中国・上海に駐在!日系メーカーの海外駐在員として働き分かったこと

中国で仕事 駐在員

窪田さん(50代男性)は、単身赴任で中国・上海の日系メーカーに駐在員として勤務しています。

上海といえば、世界最大規模の日本人コミュニティがあり、多くの日本人が活躍している場所。そんな上海で駐在員として働き、どんなことを感じたのでしょうか?

特に、海外駐在員の働き方に興味のある方は必見ですよ!

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中国で駐在員として働くことになった理由

長い間、日本でエンジニアとして働いてきましたが、担当していた製品が外資系メーカーとの競争により、価格競争に巻き込まれてしまいました。このまま日本で生産を続けることは、人件費の面でも厳しい状況でした。

また、部品を購入する業者も日本生産メーカーから海外生産のメーカーに大幅に切り替えなければなりません。

そのためには、商品開発技術的な分野と生産技術的な分野を知る人員が海外に交替して常駐する必要があります。その人員に私も選ばれて、上海に赴任することになりました。

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中国駐在員として働くメリット

中国で仕事

臨機応変に対応する力がつく

日本にいれば、自分の専門以外の分野については質問できたり、教えてくれるメンバーが常に近くに存在していたりします。中国に赴任しても、ネットを通じてメールや電話会議で対応することができます。

しかし、海外生産拠点でトラブルが発生すれば、ゆっくり対応している時間がありません。事前に幅広い知識を準備しておいて問題を解決する必要があります。

「一度持ち帰って検討します」というフレーズが通用しないことも多いのです。即断即決する力も必要です

仕事の範囲が広がる

中国現地では、そこで働ける日本人の数が制限されることになります。私は現在、エンジニアとしての仕事がメインですが、人事、経営の面でも対応すべき業務が多く、多岐に渡って勉強する必要がありました。

そのため、海外にいるだけで仕事の幅が広がっていくことになるのです。

文化の違いを肌で感じ理解できる

中国で仕事をし始めて感じたことは、中国の人たちはわたしたち日本人と同じような容姿をしながら、考え方や行動パターンは大きく異なるということです。同じアジアの国でもこんなに違うのかと驚くことばかりです。

仕事上でお互いの意見が食い違うときの対応の仕方に違いがあり、組織というものに対する考え方も違います。

日本企業は終身雇用という文化の下で発展してきたために、社員の自己犠牲の精神に甘えているところが大きいです。したがって、これを中国人に当てはめようとしても当然無理が生じます。

なぜなら、中国人の仕事の概念は日本のそれとは大きく異なり、会社はスキルアップのための手段に過ぎず、転職や起業することを目標としている人が多いからです。

考え方の違いを非難しても意味がない

知り合いに、20代半ばの中国人の女性がいます。彼女は大学を出てまだ3年ですが、すでに2回も転職を経験しています。「その会社から教えてもらえることを吸収できたと思ったら次の転職先を探す」というのが彼女の、そして多くの中国人の考え方です。

日本ではすぐに転職や退職をすると、精神力の欠如ととらえられたり、信頼感に欠けると思われることが多いと思いますが、中国では違います。

より多くの仕事を経験し、より多くの技術や知識を会得することがスキルアップに必要という考え方が根底にあるのです。

海外赴任経験のない人たちは誤解して中国人の悪口を言う人も多いのですが、彼らの行動の背景には中国の文化があり、非難するだけでは意味がないことに気づきました

中国駐在員として働くデメリット

外食が多くなり健康管理がおろそかになる

上海には日本料理屋もたくさんあり、食べ物には困りません。そのため、ほぼ毎日外食している人もいます。故郷の味をいつでも楽しめるのはとてもうれしいことですが、やはり自炊に比べると栄養バランスが偏りがちになってしまいます。

また、生産拠点の工場で提供される食事は油分たっぷりです。現地のローカル飯なので仕方がないのですが、日本人には胃もたれするレベルの食事もあります。

中国語ができないと買い物にも困る

自炊するにも、上海語が飛び交うローカル市場では思うように買い物ができません。

そこで、外国人向けのスーパーマーケットを利用することになるのですが、日本から輸入したような食材は高く、特に冷凍食品などは日本で買うより2倍程度も高いです。ものによっては3〜4倍もします。

そうして結局、外食に頼り切りになるといった形になっています。

中国語を学べばこういった問題は解決されるので、中国で働く前に日常会話レベルの中国語は身につけておくべきだったと後悔しています。

中国駐在員として働き給料が約1.5倍アップ

海外駐在員として中国で働くことの一番のメリットは、とにかく給料が増えるということです。

駐在員としての勤務手当や危険地手当など手当が増えるので、結果的に給料が上がります。今の私の給料は月60万円ほどです。

住宅のマンションや帰国時の航空券などは会社負担が基本なので、中国でかかる生活費は食費ぐらいしかありません。

中国駐在員として経験したよくある仕事トラブル

中国人スタッフ同士だけで仕事を進めている中であいまいな部分が放置され、どうしようもない段階になって初めて報告されてくることもあります。

特に、朝から分かっているトラブルを退社の時刻が近づいてきたところで報告する人が多いことには、赴任初期には閉口しました。

なぜ報告が遅くなったのか尋ねても申し訳なさそうにすることもなく、「私の責任ではありませんから」と答えたり、面白いほどの言い訳を並べて自分を正当化する人も多いのです。

トラブルを避けるための対策が必要

余計なトラブルを避けるために、書面で詳細に証拠を残しておくことも有効な手段の一つです。

海外で働くことで得られるものは多い

大変なことも多い中国での単身赴任生活ですが、苦労を上回る収穫もたくさんあります。

視野が広がった

一番大きな収穫は、見方を広げることができたことです。

日本にいると、親しんだ日本の文化がすべて。日本を基準にして良い、悪いを判断してしまいがちです。しかし一歩外に出てみると、日本の基準が必ずしも世界のスタンダードではないことが分かり、より広い視野で物事を見ることができます。

外国の文化の良さはもちろん、それまで気づかなかった日本の良さも再確認することができます。

コミュニケーション力がアップ

コミュニケーション能力を伸ばすことができたのも、海外で仕事をして得られた収穫と言えます。

言葉はもちろん、文化や考え方が異なる人々と意思を通わせるためには、相手の背景を知り、最も伝わりやすい話し方や伝え方を考える必要があります。

言語の習得はもちろんですが、相手の立場になって考える思考がコミュニケーションにおいて欠かせないことに気付きました。今後どこで仕事をするにあたっても、また一人の人間としても、必要不可欠な力であると実感しています。

まとめ~それぞれの国にそれぞれの働き方がある

海外で働いてみて初めて分かることはたくさんあります。日本の仕事スタイルがスタンダードなのではなく、もちろん各国にそれぞれの働き方や特徴があります。

上海で駐在員として勤務する窪田さんも、実際に働いてみて実感したことや得られたことがたくさんあるようですね。

メリットもデメリットもある海外就職。海外駐在と現地採用では異なる部分もありますが、日本以外での仕事を経験できるという意味では同じです。あなたも海外で働いてみませんか?

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