韓国で就職!留学経験のある思い出の国で働く日本人女性MEさんのインタビュー

やりがい 韓国での働き方

新しい地で新しいことを始めるのには勇気がいるもの。海外就職が珍しくなくなってきたとはいえ、実際に外国で働くことは誰にでもできることではありません。

今回は韓国に飛び込み、韓国社会に溶け込んで仕事をしながら生活する日本人女性MEさんにお話を伺いました。

彼女は日本で暮らす同じ世代の女性と変わらない、スレンダーでかわいらしい女性です。なぜ韓国で働くことを選び、どのようなお仕事をしているのでしょうか。

韓国で働くMEさんはこんな人

韓国で働く女性

今回お話を伺ったMEさん。韓国に住むようになり、プライベートで日本語関連や英語関連の交流会や集まりに参加して「韓国人だけでなく英語圏からの友人とのつながりも増えた」と話します。

また、韓国ではジムに通う人が多いこともあり、MEさんも仕事前に定期的に通って健康管理・体作りには気をつけているそう。休日にはネイルをしたり、時々お酒を楽しんだりしているとのことです。

MEさんのプロフィール

  • 九州出身
  • 2007年韓国へ1年間交換留学、2012年から韓国で働き始める
  • 2019年現在、在韓歴7年目

韓国で働くことになった経緯

―韓国で仕事をすることになったきっかけは何ですか?

元々、交換留学で1年韓国に住んでみた経験から、将来韓国で働いてみたいという目標があったんです。

それで、日本で働いている頃から韓国での就職先を探していたのですが、韓国に住んでいたわけではないので、面接に進むことすらなかなかできずにいました。

そんな時ちょうど、日本で面接を受けて韓国で働ける仕事の募集があり、日本での面接を通して韓国で働く機会を得ることができました。

―留学された経験があり、韓国に興味をお持ちだったんですね。

韓国で経験した仕事

韓国

―韓国ではどのようなお仕事をされてきましたか?

いくつかしてきました。今はソウルで働いていますが、韓国に来た当初は地方で働いていました。

その頃は、主に化粧品やファッション関連の韓国商品を日本向けに販売するオンラインショッピングモールで、翻訳や日本からの問い合わせ対応などの業務を行っていました。

ソウルに来てからはIT企業で企画の仕事をしています。今はゲームアプリのイベント企画などの担当です。日本にも関係のある仕事なので日本語を使うこともありますが、基本的に業務はほぼ全て韓国語です。

韓国の職場の雰囲気

仕事

―いくつかの会社でのご経験があるとのことですが、各職場の雰囲気はいかがでしたか?

私は3カ所の職場で仕事をしてきたんですが……以下、順番にお伝えします。

1番目の職場

会社全体で外国人が2~3人しかおらず韓国人が圧倒的に多い職場で、完全に個人主義の会社でした。

外国人だからといって変に特別扱いされることなく基本的には気が楽でしたが、韓国内からの問い合わせなど韓国人の方がする仕事と同じことを任されていたので、大変な面もありました。

日本関連の業務ではある程度責任感のある仕事を任せてもらい、日本にある企業とのやりとりなどにも携わることができたのでやりがいがありました

2番目の職場

日本人・中国人・英語圏の人など外国人が多い職場だったのですが、チームの仲自体はとても良かったです。

ただ、会社側に「誰か辞めてもすぐに別の外国人を採用すればいい」という考えがあったように思います。

3番目の職場

本社が日本にあるのですが、ここ韓国で働く日本人は数人しかおらず、「日本人としてどう感じるか」といった意見を求められることが多いように感じます。

また、チーム内で周りをサポートする体制が整っていて、何か問題があったときは誰かがサポートしてくれるので、新しい業務に挑戦する際も安心して仕事を進められます。

韓国のビザについて

パスポート

MEさんが取得してきた就業ビザ・居住ビザ

―ビザはどのようにされていましたか?日本の方が韓国で就職する際に課題になってくるのは、主にビザの問題ですよね。

そうですね。私の場合は、初めに就業ビザ(E-7)を取得後、居住ビザ(F-2)に切り替えました。

就業ビザは通常、会社のサポートなしには取得が難しいのですが、私の場合、社長がビザ申請にとても積極的に動いてくれたので運が良かったと思います。

―就業ビザ取得時には、どのようなものを提出しないといけないのですか?

私が取得した時は、卒業証明、職歴証明、語学力証明(TOPIK〈韓国語〉、TOEIC〈英語〉)などの資料に加え、会社の雇用契約書や在職証明書などの資料を提出しました。

―その後、居住ビザに切り替えられたのですね。居住ビザ取得条件はどのようになっているのですか?

条件はいくつかあるようですが、私の場合は点数制を利用して取得しました。

点数制で居住ビザを申請する場合には、「就業ビザで1年以上働いた」という条件が必要です。それを満たした上で、学歴・年齢・年収・韓国語能力など様々な条件をもとに点数を計算し、一定の点数を超えるとビザが支給されます。

初めは3年ビザが支給され、前回の更新時には5年ビザをもらいました。

―その点数制というのは、以前はなかった制度ですね。

そうですね。確か2011年9月から施行されているはずです。

韓国におけるビザの種類

ここで少し補足します。韓国には2019年7月現在、主に以下のようなビザがあります。

(★印:MEさんがこれまでに取得したビザ)

1. 留学ビザ 

●長期留学(91日以上):D-4(一般研修) /滞在期間上限2年
●短期留学(90日以内):C-3(短期総合)/ 滞在期間上限90日(※ただし90日以内の滞在はビザ不要でOK)
●専門大学・大学・大学院留学:D-2(留学)/ 滞在期間上限2年

2. 就業ビザ

●ワーキングホリデー:H-1(観光就労)/滞在期間上限1年
●駐在:(1)D-7(駐在)/滞在期間上限3年、(2)D-8(企業投資)/滞在期間上限2年または5年
●現地企業で働く場合:(1)E-5(専門職業)/滞在期間上限5年、(2)★E-7(特定活動)/滞在期間上限3年
●語学学校講師:E-2(会話指導)/滞在期間上限2年

3. 国際結婚

●結婚して韓国に住む場合:F-6(結婚移民)/ 滞在期間上限3年

2011年新設。それまでは以下の「居住ビザ(F-2)」として発行されていました(後述)。

4. 居住ビザ

★韓国への滞在が許可されるビザ:F-2(居住)/ 滞在期間上限3年

ここで、「居住ビザ(F-2)」について少しご説明します。

以前は、主に「日韓両国で入籍が済んでいる場合の韓国人の配偶者」が、結婚ビザとして「居住ビザ(F-2)」で滞在することになっていました。しかし、出入国管理法施行令の改定により、上述の「結婚移民(F-6)」というビザが別にできました。

つまり、現在の「居住ビザ(F-2)」というのは「会社の種類や雇用形態、仕事の有無に関係なく韓国に住むことが許可される」ビザとなっています。

これまでは主に「結婚ビザ」あるいは会社からの「就業ビザ」がないと滞在できなかったため、この「居住ビザ」は新たな選択肢として、韓国に住みたい人にとってはうれしいビザだと思います。

もちろん、「居住ビザ(F-2)」を取るにはさまざまな条件があり、その条件を満たした人のみ取得することができます。

居住ビザ(F-2)を申請できる人

先ほど、MEさんとのインタビューの中で2011年に制度が変わったというお話がありましたが、就業ビザで韓国に滞在する「外国専門人材」のうち「学力、所得などの資質評価など一定の基準を満たす者」に対し改定が行われました。

この「韓国に滞在する外国専門人材」というのは以下を指します。

  • E-1:教授
  • E-2:会話指導
  • E-3:研究
  • E-4:技術指導
  • E-5:専門職業
  • E-7:特定活動

これらの資格で1年以上韓国に合法的に滞在している場合は、 滞在資格を居住ビザ(F-2)に変更できる点数制が採用されるようになりました。

なお、下の記事によると、学生ビザであっても1年以上の滞在歴がある場合は点数制を申請できるようです。ビザについては変更になる可能性があるので、最新情報はご自身でご確認ください。

韓国で仕事をする難しさとやりがい

難しい部分

―お仕事をする中で感じた難しい部分について教えてください。

会社によってもスタイルが全く違うと思うので一概には言えないですが、日本の会社のように「入社後にまず教育をしっかり受けてから実務に入る」というよりは、「簡単に業務について説明を受け、とりあえずやってみる」というスタイルが多いように感じます。

その分、自分で積極的に動いて学ばなければいけないので、初めは大変な部分も多かったです。

やりがいのある部分

―では次に、お仕事のやりがいについて教えてください。

これも会社によって違うと思うのですが、私が経験した会議の場では、韓国人・外国人に関係なく各社員の意見をよく取り入れてくれました。

特に、日本関連の業務に関する会議の際に日本語ネイティブとしての意見を最大限に尊重してくれたので、若干のプレッシャーもありつつ、一方でやりがいも大きくてありがたく感じました。

―外国人かどうかに関係なく意見を尊重してもらえるのはうれしいですね。

韓国で働きたいと思っている人へ

韓国

まずは日本で経験を積むこと

―MEさんのように、これから韓国で仕事をしたいと考えている人も多いと思います。そういった方々へ、何かアドバイスがあればお願いします。

韓国には日本語が上手な韓国人もたくさんいるので、日本語がネイティブという条件だけでは韓国での就職はなかなか難しいです。

これから韓国を目指す人は「韓国でどういう仕事をしたいか」を考えてみた上で、まず日本である程度その仕事の経験を積むことが大事だと思います。関連のある仕事の経験があれば、韓国での就職の機会もだいぶ広がると思います。

―確かに、韓国では「韓国での業務経験より日本での業務経験を重視する」といったことを聞いたことがあるような気がしますね。具体的には、どのような場面でそれを感じましたか?

就業ビザを申請する時に強く感じました。日本での業務経験がない場合、ビザの申請をしても却下される可能性がかなり高いのです。「結婚ビザ」などと「就業ビザ」を取得する場合とでは、条件が全く違うと思います。

―なるほど。就業ビザ申請の際に日本での業務経験が重要視されるのですね!

ビザ取得を有利に進めるために

―ちなみに、MEさんは日本でどのようなお仕事をされていたのですか?日本でのお仕事の経験が韓国のお仕事につながった実感などはありますか?

日本ではIT関連の会社で働いていました。韓国で就業ビザを申請した際に働いていたのもIT関連の会社です。日本で担当していた業務と似た部分が多かったので、ビザ申請の際も有利だったと思います。

それだけでなく、実際に韓国で仕事をしていく上でもすぐに業務に慣れることができたと思います。

またビザについてですが、日本で働いた後で韓国でビザをもらって働きたい人は、必ず日本であらかじめ卒業証明・在職証明などの資料を準備した上で韓国に来ることをおすすめします。

―それは貴重な情報ですね。今後、韓国で仕事をしたい人たちの役に立つと思います。どうもありがとうございました!

まとめ〜積極的に動いて学ぶことが成功の秘訣

韓国で働く大変さはあると思いますが、MEさんはやりがいのある仕事をし、生き生きしているように見えました。

日本でも就職が難しい昨今。いくら韓国語ができても、コネや人脈もない中、外国人という立場で実力のみで挑戦するというのは、なかなかできないことではないでしょうか。

自ら行動し、今では韓国での生活を楽しみ、充実しているご様子のMEさん。「自分で積極的に動いて学ばなければいけない」というご自身の言葉を実践していることが成功の秘訣なのかもしれません。

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