海外に住むとなった場合、やはり気になるのは生活費がどれくらいかかるのかということですよね。スペインでは物価はどれくらいで、何にいくらくらい必要なのでしょうか。
私は単身、スペイン南部のセビリアという街で暮らしています。私の実際の出費を踏まえながら、スペインのどこに住んでも共通するおおまかな生活費をシミュレートしてみたいと思います。
※1ユーロ=約121.5円
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スペインでの生活費は地域によって差がある
日本もそうですが、スペインでもやはり都会は生活費が高くなります。
個人的には、バルセロナが一番物価が高そうだなというイメージがあります。そして、首都であるマドリッドも田舎と比べると物価が高いです。
ここで言う物価とは、ピソ(アパート)の賃貸料、スーパーで売られている野菜・肉・飲み物などの飲食料品、サンドイッチなどの調理済みの食べ物、バルのコーヒー1杯、タパス(小皿料理)1皿の値段、バスや電車の運賃などです。
そのため、スペインのどこで生活するかによっても費用は変わってくるのですが、おおよその感覚として捉えていただけるよう各項目をご紹介していきます。
スペインの家賃相場
生活に欠かせないものといえば、何と言っても住むところです。スペインでピソを借りる場合の家賃相場を見ていきます。
シェアするか、一人で借りるか
日本でも最近はシェアハウスや友達との同居スタイルが増えてきましたが、それでも一人暮らしをしている人の方が多いと思います。
一方スペインでは、学生や未婚の社会人はピソをシェアしている人が圧倒的に多いです。
もちろん、一人ずつに個室がありますが、サロン(リビング)やキッチン、バス・トイレなどの設備は共有して使います。一人暮らしの物件よりもはるかに安い値段で借りることができます。
シェアする場合の家賃
ピソをシェアするなら、家賃はおおよそ月200〜400ユーロ(約24,300円〜48,600円)です。光熱費やインターネットWiFi代が含まれていない場合は、それらの費用が追加となります。
家賃は、ピソの立地や部屋の条件(広さ、窓の有無など)、シェアする同居人の数などによってかなり差があります。あまりに安い物件は何かしらの悪条件があったりします。
例えば、立地が悪い、とても狭い、シェアする人数に対してバス・トイレが少ない(5人の住人に対してバス・トイレが1個など)というところは、金額とともに住み心地もよく考えましょう。
一人暮らしの場合の家賃
自分だけで借りるなら、月350〜600ユーロ(約42,500円〜73,000円)が相場です。
一人暮らしの場合は水道光熱費やインターネットWiFi代が含まれていないことが多いので、プラスでそれらの費用がかかると思ってください。
シェアする場合と比較すると、これらの費用の負担は大きくなります。
また、シェア物件ではベッドや机など最低限の家具が揃っていますが、一人暮らしの場合は家具がないこともあります。そうすると自分で揃えなければいけないので、初期費用がかかります。
水道光熱費・ネット代は最初に確認を
水道光熱費やインターネットWiFi代は物件によって取り扱いが異なります。
全て込みで家賃が設定されている物件もあれば、水道代とWiFi代のみ含まれているところや、請求額をピソの住人間で均等割りするケースもあります。
日本より割高の水道光熱費
なお、スペインは日本と比べると水道光熱費が高いです。
例えば3人のピソの住人間で費用を均等割りした場合、1ヶ月で水道代は1人当たり40ユーロ(約4,900円)ほど、電気代は約50ユーロ(約6,100円)、ガスは約20ユーロ(約2,400円)です。
こうなると、合計は1ヶ月あたり100ユーロ(約12,500円)を超えてきます。
WiFiにかかる費用は契約している会社にもよりますが、月10〜20ユーロ(約1,300〜2,400円)程度になると思います。
日本人なら水道代込み物件がベター
個人的な経験からの意見ですが、最低でも水道代は家賃に含まれている物件をおすすめします。
日本人は基本的にきれい好きなので、毎日シャワーを浴び、洗濯もこまめにします。一度汗をかいた湿ったTシャツを乾かしただけでもう一回着るなどという人はあまりいないと思います。
スペイン人や諸外国の人はシャワーを毎日浴びなかったり、同じ服を何日も着たりするので、洗濯物が少ないことがあります。そのため、シャワーや洗濯の頻度が多い日本人が多く水を使っているように思われてしまうことがあるのです。
でも、水道代込みの物件であれば、そういったことを気にしなくて済みます。
水は大切に使おう
ただし、水道代込みだからといって水をジャージャー使っていいということではありません。スペインは日本と異なりあまり雨の降らない国なので、水は貴重な資源です。
冬に寒いからとバスタブにお湯を張ったりすると、一気に水道代が上がって大家さんに注意されるかもしれません。水は大事に使いましょう。
保証金(confianza)も忘れずに
住居を契約する際は、基本的にconfianzaと呼ばれる保証金を支払います。これは、ピソにある物を壊してしまった場合などの支払いに充てられるもので、大体家賃1ヶ月分であることが多いです。
インターネットで同居人を募集しているケースなどでは、保証金についても記載されています。
ただ、大家さんや貸し主の中には「confianzaはもらわない」としている人や、募集広告には「保証金家賃1ヶ月分」と記載されていても実際に会ってみると「0.5ヶ月分でいいです」と言われることもあります。
その辺りはあまりきっちりしていないようです。
- ピソをシェアする場合(水道光熱費込み):月250〜500ユーロ(約30,400円〜60,800円)
- ピソで一人暮らしの場合(水道光熱費込み):月450〜750ユーロ(約54,700円〜91,100円)
スペインでかかる食費
飲食にかかる費用も生活に必要不可欠なもの。
基本的には自炊した方が安いので、外食をどれくらいの頻度でするのかによって費用に差が出ます。
スペインは野菜が安い
日本と比べるとスペインは野菜がとても安いです。
例えば、トマトが2kgで2ユーロ(約243円)、ジャガイモが1kg1.5ユーロ(約182円)、玉ねぎは1kg1ユーロ(約122円)といった値段でスーパーや市場で売られています。
スーパーよりも、市場や街中にある八百屋(frutería)で購入すると安いです。
スペインは豚肉が安い
お肉は豚肉が安いです。
鶏肉や牛肉はあまり日本と変わらない感覚ですが、豚肉は日本より安いと思います。1kgあたり3.5〜4ユーロ(約425〜486円)くらいで売られています。
鶏肉は1kgあたり5.5〜8ユーロ(約668円〜972円)程度です。
スペインは魚が高い
日本にマグロを輸出している国の一つなのに、なぜかスペインでは魚が高いです。
例えば、切った状態で売られているサーモンは1kgあたり16ユーロ(約1,940円)。日本なら1切れ100円くらいのイメージですが、スペインだと1切れ150〜200円くらいの感覚です。
安い魚はタラ(bacalao)やイワシ(sardina, boquerón)などです。イワシは1kg2〜3ユーロ(約243~365円)でスーパーで特売されていたりします。
バルでの飲食代
学校や仕事が終わった後にちょっと一息、または友達と待ち合わせてちょっとお茶しようよとなったときなど、かなり頻繁にお世話になるバル。
飲み物
私の住むセビリアではカフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー、スペインで一番飲まれているカフェ)を1杯頼むとおおよそ1.2ユーロ(約146円)です。市の中心部で観光客が来そうなバルだと1.5ユーロ(約182円)くらいのこともあります。
ビールも同じく1杯おおよそ1.2ユーロ(約146円)です。
食事
たまにはバルで友達と食事をしたいですよね。
日本のレストランと異なり、スペインのバルでの食事はとてもリーズナブルです(マドリッドやバルセロナなどの観光中心地を除く)。
セビリアでも観光地の近くにある観光客向けのバルは割高ですが、街中にある地元の人が行くようなバルだと5〜10ユーロ(約610〜1,200円)でタパスとビールを楽しむことができます。
- 月約100〜200ユーロ(約12,100〜約24,300円):自炊メイン、月に何回かバルでお茶や食事をすると想定
1ヶ月に200ユーロ使っていたら結構豪勢な食事をしているイメージです。私は100ユーロ程度で収まっています。
スペインでかかる日用品代
スペインの日用品は業務用かと思うくらい大容量で売られています。
洗剤やトイレットペーパーなどの日用品はピソの同居人と折半して購入する形になることが多いです。
一方、シャンプーやコンディショナー、ボディソープなどは好みが分かれるかもしれないので、自分で購入することが多いと思います。
- 月約5〜10ユーロ(約610〜1,200円)
スペインでかかる交通費
私は徒歩、またはセビリア市が運営しているレンタサイクルSEVICIを利用しているので、ほとんど交通費はかかっていません。
SEVICIの利用は年間35ユーロ(約4,300円)なので、1ヶ月だと大体3ユーロ(約365円)です。
なお、セビリアのバスはバスカードで払うと1回の乗車が0.7ユーロ(約85円)、往復で1.4ユーロ(170円)です。
ただし、マドリッドやバルセロナのような大きい街ではメトロやバスに乗る頻度が多いと思います。定期券を購入したとしても交通費は1ヶ月に20ユーロ(約2,400円)程度かかるでしょう。
- 月約20ユーロ(約2,400円)
スペインでかかる携帯電話代
留学や仕事でスペインに長期滞在する場合、スペインで携帯電話を使うための契約をすると思います。
プリペイド式の携帯電話を契約する場合、1ヶ月でかかる料金は10〜30ユーロ(約1,200〜3,600円)程度です(端末代は含まない)。
24ヶ月契約なら、1ヶ月で約30〜50ユーロ(約3,600円〜6,100円)となるでしょう。
- 月約20ユーロ(約2,400円)
以下の記事に詳しい解説があります。
スペインでかかる美容費
スペインには安くてかわいいファッションブランドがたくさんあるので、特に女性ならどうしても洋服を買いたくなると思います。
シーズンごとに買う洋服代に加え、コスメ代も見積もっておく必要があります。
毎月かかるものではありませんが、私の場合は1ヶ月あたりで計算すると10〜20ユーロ(約1,200円〜2,400円)程度です。
- 月約15ユーロ(約1,800円)
スペインでかかる交際費
友達とどこかに遊びに行くとなるとお金がかかります。夏であればビーチに遊びに行ったり、週末にお友達の家に呼ばれてお土産を持って行ったりします。
これも毎週行くものではありませんが、1ヶ月あたり10〜20ユーロ(約1,200円〜2,400円)程度見ておけばよいと思います。
- 月約15ユーロ(約1,800円)
スペインでかかる保険・医療費
スペインに滞在するには保険に入らなければいけません。
留学生なら、スペインのMAPFREという保険があります。加入者の年齢によって金額が異なり、例えば独身33歳の私が現在加入しているプランは年間650ユーロ(約79,000円)です。
MAPFREの保険はスペインで発生する医療費をまかなってくれる内容になっていて、MAPFRE指定の病院であれば医療費を負担してもらえます。
ただし、薬にかかる費用はカバーされず自分で支払わなければいけないので、病院に行った際に処方される薬や、日々の生活の中で薬局で購入する薬の費用を見積もっておきましょう。
- 月約50ユーロ(約6,000円):保険費用と薬代
スペインでかかる学費
仕事ではなく留学で滞在する場合、学費がかかります。大学付属なのか、私設の学校なのかなどによって費用にはかなりの差があると思います。
例えばセビリアにある語学学校に通う場合、1ヶ月あたりの授業料は400〜600ユーロ(約49,000円〜73,000円)です。
- 月約500ユーロ(約61,000円)
まとめ~スペインでの1ヶ月の生活費は約14万円
では、ここまでに見積もったスペインでの1ヶ月あたりの生活費を合計してみます。分かりやすくするために、各項目とも平均値を取っています。
- 家賃:350ユーロ(約42,500円)
- 食費:150ユーロ(約18,200円)
- 日用品代:10ユーロ(約1,200円)
- 交通費:20ユーロ(約2,400円)
- 携帯電話代:20ユーロ(約2,400円)
- 美容費:15ユーロ(約1,800円)
- 交際費:15ユーロ(約1,800円)
- 保険・医療費:50ユーロ(約6,000円)
- 学費:500ユーロ(約61,000円)
合計 1,130ユーロ(約137,300円)
単純に12をかけると、1年で13,560ユーロ(約165万円)となります。
これはおおよそのシミュレーションですが、日本よりは安く生活できそうではないでしょうか。特に、食費と学費は日本よりかなり安く済ませられると思います。
ただし、最初にも述べたようにマドリッドやバルセロナなど人気観光都市の中心部では物価が高いので、この1.3〜1.5倍くらいのイメージを持っておいた方がいいと思います。
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