、何が起こるかわかりません。警戒するに越したことはないので、無防備でいることを推奨するわけではありませんが、日本で3重のロックにしていた頃との感覚の違いに驚きます。
楽しく過ごす食事の時間
また、日本との違いを大きく感じるのが食事をする時です。
久々に日本に帰ってみると、料理が運ばれてきて写真を撮って、少しおしゃべりして、あとはみんなスマートフォンに夢中という光景を時々見かけます。
せっかく顔を合わせているのだから、コミュニケーションを取って食事を楽しまないと、少し寂しく感じてしまいます。
カンボジアでは家族が多いため、みんなで集まり、少ない量でも分け合ってありがたく食事を頂いています。
外国人の私にも分けてくれる
内戦の傷跡がまだ根強く残っているカンボジアでは、当時配給されたのは一人一杯のスプーンに盛られたお米のみとも言われています。
そんな辛い状況を経験しているのに、お客さんが来たら自分たちの食べる量が少なくなったとしても、一緒に食べようと声をかけてくれ、分け与えてくれるのです。
こんなよくわからない外国人に、どうしてそんな優しい気持ちを持てるのだろう、受け入れてくれるのだろうと、いつも不思議に思っては胸が苦しくなります。
いつもみんなに助けられていると実感して毎日を過ごしています。
カンボジア人の笑顔を守りたい
たくさんの物と情報が溢れている飽和状態が日本では当たり前になってしまい、そのためにありがたみを感じることができなくなってしまうのは本当に悲しいことだと思います。
そして、無力な自分に苛立ちと虚無感を覚えます。
私は経営者ではないので雇用を生み出すことはできないですが、少しでも多くの日本人にカンボジアの魅力が伝わって、旅行に来てもらうことでこの国が潤うよう、微力ながらできることをやっていきたいです。
それがカンボジア人の絶えない笑顔、そして未来へとつながってゆくと信じています。
カンボジアは日常がハプニングだらけ
笑うことが大好きな人や、刺激が欲しい方には、カンボジアという国はもってこいだと思います。
生きている豚やワニがバイクに乗せられて移動していたり、小学生がバイクを運転していたり、一方通行を平気で逆走したりと、国自体がツッコミどころ満載です。
お釣りも平気で間違うし、トゥクトゥク(三輪タクシー)に乗ったはいいもののドライバーが目的地をわかっていないこともしばしば。
さらには、ポリスが賄賂を毎月徴収しに来たり、役所ではワークパーミット(労働許可証)すらぼったくられたり。
おかしくない?と怒りがこみ上げてくるのか、笑い飛ばして次の策を考えられるかで、カンボジア生活への適応能力が分かります。
職場でのおもしろハプニング1
ある日、職場のホテルで使っているコーヒーメーカーの粉を入れる部分が破れてしまいました。
買い換えようかなと思っていたところ、スタッフが、直せる!と意気揚々と言うので任せてみたところ、ボンドでべったりとくっつけられています。
これ絶対有毒じゃん!と文句をつけましたが、疑いもせずやってしまう純粋さに、呆れるのを通り越して可愛いと思ってしまいました。
職場でのおもしろハプニング2
ある日、私がオフィスの窓から見ていることに気づかないでスタッフが立ちションをしていました(全員参加のミーティングで暴露され、本人は超笑い者にされました)。
また別のおじいちゃんスタッフは、次の日の朝食に使うはずの食材に手をつけてキッチン担当スタッフにめちゃめちゃ怒られているのに、全くめげません。
こんな風に、しょうもないことが頻繁に起こっていましたが、なぜか憎めないんですよね。
予想外の送別会
記憶に新しいのは、私がカンボジアをいったん離れる時の送別会のこと。
送別会とはいっても、仲のいいカンボジア人と3人程度で集まって飲むつもりだったのですが、カンボジア人がいろんな人をどんどん呼び始め、最終的には20人ほどに。お会計も200ドル(約22,200円)を超えました。
カンボジアでは、主役の人や招待した人が奢(おご)るという慣習があるため、伝票は迷わず私の元へ回され、他のカンボジア人は見事なまでにスルー。日本人のように財布を出す素振りなんて全くしないところが潔いです。
出国直前にえらい出費をする羽目になった思い出ですが、笑える話だからまぁいいかな!と思えます。日本でされたらブチ切れているでしょうが……。
トラブルに鍛えられる
ただし、笑えるハプニングばかりではありません。
カンボジア人の友人はバーをオープンさせましたが、3年契約のはずがオーナーの逆鱗に触れる出来事があり、あっという間にクローズに追い込まれました。
その他、アパートの契約期間が残っているのに強制的に退去を迫る、職場の部下であるスタッフが賃上げを要求してくるなどは、カンボジアでは珍しいことではありません。
程度の差はあるにしてもハプニングは付きものなので、柔軟さとタフさが身につくと思います。
カンボジアではお散歩気分で遺跡へ行ける
カンボジア人の誇りであるアンコールワットはもちろんのこと、映画「トゥームレイダー」の撮影地としても有名なタプロームや、天空の遺跡プリアヴィヒア、アニメ「天空の城ラピュタ」のモデルとなったベンメリア遺跡など、カンボジアには数多くの遺跡が残されています。
この素晴らしい遺跡群は、カンボジアで生活する大きな魅力だと思います。
私たちは外国人のため、カンボジア人と違いアンコールワットや周辺遺跡に入場する際にはチケット(2017年6月現在1日券37ドル、約4,107円)が必要ですが、遺跡によっては5〜10ドル(約555~1,110円)程度の入場料のみで観光することができます。
ピクニックはアンコールワットで
日本に住んでいれば海外で同じ世界遺産を何度も見ることはなかなかないと思いますが、カンボジアに住んでいると、ピクニックがてらアンコールワット行く?なんてことも可能。
王様の沐浴場で夕日を眺めたり、ベンメリアで探検したり。日帰りできる距離にたくさんの遺跡が残されているので、休日を利用してお出かけできますよ。
まとめ~ここで生きていきたいと思わせる魅力がある
知らない土地に住む前は不安に感じることも多いですが、やはり住めば都。人々の賑やかな声や晴れ渡る青い空を眺めていると、このカンボジアという国で生きていきたいなぁと、どこからともなくそんな気持ちが湧き上がってきます。
最近は道路や施設も整備されているので、衛生面が気になる外国人もストレスなく過ごせるようになってきました。
是非、現地の風を肌で感じて、カンボジアに魅せられる方が一人でも多く増えてほしいですね。
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